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『夏の涙』

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2019.8.6 model*waka

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 夏というものは、目の前に来てしまえば寂しいものです。遠い昔の夏の想い出が蘇り消え去ることの虚しさが僕を孤独にするのです。今日初めて会うwakaに夏のことを訊いてみるつもりです。そしてwakaがかなりマニアックな機材で写真を撮ることについても。

 wakaは人あたりの優しい繊細な女の子でした。か細い声でボサノバのように囁くのです。さらに真っ白い肌と熟れたマンゴーの赤とのコントラストに目を奪われたのは当然です。間違いなく大人の女性なのですが、少女に負けないピュアさが見え隠れしていて、この人に肌を見せて欲しいと言葉にして良いのか迷うほどでした。wakaが白い胸元に続いて太ももを露出させた時、その美しさを前に正直動揺し、ただ「美しい」と何度も言いました。

 撮影が終わって別れ際にwakaの顔を覗き込むと大きな瞳から涙がこぼれたのです。その夏の涙に嫌味はなく、ただ理由もなく流れ落ちていたように見えました。


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□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットかも)
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2019-08-09 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『夏の蜃気楼』

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2019.8.1 model*TOMOKA

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 どうして真夏に緑の中で女の子の写真を撮るのですか。こんなに暑い日に屋外で女の子の写真を撮ることの意味を教えてくれますか。それなら、夏休みに誰もいない校庭にひとりで立ったときのことを思い出してみてください。流れ落ちる汗をぬぐいながら初恋という文字が浮かんだはずです。男の子は異性より先にセンチメンタルな夏に恋をするものなのです。

 夏を撮るなら文学の香りがするTOMOKAがいい。彼女には前回と同じ服を着てもらいました。そして僕の魂が写り込んだあの本でうぶで美しい乳房を隠すのです。ああ、やっぱり夏はこの子でなくてはならないのです。TOMOKAは僕の心の中に棲む夏の蜃気楼なのです。

「こんにちは。さよなら。またいつか」
「・・・」

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□この作品の公開時期は未定。次回34th個展『果実の季節』でファイルに入れてご覧いただけるかもしれません。ただし別カット。
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2019-08-01 : 35th個展に向けて : コメント : 0 :

魚返一真写真塾


今後の開催日程

2019.7.27..10時現在

魚返一真写真塾開催日程。。

各開催の集合時間注意!


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322回写真塾
8/3(土))開催予定
集合:午前10時。武蔵境駅南口。
モデル=理絵子
参加費13000円。定員4名。(受付中。3名受付済)
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323回写真塾
8/4(日))開催予定
集合:午前10時。武蔵境駅南口。
モデル=流石
参加費13000円。定員4名。(受付中。3名受付済)
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□魚返一真写真塾への参加ご希望の方は・・・こちらへ





※希望開催日がある方は連絡ください。
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※定員を4名に増やし参加費を13000円に値下げしました。(10/15より)
※写真塾終了後の昼食会は基本的にしないことにしました。軽食を持参し写真塾中に食事しても良いです。(10/15より)また、皆さんが合意して塾終了後に魚返抜きで昼食をしても構いません。モデルの参加も可。
※撮影場所は予告なく変更することがあります。多摩川開催の時は返りにおそば屋さんでお昼を頂いて返ります。
※貸切写真塾あり。お尋ねください。


□魚返一真・写真塾の新塾生を若干名募集しています。単発での参加可。
□魚返一真写真塾への参加ご希望の方は・・・こちらへ

□写真に関することをほぼ毎日ツィートしています。⇒⇒twitter
□被写体モデル募集。。ただ美しいだけではなく心に残る作品を撮らせてください。⇒⇒⇒こちらへ
□instagram⇒⇒こちら(少しずつアップしていきます)

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2019-07-24 : 写真塾 : コメント : 3 :

『妄想旅行・その2〜郷愁駅へ』

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2019.7.22 model*ちいも

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 僕とちいもは郷愁駅へ向かったけれど乗り継ぎが悪くとても時間がかかった。駅に着くとすぐに曲がりくねった路地を歩いた。家々を囲んでいる苔の生えたブロック塀は今では僕が住んでいる都会の街にはあまりない。僕の心に懐かしさがこみあげてきた。彼女も同じ感想を口にしていた。僕たちは昭和時代の集落のセットに迷い込んだみたいだった。

 家はあるが住人が見当たらない。何かの配達をしているオバさんにあの踏切のことを尋ねたが知らないという。あの踏切とは、ずっと昔、何度か訪れた小さな踏切のことだ。仕方なく、路地を下り小さな川に沿って曲がりくねった道路を歩いた。石垣の先で引き返すと踏切が見つかった。でも、踏切はあの頃のままではなかった。おそらく老朽化した部分の補修を繰り返した結果、やや雰囲気が変わったのだ。そのわずかな変化が僕をさみしくさせていた。

