個展四日目


 某出版社の方がご同伴なさった女性が素敵だったこと、知人の女性(以前モデルをお願いしたことがある)のご友人である紳士(僕よりご年配)がご同伴なさった女性(紳士とは高校の同窓生)が素敵だったこと。この二人の熟女のことが印象的でした。女性は歳を重ねて輝きが増してきます。男性はその輝きに敏感でなくてはいけません。若い子がいい、それはそれでそうなんですが。
 僕は素敵な塾年女性に魅力を感じます。実際、そういう女性を撮りたいのですが、この世代の人は撮られることに抵抗がありますから、モデル探しはとても難しいのです。でも、僕のテーマのひとつになって行くでしょう。

□今日も在廊しております。まずは、ボブ・ディランでも流しましょう。(昨日はくるりでした)

hitomeyamaBW.jpghitomeyama4C.png
※復興支援チャリティー写真(上)はたくさん買っていただき昨日在庫切れしたモノクロを補充いたします。。


2016-09-24 : 28thに向けて : コメント : 0 :

個展三日目

スクリーンショット28thDM


 祭日でしたが三日間で一番暇でした。ご来場いただいた方々に心より感謝申し上げます。また個展に来てくださって感想をツイートして頂いた方々にも感謝いたします。
------------------------------------------
僕の写真に興味をもっている人がいる。それがわかる。写真家にとって嬉しいこと。僕の写真に興味がない人がいる。写真家をそっとしておいてくれる人で、僕をしずかに育てている。僕の写真が嫌いな人がいる。少しほっとする。なぜ僕の写真が今の型になってしまったのかなんて、語るのも恥ずかしいことなのです。

□本日も在廊しています。時々部屋を出ていますが、すぐに戻りますので、それまでゆっくり鑑賞していてください。
□復興支援募金プリントのご購入ありがとうございます。





2016-09-23 : 28thに向けて : コメント : 0 :

個展二日目

ラビリンス画像-2


 熱心なファンの方々が来てくださいました。僕が資金難の時につくった『ラビリンスシリーズ』をOさんがサインして欲しいと持ってきてくださいました。その場でサインしてお返しするつもりでしたが、このシリーズは僕の手元に一本もないので、お借りして観ることにしました。Oさんはこのシリーズをとても高く評価されていて、再販したら多くのファンが喜ぶとおっしゃいました。しかし、恥ずかしい。こんなDVDを売っていたとは・・・。でも、僕が僕の一ファンだったら、やはり貴重なものだと思うのかもしれません。僕の作品を後世に残してくれるのは、やはり僕の作品を所有してくださっているファンの方々だと再認識しました。長年にわたって僕の作品をご購入いただいたファンの方々に心から感謝いたします。僕はすでに幸せな写真家になっていました。

□今日も在廊しています。
□ラビリンスは第六作まであったはず・・・




2016-09-22 : 28thに向けて : コメント : 2 :

個展初日

hitomeyama4C.png
スクリーンショット28thDM


天気が悪いなか熱烈なファンの方の来場。最後まで在廊しました。疲れたけど、清々しい気持ちで帰路につきました。京都の寺くん、美人奥様のSさん(奥様は原節子似。品が良くご教養の備わった方)、午後いらしてくれ熱いお話をかわした方。最後に写真をなさっているお二人の男性との熱い握手。その他いろいろな方々のご来場に感謝の言葉しかありません。復興支援ポストカードも好調。

※最後にご来場いただいたカメラマンのお二人(熱く握手をした)へ。僕の写真塾に来ませんか?


本日も在廊します。2016.9.21水 魚返一真
2016-09-21 : 28thに向けて : コメント : 0 :

個展まであと十日。。

スクリーンショット28thDM


 個展まで十日となりました。だいぶ出来上がってきました。会場が変わったので少し工夫をしています。

 今回展示する作品は昨年九月に開催した27th個展『ラムネ色の媚薬』が終わってから現在までの一年間に撮影した新作が中心です。展示内容は、ひとつのテーマにこだわることなく広く選んだので楽しくご覧いただけると思います。今回展示しなかった新作が多数ありますが、それらはいずれ別の機会にお見せしたいと思います。

 会期中はほぼ在廊していますのでご来場いただいた方々とのお話を楽しみにしています。

   --------------------------------------------

◎『MOSO』に収録された作品は来年三月に神保町画廊にて開催する29th個展において展示する予定です。

◎『MOSO』の販売に関する情報はこちらをご覧ください。→→こちら。



2016-09-10 : 28thに向けて : コメント : 0 :

