カップル・・・2011.3.27



カップルの写真を撮ることがある。なんとなくシャッターを押している。妬ましさからためらう。しかしほのぼのした感じがするからシャッターを押す。他人の恋を素直に見ることができる年齢になってしまった。

■上のカットは平凡な雲がなんだか良くて見ていたら突然視界にカップルが入って来た。
■下のカット、、とても小さいけどカップルを撮ったつもり。ブレッソンみたいでしょ。
2011-04-06 : カップル : コメント : 0 :

青い抱擁

20110320couple008_edited-1.jpg
2011.3.20*調布にて

 二人を見つけたのは暗い春休みの公園だった。僕は二人にとても興味をもった。若い二人の青っぽい恋の抱擁を見ていたら自らの青春を思い出して、暗い春を忘れてほっと一息ついていた。とはいえ、僕の少年時代とこの二人はかけ離れている。つまり、女の子と歩く事などあり得なかったし、まして抱擁などということは絶対になかった。けれど、当時の僕たちの心の中は女の子と手を繋いで歩きたい、あわよくば抱擁したいと願っていたから、気持ちにおいてはほぼ同じと言えなくもない。

 公園の二人はどう見ても中学生だった。まだ幼いがストレートに気持ちを身体で表現することが出来ている。青春映画の、それも洋画の、しかもかなり大胆な恋の物語みたいだ。二人のそのまっすぐな抱擁は、東日本を覆っている、この暗い春を忘れるためだとしたら・・・。そう思った瞬間に、僕は二人の方へ歩き始めていたのだった。

「ねえ、、君たち」
「あ、はい」
「二人が抱擁しているところを撮らせてくれないかな」
「あ、はい」

 僕はローライのスクエアなファインダーに映った二人の抱擁の逆像をまるでフランス映画のようだと感じながら六回シャッターを押した。

「ありがとう。君たちは中学生?」
「半分そうです」
「じゃあ、半分はなに?」
「高校生です。中学を卒業したばかりなんです」

 僕は何だか胸がキュンとした。そして少しがっかりした。どうして少年時代に抱擁をしなかったのだろう。どうしてできなかったんだろう。僕はやり残したことの大きさに額然としたのだった。そして、彼らの将来にとってこの暗い春の抱擁はとても重いと思った。
2011-03-30 : カップル : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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