 ちいもはこのレトロな田舎の路地と妙に合っていて、まるでこの場所で生まれ育ったかのようだった。僕がこの娘に惹かれる本当の理由がわかったような気がした。ちいもは僕の少年時代に存在していた娘が時代を超えて今を生きているみたいなのだ。路地に彼女を立たせ乳房を露出するよう促した。その姿はとても美しく神々しささえあった。そして僕は粛々と撮影の儀式に及んだのだった。

 僕たちは帰りの電車に乗るために駅に戻り、あの本(妄想旅行へ導くためのガイド)を手にした彼女を撮影して妄想旅行を終えたのだった。


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□この作品の公開時期は未定。次回34th個展『果実の季節』でファイルに入れてご覧いただけるかもしれません。ただし別カット。
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2019-07-23 : 鉄道と彼女、 : コメント : 0 :

『妄想旅行・その1〜清純駅へ』

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2019.7.19 model*オリビア

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 駅の脇にひっそりとあった小さな書店の棚にその本はあった。二度ちゅうちょしたあと、やはり買うことを決めた。ふたりの迷える女の子(オリビアとちいも)を妄想旅行へ導くためのガイドとして使うのだ。買うのを迷ったのは、その本に書かれた銀河への旅が夢ものがたりに思えて、この本に影響を受けることになれば、これから彼女たちと向かう妄想旅行に混乱が生じ、ふたりが迷子になったりするかもしれないし、悪くすればふたりを失ってしまうかもしれないと思ったからだった。

 オリビアは紺色のジャンパースカートを着ている。街でこの服を着た娘とすれちがうと決まって厳かな気持ちになるのが不思議だった。同時にそれを着た娘たちの姿には清純とエロスの境目が見えやすく少年時代に受けた妄想の啓示を蘇らせることにもなった。

 これからオリビアと僕は清純駅へ向かう。電車はこの駅から遠いところにある私鉄の混乱の影響で遅れていた。何度か乗り換えなくてはならず、本当に清純駅の踏切につけるのか心配になった。

 やっと辿り着いたとき空は晴れ渡っていた。僕たちはすぐに踏切に向かった。清純踏切はひっそりしていて、ずっと昔に亡くなった誰かのために奉納された小さな遊園地みたいだった。僕たちは汗だくになり夢中で撮影を終えたけれど、彼女の白い下着が見えた瞬間にシャッターを押せなかったことが残念だった。そしてその後悔は永遠に消えないだろうと思われた。とても暑かったから駅前にあった駄菓子屋でアイスクリームを買って食べた。それにしてもこの駄菓子屋はいったい誰のためにあるのだろう。僕たちがこの駅に着いて、撮影が終わり帰りの電車を待つまでの間、だれ一人この店を訪れる人がいなかった。もしかしたら、この店も奉納されたものかもしれない。空を見上げると、もうさっきの青空はなく曇って雨が降り出しそうだった。

「ここは時間が不規則みたいだ。さあ、帰ろう。さもないと、永遠にここに足止めされそうだから」
「はい。わかりました。ふたりが無事に戻れるように私は祈ります」

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□この作品の公開時期は未定。次回34th個展『果実の季節』でファイルに入れてご覧いただけるかもしれません。ただし別カット。
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2019-07-20 : 鉄道と彼女、 : コメント : 0 :

『花は君』

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2019.7.15 model*麻菜

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 この麻菜の中には独特の可愛らしさがあって、その表情は男を虜にする麻薬のような効能を持っている。それが演技であったとしても、それを見抜ける男はどこにもいない。ふと麻菜を撮りたいと思うことがあるが、それも麻薬による習慣性からなのだ。つまり、麻菜=麻薬なのである。

 まだ小雨の残る中、僕たちは土手を歩いた。撮りたい写真は数日前から決めていた。妄想写真(パンチラ)である。それこそが僕の写真の原点なのである。駅を出てすぐに花屋で黄色いバラを一輪買った。麻菜に手渡し、スカートの裾を上げるように言った。撮り進めるうちに、バラが邪魔に見える瞬間があり麻菜からバラを遠ざけてみた。すると絵がぐっと引き締まったのは麻菜こそが花だからなのだった。

 家に戻ってコーヒーを飲みながら麻菜が好きな”My Favorite Things”をBill Evansのピアノで聴きながらこれを書いている。なんて幸せな時間だろう。ありがとう麻菜。僕の花は君だ。


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2019-07-15 : 35th個展に向けて : コメント : 0 :

『帯広図書館の、鉄道と彼女』

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長年にわたって僕のファンでいてくださった星則幸さんが送ってくれた写真を見て驚きと同時に嬉しさがこみ上げてきた。写真には帯広図書館に所蔵されている僕の写真集『鉄道と彼女』が写っていた。この本は星則幸さんのご尽力により同図書館が所蔵してくれたものです。(その経緯がすごいのですが、今回は省きます)