CAPA9月号(8/20発売)に掲載


201609CAPA-2.jpg


CAPA9月号(8/20発売)の写真展特選街で魚返一真『妄想カメラ#2016』が1ページ(P106)で紹介されています。

3枚の作品とわかりやすく格調高い文章によって構成された誌面を見たとき静かに歓びが湧いてました。編集者の鬼沢さんが書いた文章は自分のことなのに謎解きが出来た時のように僕の心に沁み入りました。

------------------------------------------------------------------------------
□第28回魚返一真個展『妄想カメラ#2016』
アートコンプレックス・センター(A.C.T)ACT4にて。
9月20日(火)〜9月25日 11:00〜20:00(最終日〜17:00)

□同ギャラリーにて第6回魚返一真写真塾グループ展『ALL GIRL.6』を同時開催。

2016-08-19 : 28thに向けて : コメント : 0 :

フォトテクニック9月号(8/20発売)にグラビア6ページ掲載 !!


FTD201609-3.jpg


フォトテクニック9月号(8/20発売)のグラビア(6ページ/P100〜P105)に僕の作品が紹介されています。

タイトルは『おもいでの夏・The Summer Knows』です。
新旧の作品で構成されたセンスの良いセレクトとレイアウトによって魚返ワールドは熟れた果実の様相で、見事にセンチメンタルな夏が表現されていいます。これぞ「魚返ワールド!」と作者である僕を唸らせます。なおこの秀逸なページを考えてくれたのは藤井貴城編集長で、藤井さんの深い写真愛に敬意を表します。


□なお、掲載されたポートレートは個展ですべて展示します。
□第28回魚返一真個展『妄想カメラ#2016』
アートコンプレックス・センター(A.C.T)ACT4にて。
9月20日(火)〜9月25日 11:00〜20:00(最終日〜17:00)

□同ギャラリーにて第6回魚返一真写真塾グループ展『ALL GIRL.6』を同時開催。






2016-08-19 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『あの頃のまま』・・・撮影報告



2016.8.17 model*麻菜

                   ﹆

僕が日本人だからでしょうか
この娘を見ているだけで何だか安らぎます
僕がもう古い日本人だからでしょうか
この娘のうら若き日々の苦しみがわかるような気がします

古い喫茶店の隅の席に座って
マスターが淹れたアメリカンコーヒーをすすりながら卵サンドを頬張る時 
僕と向き合って座ってくれますか

娘が真面目な性格だからでしょうか
僕が若かった頃に出会っていたような気がします
娘が地味な服装だからでしょうか
下着は白であって欲しいと思ってしまいます

木立に囲まれた喫茶店の窓際に座って
ママが淹れたトアルコトラジャをすすりながらジャムトーストを齧る時
ブレッド&バターや大滝詠一をいっしょに聴いてくれますか

娘の笑顔が素敵だからでしょうか
白いベッドの上で白い下着姿のままでいてほしいのです
娘がとても遠い人だからでしょうか
ずっと白い下着姿のままでいてほしいのです
今のまま麻菜のまま 永遠にあの頃のまま

                  ﹆


□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。




2016-08-17 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『すてきな17才』・・・撮影報告


20160805DSC04908-3のコピー


2016.8.5 model*麻菜

                 ﹆

「君はなんてかわいいんだ」
「そんなこと絶対ないないッ」
「君の美しいバストは青春そのもの」
「そんなこと全然ないないッ」

「君にお願いがあるんだ。ずっと17才でいて欲しい」
「それは無理。だって私はもう・・・」
「僕の眼の中にいる時だけでいい」
「そんなの無理です」
「僕にはちゃんと17才にみえているよ」
「だれかが聞いたら吹き出しちゃうッ」
「永遠の17才になったお祝いに野草を摘んで君の夏帽に盛ってあげよう」
「ありがとう。でも、なんだかすてきねッ。17才って」
「君はすてきな17才。永遠にね」
「はい、私は17才。ずっとずっと」

                 ﹆




□被写体モデルを募集しています。
□28th個展(9/20--9/25)で展示しました。



2016-08-09 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『My Back Pages』・・・撮影報告



2016.7.19 model*wakana

                   ﹆

 白い肌に傷をつける。僕にはそういう行為をする意味がわからない。身体のあちこちに着けたピアスもどうしてなのかわからない。もしわかったとしても恐らく勘違いか錯覚に近いはずだ。

