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フォトテクニック3月号(2/20発売)に写真展「トロイメライ〜夢想」よりと題して6ページ(P110〜115)にわたり17作品が掲載されています。是非ご一読を。。。僕も永久保存版として明日書店にて購入します。

□29th魚返一真写真展『トロイメライ〜夢想』
2017.3/3〜3/20(休廊日・3/6月、3/7火、3/13月、3/14火)
神保町画廊
http://jinbochogarou.com/

2017-02-19 : 鉄道と彼女、 : コメント : 0 :

『女子高生は電車の座席で爪を切る』


2017.2.17 model*ゆり乃

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 車窓を流れていく大きな公園の樹々は葉を落としたまま寒々しく制止して、鳥たちは何時もとさほど変わらないスピードで飛んでいる。今日はかなり風が強いけど電車の窓越しに強風を感じることはない。おそらく夕方のニュースで「今日は東京で春一番を観測しました」と告げられるのだろう。とにかくこんな日に、僕はセーラー服を着た清潔で無垢な娘と電車に乗っている。僕はこの娘といると昔の自分に戻ることができる。と言うより、強制的に過去へ誘われる。つまり娘は僕から時間の感覚を奪う「時を駆ける少女」なのだ。

 娘と向き合って座席に座り、カバンから爪切りを出して手渡した。えッ?!と大きく開いた娘の怪訝な瞳に猛スピードで流れる車窓の風景が映っていた。なんて可愛らしいんだ!僕は今現在この娘に恋をしている若者がいことを想像して嫉妬した。「爪を切ってごらん」というと、娘はスニーカーを脱ぎ座席の上に片足を上げ靴下を縫いで足の指を出した。「さあ、僕の眼の前で爪を切ってごらん」ともう一度言った。娘は一瞬僕の表情を伺うと、紺色のプリーツスカートの裾を品良く乱して膝を露出した。

 爪を切る女子高生をローライフレックスのファインダーに入れると左右逆像のセーラー服姿が霞んで見えていた。次にライカのブライトフレームの枠の中にきちんと納めたとき、僕たちの時間は完全に止まった。僕と娘は電車の中から瞬間移動して老女がウエイトレスとして働く喫茶店でコーヒーを飲みながらそれぞれのことを話した。娘の夢、これまで僕が歩んだ人生、そして互いの共通点などいろいろ語り合った。そして雨ちゃんがプレゼントしてくれたイルフォードのデルタ400をワンロール撮りきった時、僕たちはまた電車に戻った。ああ、この娘は僕の時代の子ではないんだなという思いが僕を少なからず落胆させたのだった。

「爪切り、おわった?」
「はい」
「君は夢を持ち続けてください」
「はい」
「僕はもう少し生きてみるよ」
「はい」
「君って、時をかける少女だよね?」
「はい?!」
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□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。





2017-02-17 : 鉄道と彼女、 : コメント : 0 :

魚返一真写真塾


今後の開催日程

2017.2.20...8時現在
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DSC00937-3.jpgゆり乃

2/12(日)
271回写真塾開催
モデル=ゆり乃(新人)
終了しました。。
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20170122SAHODSC00607.jpgSAHO
2/19(日)
272回写真塾開催・場所未定
モデル=SAHO(1/22に続き二回目。今度はまったく違った感じになります)
10時30分、武蔵境駅南口集合。
終了しました。
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20170122junDSC00636-3.jpgジュン

2/26(日)
273回写真塾開催・場所未定
モデル=ジュン(二回目)
10時30分、武蔵境駅南口集合。
参加費13000円、定員4名。(0名受付済み)
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※希望開催日がある方は連絡ください。
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※定員を4名に増やし参加費を13000円に値下げしました。(10/15より)
※写真塾終了後の昼食会は基本的にしないことにしました。軽食を持参し写真塾中に食事しても良いです。(10/15より)また、皆さんが合意して塾終了後に魚返抜きで昼食をしても構いません。モデルの参加も可。
※撮影場所は予告なく変更することがあります。多摩川開催の時は帰りにおそば屋さんでお昼を頂いて返ります。

□魚返一真・写真塾の新塾生を若干名募集しています。。。
□魚返一真写真塾への参加ご希望の方は・・・こちらへ

□写真に関することをほぼ毎日ツィートしています。⇒⇒twitter
□被写体モデル募集。。ただ美しいだけではなく心に残る作品を撮らせてください。⇒⇒⇒こちらへ

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2017-02-16 : 写真塾 : コメント : 3 :