◯以下は星則幸さんから届いたメッセージ。。
久しぶりに写真集を拝見しましたが、今、観ても素晴らしい出来栄えです。最近の作品よりも若々しい感じのものが多いですね。最近の作品は、一層の奥深さを感じます。それぞれが共に素晴らしいです。最近、若い方の写真集の中に魚返さんのコンセプトに近いものを見ることがあります。1990年代には類例のないものでした。写真の文化の一つの形態としてもっと注目されてよいものだと実感しております。

◯星則幸さんの他、長年のあいだ応援してくださったファンの皆様に深く感謝いたします。
◯『鉄道と彼女』の在庫が数冊あります。問)ad28682@ha.bekkoame.ne.jp



2019-07-14 : 鉄道と彼女、 : コメント : 1 :

『僕のアリス』

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2019.7.13 model*流石(さすが)

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 撮影が終わり駅で流石と別れたのはまだ午前8時過ぎだった。僕たちは早朝に会って樹々の中を自由に歩き回ってきたのです。人のいない世界を「なんだか不思議の国みたい」と言ったのは彼女だった。そして「アリスは青いドレスを着ています」と付け加えた。

 実は今日の流石はアリスみたいに青色のワンピースを着ている。僕は黒い服を着た彼女しか知らなかったから、ちょっとした驚きだったけど、その青い服が彼女に似合っていたことがさらに大きな驚きでした。そしてなんだか嬉しかったのです。

 僕は彼女ほど美しい肌をした女の子を知りません。彼女ほど白い肌をした女の子をファインダーに入れたことがありません。そしてその肌は透きとおっているみたいに見えるのです。いいえ、ほぼ透きとおっていると言えるかもしれません。流石をやや暗い樹の下に座らせファインダーをのぞくと白い肌が浮かび上がって見えるのです。僕は躊躇することなく、乳房を見せるように言いました。そして僕は工夫することなく平凡に撮ろうと決めました。それがこの美しい光景を残す最善の方法だと知っていたからです。

 家に戻ってコーヒーを飲みながら久しぶりにビル・エバンスの『Alice in Wonderland』を聴きながらこれを書いています。なんて幸せな時間だろう。ありがとう流石。君は僕のアリスだ。

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2019-07-14 : 35th個展に向けて : コメント : 0 :

『妄想ロマン』

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2019.7.12 model*ちいも

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 僕とちいもは、ふとしたことでロマンポルノに興味を持ちました。僕たちの青春にエロチックな娘としての痕跡を深く刻んだあの女優の写真を見たことが始まりでした。その写真の中でずぶ濡れの白い半袖ワンピースを着て胸を完全に透かして見せたまま海辺に立ちつくしているのは、あの関根恵子でした。

 今日のちいもは白い薄手のワンピースを着ていました。ペットボトルを渡すと胸のあたりを完全に濡らし豊かな乳房と乳首をはっきり透かしました。その姿はとても魅力的で、僕が長年撮ってきた妄想写真の原点を見たような気がしたのです。

「あのね。来春の個展だけどタイトルを『妄想ロマン』にしようと考えていたところなんだ。君を撮ってその意を強くしたよ」
「お役に立てて良かったです」
「礼を言わなければならないのは僕の方だよ」
「いいえ、私です」
「・・・」

 この女と僕は何かを共有していると感じる。それは世間的には悪かもしれないが僕たちにとって楽園かもしれない。僕はこの先この女と撮ることになる数々の妄想写真のことを考えずにはいられなかった。

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2019-07-13 : 35th個展に向けて : コメント : 0 :

『幸せと危うさ』

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2019.7.5 model*ちいも

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 川へ行くと土手の緑が梅雨の潤いによって生き生きしている。女はしゃがみこんで愛でるように草たちに手をさしのべている。当然、その小さな花の名前を知っている。穏やかな空。ゆっくり流れる時間。少しの幸せがここにあるはずなのに、僕の気持ちはそうではない。少年時代、僕にとって川はあぶない空気が漂う危険な場所だった。

 鉄橋の下を歩いて川べりまでやってくる。女は穏やかに微笑んでいる。僕たちが立っている場所から水面まで数メートルほどの高さがある。女の胴体をロープで縛った直後に鉄橋の上をけたたましい音を立てて電車が通過。ふとこの川の下流で入水自殺した保守派の論客のことが頭をよぎる。今なら娘を突き落とすこともできると思った。しかしこの女に対して微かに愛情を抱き始めたことに気がつくと「許そう」と心の中でつぶやきながら、ロープをほどき亀甲縛りに自縄自縛させた。

「脱げる?」
「ええ」

 川を背景にして女の乳房を執拗に撮った。女に対してさらなる行動を起こしてしまいそうになる。女の顔を覗き込むと微笑んでいる。

「近いうちにまた撮ろうか」
「ええ」


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2019-07-06 : 35th個展に向けて : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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