 女は白い半袖Tシャツを着てジーンズのショートパンツを履いている。長い手足は服から生え出ているみたいで昆虫みたいだ。「君、部活やってた?」「テニス部です」「なるほど白いスコートが似合いそうだ」やがて女は自らの白い肌に爪を立てる。数秒が経過すると爪に引っ掻かれた所は赤い筋となって痕が残った。この出来事が今年の夏を象徴する個人的な思い出になるには、例え僕が若いつもりでいても、やはり僕では歳をとり過ぎていると思った。つまり、少年にしかないみずみずしい感性が不可欠だと感じていた。残念ながら名曲“My Back Page”のようにはいかない。しかし、タイムスリップできるなら、これを半世紀も前の少年時代の思い出のひとつに着け加えて過去を塗り替えてもいいとさえ思ったほど、女は古風で美しく傷痕は艶かしかった。

 撮影が終わった時に見上げた空は完全に少年時代のあの夏と同じだった。「あのね、次の撮影では川に入って欲しいな、その白い肌を水の底に沈めてみたいんだ」「ええ、私でよければ」少年時代の僕は度々川底の岩が少女の肉体に見えていた。

                  ﹆


□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。






2016-07-19 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『妄想カメラ#2016』DM


スクリーンショット28thDM


□第28回魚返一真個展『妄想カメラ#2016』のポストカードができました。
※このDMデザインは変更の可能性があります。

2016.9.20tue -- 9.25sun 11:00 -- 20:00(最終日17時まで)
□アートコンプレックス・センター ACT.4(Artcomplex Center of Tokyo = A.C.T)
The Artcomplex Center of Tokyo
〒160-0015 東京都新宿区大京町12-9
http://www.gallerycomplex.com

□新作を展示します。
□第6回魚返一真写真塾グループ展『ALL GIRL .6』も 同ギャラリーのACT.5にて同時開催します。


※このDMが欲しい方は下記までメールで宛先などを送ってください。
 ad28682@ha.bekkoame.ne.jp (魚返一真)

●フランス版"MOSO"の詳細はこちら⇒⇒○○


2016-07-19 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『夏の雲を慕う』・・・撮影報告


2016.7.10 model*tamako

                   ﹆

 ふと懐かしい気持ちになった。“HOSONO HOUSE”を聴いていたからかなと思った。駒沢裕城のペダルスチールが流れると僕は心の中で涙をこらえる。空を見上げると少し夏の雲があった。そうだ、僕たちは川へ行かなくちゃ。少し暑いけれど川沿いを歩こうよ。ねえ、君のこと教えてよ。先輩のこととかも。もちろん、僕のことも話してあげるから。夏草たちが聞き耳を立てているんだ。昔と同じ土の匂いと水のきらめき、そんな当たり前のことが僕に大切なんだ。もちろん、君を撮れることも。

 娘はアイボリーのブラウス、水色に花柄の綿のロングスカートを着てひらひらのついた日傘をさしている。つまり、僕たちの青春時代のアイドルみたいだ。ほらあの雲、もうすぐ夏が来るね。もう少し川沿いを歩こうよ。あの橋のたもとまで歩いたらブラウスのボタンを外してごらん。それで僕は幸せ。

                   ﹆


□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。





2016-07-10 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『カナリア諸島にて』・・・撮影報告


2016.7.2 model*Olivia

                  ﹆

「『カナリア諸島にて』っていう曲を知っている?大滝詠一のアルバム “A LONG VACATION“に入ってる曲だよ」と僕はエキゾチックな顔をした娘の瞳を覗き込むように言った。
「私、知りません」と娘は、いきなり私にその質問をする意図はなに?みたいな怪訝な表情で言った。
「だからさ、僕が覗いているファインダーの中の君を含めた世界がさ、まるでカナリア諸島の出来事みたいだから・・・」
「私、その意味がよくわかりません」
「いいんだよ、わからなくたって、大滝詠一だってカナリア諸島に行ったことないのにあの曲を書いてヒットさせてしまったんだからね。ほらこれをごらんよ」と言って、僕はデジタルカメラのディスプレイに今撮ったばかりの写真をリプレイして娘に見せた。
「あっ、ほんとうだ!カナリア諸島って感じする」
「ほらね。僕たちはひょいとカナリア諸島に飛んでいって撮ってきたのさ」