フォトテクニック誌で魚返一真写真展特集


魚返一真写真展『トロイメライ〜夢想』より、と題してフォトテクニック誌に特集が掲載される。写真はこれまで雑誌で掲載されなかった16点(モノクロ11、カラー5)で構成されている。このセレクトは藤井貴城編集長によるもので、ラフを観たとき作者である僕も思わす息を飲んだ。プロフェッショナルの編集者に対して失礼かもしれないが、藤井さんのセンスには脱帽である。

この特集は女性ポートレートが中心なのは言うまでもないが、今回は僕の鉄道写真も大きく取り上げられている。1970年10月に阿蘇・高森線の白川鉄橋で撮影したものだ。この写真が表舞台に登場する日が来るなんて考えもしなかった。この特集誌面を見ると、女の子と鉄道がほどよく調和している。それは、僕が鉄道と女の子を同じぐらい愛していて脳の中ではその二つが入り乱れているからだと考えている。


□フォトテクニック誌(3月号・2/20発売)に6ページの特集。魚返一真写真展『トロイメライ〜夢想』より、が掲載されている。

□29th魚返一真写真展『トロイメライ〜夢想』
於:神保町画廊
2017.3.3より3.20まで(休廊日-月火)

□1965年〜1970年前後に集中して撮影した鉄道写真のネガが僕の手元にある。本数は数百本。35mm、6×6、6×9などフォーマットも様々。1984年に廃線になった国鉄・宮原線を走るSL(C11)なども多数ある。もちろん、豊後森駅の扇状機関庫も撮った。これらのネガを何とかしなくては。。。

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2017-02-14 : 29th個展へ向けて : コメント : 0 :

『亜麻色の髪の少女・その2』2017.2.10 model*マリモ



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 雪子からメールが来た。娘のマリモがまた撮影をしたいと言っていると書かれている。撮影日も指定されていた。僕は迷う事なく撮影を引き受けた。

 改札口で待っていると、雪子とマリモがやってきた。そしてまた僕たちは去年10月に撮影した時と同じ道を歩いて土手を登り河川敷を歩き水辺へ辿りついた。ただ違うのは今日は北風が強くとても寒いということだ。僕は雪子に持って来たテニスラケットとスコートを渡した。石の上に布を敷くとマリモはコートを、そして上着とズボンをさらりと脱いで、下着姿になってさっさと着替え始めた。その恥じらいのない姿が好ましかった。僕はマリモの更衣を撮ることはしなかった。何となく。僕とマリモは喋らないで撮影に集中した。数分で持って来たライカとRTSに詰めておいたフィルムを撮り切った。
「寒くないの?」
「寒いよ〜」

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□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。
□なお、『亜麻色の髪の少女・その1』は2017年2/20発売のフォトテクニック三月号において、神保町画廊で開催する個展紹介(6ページ)に大きく掲載されています。是非ごらんください。



2017-02-12 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :

『採血実習・その2』2017.2.5 model*たま子



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 ひとつの部屋にこの娘と居合わせることになった。それは二度目のこと。前回に比べて何となく気まずい感じがあった。それは僕のバックに忍ばせて持ってきたものと関係がある。僕は娘にお願いがあった。去年の冬のことだ。娘を枯葉の上に寝転ばせ股間にある管を入れるように言うと娘は素直に従った。その写真が素晴らしくて、今日はそれと同じ状況の写真を撮りたいと思う。あの時と違うのは寒風を避けられる個室だということ。

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□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします
□一昨年の冬の作品『採血実習・その1』未発表・ミニ写真集収録

2017-02-12 : 30th個展へ向けて : コメント : 0 :

ミニ写真集 No.002『Olivia * オリビア』完成

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文庫本サイズとはいえ『たま子』『オリビア』とも144ページの大作。

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『トロイメライ〜夢想』は神保町画廊で開催される個展の鑑賞ガイド(72ページ)。

□各写真集とも神保町画廊で期間中販売。価格未定。
□第29回魚返一真個展『トロイメライ〜夢想』
3/3Fri --- 3/20Mon 神保町画廊にて開催。











2017-02-04 : ミニ写真集 : コメント : 0 :

『ゆり乃の旅』



2017.01.28 model*ゆり乃

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 正確に言うとこの旅が始まったのは九日前ということになる。その日、この街に新しくできた駅ビルの六階にある本屋で僕はゆり乃と出会った。彼女は僕が育った山間部の小さな町にたったひとつあった洋館に住んでいた愛らしい少女に雰囲気が似ていた。あれから半世紀が経過しているから、ゆり乃があの洋館の少女であるはずはない。僕はゆり乃に話しかけた。そして10分後には僕たちはビルを出て井の頭線の改札口のそばで数枚撮影して、次に改札を入って各駅停車に乗った。一つ目の駅で降りてホームのベンチに並んで座って横からゆり乃を撮った。それからあれこれあって、僕たちは別れた。