娘さん、あなたは何て美しいのでしょう。
カナリア アイランド カナリア アイランド 風も動かない・・・


                  ﹆




□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。





2016-07-03 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『微笑』・・・撮影報告



2016.7.1 model*蛍子

                   ﹆

 女の奥深さのようなものを漠然と考えていた。誰だっていつもは決して見せない何かを隠し持っているに違いないのだ。この女の場合のそれは何だろう。カメラを向けると、いつもどおり妖艶な表情に変わった。そして肉体はその精神に追随するように血の気を増していった。やはり、この女の妖艶さを怖いと感じたのだった。次の瞬間に、女は何故か静かに微笑んだ。そして次第にその微笑みは笑いへと変化していった。あれ、この女も笑うんだ。それもこんなに美しく。女は熟した乳房を露にしたまま空を見てまた笑った。僕は「美しいじゃない、あなたの笑顔」と意外だという表情を込めて言ったのだった。

                  ﹆



□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。



2016-07-03 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『むかしの話さ』・・・撮影報告


2016.6.30 model*祥子

                  ﹆

 娘とムラサキツメグサを摘んだ。

「シロツメグサなら知っているけど、ムラサキ?この数年の間に世の中にムラサキツメグサの群生があちこちに増えているような気がする。ずっと昔、そうだな、僕が少年だったころのこと、もう半世紀も前になるけどね。僕はシロツメグサやれんげ草を摘んで花冠を作ったんだ。僕は花冠を作ることにとても喜びを感じていた。どれぐらいの喜びかというと、戦艦大和のプラモデルを作るよりずっとだったな。何を言いたいかというと、少年時代にムラサキツメグサなんて見た事もなかったってことだよ」
「わたしは花の冠をつくれるかしら」
「僕は作れるよ、まず最初の花のすぐ下に次の花を置いて、最初の花の茎に次の花の茎をぐるりと巻き付けて後方の上から前に返し下におろすんだよ。ほらね、これを繰り返す。二十本もあればできる」

 三年前にギャラリーに飾ったある写真の前に立っている娘の後ろ姿が懐かしかった。「あの、すいませんが写真を撮らせて頂けませんか」とそっと言った。それからずっと娘を説得している。一度撮らせてもらったにもかかわらず、まだ説得している。この娘の奥ゆかしさとかたくなさは小さい頃に僕の周囲にあったありふれたものだった。それは今はもう失われたもののような感じがする。でも、娘はそれをずっと持ち続けている。奥ゆかしさとかたくなさ・・・。僕はこの娘に深い愛着を感じる。そして娘を見ると深い寂寥感に襲われる。ああ、懐かしいあの時代。あの半世紀前の良き時代よ。僕は娘に花冠を手渡して「上着を脱いでキャミソールの肩ひもを外しなさい。あのね、半世紀前だったらこれだけでエロかったんだよ」と言いながらシャッターを押した。

                  ﹆



□この作品をご覧になりたいと思う方は拍手をお願いします。





2016-07-01 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『思い出の娘』・・・撮影報告



2016.6.27 model*さくら

                  ﹆

 娘は遠くで花を摘んでいる。やがて戻ってきた彼女の手から摘んだ花束を受取って花の冠を作った。

「君、冠作ったことない?」
「ええ、ありません」
「僕は幼少の頃、シロツメグサやれんげ草やススキで冠を作るのが好きだったよ」と言うと娘は微笑ましそうに笑った。
「そこに立っていてくれればいいよ。ずっと見ていたいから」と僕は見ているだけでは満たされないものを感じながら言った。
「ええ、でも何か指示してくださらないと」と娘は僕に懇願するような眼で言った。
「では、そのワンピースのボタンを外してみてはいかがでしょう」
「はい、ではそうしてみます」

 僕の前に立った娘の姿は、こうして僕といることがずっとずっと昔のことであるかのように霞んでいた。この娘は現在とかけ離れた何かを持っていて、それが時として空間そのものを過去に変えてしまうのだろう。

                  ﹆



□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。
□この作品はカメラマン誌8月号(7/20発売)に掲載されます。