 ゆり乃は静かな女の子だった。彼女と過ごす時間にかすかに流れていたのは、シューマンの『トロイメライ』だった。このところの僕は3月に開催する個展のことで頭がいっぱいだったからそうなったんだと思う。個展のタイトルが『トロイメライ〜夢想』だから。

 今日はあれから九日目。冬には珍しく暖かく穏やかな一日だった。約束の時間に駅前でゆり乃を待った。少し遅れてやってきたゆり乃は白いセーターの上に白っぽいミニのワンピースを着て白いコンバース(たぶん)を履いていた。最初に会った時より全体的にキラキラしていて霧に包まれているようにやや霞んで見えた。それは九日間の夢想の中でゆり乃を昔あこがれた少女に磨き上げたからかもしれなかった。僕たちは九日前と同じように電車に乗った。誰もいなくなった座席に向き合って座り写真を撮った。終点で降りて赤い花を買うために駅の近くの花屋に立ち寄った。ゆり乃は赤いチューリップを選ぶと店員は一本20円で売ってくれた。「どうして20円で売ってくれたんだろう?」「・・・」もしかして今日は2017年ではなく、ずっと昔だから安いのかもしれないと思った。例えば、1965年とか。

 大きな橋の下でゆり乃を撮った。赤いチューリップや彼女が持参した赤いリンゴの型をしたロウソクを持ったゆり乃を撮り続けた。そして、ついにフィルムが終わってしまった。僕は「かわいい」と何十回も言ったけど、それでも足りない気分だった。

「さようなら」
「さようなら」ゆり乃は夢想の中に消えて九日間の旅は終わった。


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□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。。
□ゆり乃さんは第371回魚返一真写真塾のモデルとして初登場します。






2017-01-28 : 29th個展へ向けて : コメント : 0 :

『飯沢耕太郎さんの解説』


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 3月に神保町画廊で開催する個展『トロイメライ〜夢想』に向けて写真評論家の飯沢耕太郎さんに解説文を書いて頂きました。僕は僕自身のことを分かっていると考えていても、本当にそうだろうか、ともどかしく感じていたのですが、飯沢さんの文章を読んで胸のつかえが下りた感じがしました。加えて、飯沢さんの文章は散文詩のように美しいのです。実を言うと、僕は飯沢耕太郎さんに一度も会ったことがないのです。それなのにこの文章・・・。いま僕の気分はトロイメライしています。

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〜憧れと妄想〜
飯沢耕太郎(写真評論家)

 魚返一真さんの写真を見ていると、少年だった日々のことを思い出してしまう。頭の中はいつでも性的な妄想でいっぱいになっていた。憧れの女の子がいたとしても、声をかけることさえできない。精液の匂いのする夢に溺れながら、ずっと悶々と過ごしているだけだ。
 それでもいつのまにか、抑えきれない欲求に何とか折り合いを付けることができるようになってくる。気がつけば、あの憧れと妄想の季節のことなど、遠い彼方の出来事になってしまっている。それはそうだろう。誰でも、迷い惑った日々のことなど、思い出したくもないからだ。
 ごく稀に、あの少年の日々を純粋培養して保ち続けている人がいる。魚返さんもその一人なのだろう。むろん、誰でもできることではない。写真という魔法の道具を的確に使いこなすことができる能力と、それ以上に、無償の情熱がなければ、このような写真を撮りつづけるのはむずかしい。
 もう一つ、魚返さんのカメラの前で、惜しげもなく体と心を開いてくれる魅力的なモデルたちが必要だ。それも簡単なことではない。『トロイメライ〜夢想』は、そんな微妙なバランスで成立してきた、奇蹟的としかいいようのない写真群だ。

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2017-01-26 : 29th個展へ向けて : コメント : 0 :

フランスで出版された"MOSO"

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魚返一真作品集"MOSO"がフランスで出版されました。

"MOSO"
Lieutenant Willsdorff 刊
サイズ/201mm×148mm
144ページ
値段42ユーロ

Lieutenant Willsdorff(ルーテナント・ウィルスドルフ社)代表のダミアンは「魚返一真の写真からは不可思議な忘れがたい詩が聴こえてくる。隣家の娘とでも呼ぶべき女たちが自らを捧げるように被写体となった結果、美しく傷つきやすく目も眩むほど純白な妄想写真を実現している。」と評している。

○新しい情報を追加しました。。
・"MOSO"の詳細、販売ルートやダミアンが出版に寄せた全文は以下をご覧ください。
http://www.bekkoame.ne.jp/%7Ek-ogaeri/MOSO/MOSO.html



2017-01-24 : "MOSO" : コメント : 0 :
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プロフィール

ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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