2016-06-29 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『オリビアの初夏』


20160505OLIVIADSC07721.jpg


2016.5.5 model*Olivia

                  ﹆

 周囲は夏草が生い茂っている。虫だって湧いている。この場所に娘を連れて来れた事実は、彼女にとって特別な人間になれたような錯覚を僕に与えた。雑草の美しさは特別だ。地球上のすべてを緑で覆い尽くしてしまう。緑以外の色を持つ一輪の花さえ許さない。初夏の光、ひかり。草の一本、一葉、みんなばらばらに存在して、めいめい好きなように陽を浴びている。人のように同じような環境を持つ平等より、夏草のように全部がバラバラであることの平等がいい。

Oliviaよ!
遠慮することはない、あなたは美しくありなさい
いずれ美しいということが個性のひとつにすぎないことがわかる
Oliviaよ!
遠慮することはない、あなたは自由でありなさい
いずれ自由が重圧に感じるときがくる

すべては夢のあとにわかる
そんなときふと夏草のことを思い出してみて
そう、夏草って幸福なんだよ

                  ﹆




□もし個展で展示する場合は別カットを展示します。
□別カットが月刊カメラマン8月号(7/20発売)に掲載されます。
□被写体モデル募集中⇒⇒こちら
2016-06-29 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『罪な肢体』 ・・・撮影報告


2016.6.25*modelわかな

                   ﹆

 女は細く長い手足をしていた。瓜実顔の女の顔を見ていると自然に古(いにしえ)というものを想像してしまった。ふと美人幽霊画の掛け軸が僕の頭をよぎり、もしやこの女は幽霊ではと思った。はっと現実に戻れたのは、無風なのになぜか女の白いプリーツスカートが舞ったときエレガントな下着を着けていることがわかったからだ。「花を摘みなさい」と言って女に生け花用のハサミを渡すと、女はすっと僕のそばを離れ歩き去ってしまった。
 しばらくして女は野草の束を抱いて僕のいる薮の中に戻ってきた。そしてまた僕の前に静かに立った。女の肌はさっきよりもっと白くなって透けていた。「あなたには人とは思えないような美が備わっている」と女に言ったあと、僕の背筋に冷たいものが走った。

「どんな写真を撮りましょうか」
「おまかせいたします」

 それにしても何と美しい肢体だろう。美しいことを通り越していて、美的ではあるが、僕自身冷静に撮影できるのかと少し怖かった。

                   ﹆



□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。。
□この作品は月刊カメラマン8月号(7/20発売)に掲載されます。




2016-06-26 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『幸せの金魚鉢』



2016.6.20*reiko

                  ﹆

 女はマスクをしていた。それは一般に人々が常用している白いマスクではなく花柄のマスクだった。女は土手や河原に生えた野草と戯れているように見えたが、実は野草を摘んで金魚鉢に入れていたのだ。野草は金魚鉢というガラスの囲いの中で一息ついて幸福に見えた。

 女はブラウスを脱ぎブラを外し乳房に触れるように「幸せの金魚鉢」を抱いた。まるで幸福を独り占めするように。そして女はまた金魚鉢を覗き込んだ。

 どれほどの時間が経っただろうか、女は金魚鉢の中の野草にさようなら、と言って、土手の草むらの上に散骨するみたいに神妙に野草をばら蒔いてしまった。身内の死ほどに悲しみがあるかのごとく、そもそも摘んでしまったことを詫びるがごとくに。その時僕は女の心中に、小さな幸せはいらないわ、というような強がりな断片がどこかにあることを期待していた。
 
                  ﹆




□この作品をごらんになりたい方は拍手をお願いします。。



2016-06-23 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『野草の供えもの』


2016.6.12*わかな

                  ﹆

 待合せ場所に現れたわかなは瓜実顔で肌は白く手足はとても細く長くてモジリアーニの絵の中の女みたいだった。わかなはもの静かだけど自分の考えをしっかり持っていて知的だった。僕たちはこれから何かを葬ることになっている。わかなは野原に生えた野草を自分で摘み、その束を葬りの儀式に供えるのだ。なぜ、こうなったかというと、わかなが儀式の似合う女だからだった。

「昔のことなの、私には葬りたいことがあるの」とわかなは静かに言った。
「それはどんなこと」と僕はわかなの眼を見ずに低いトーンで訊いてみた。
「私をとおりすぎた人たちのこと」と澄んだ声で答えた。
「わかった」と僕はいろいろ詮索したい気持ちを抑えこんだ。
 儀式が始まるとわかなは意味のわからない詩をよんだ。

この草花の腐ってゆくのを見る様な
私を棄てて腐ってゆくのを見る様な
空を旅してゆく鳥の・・・

 わかなの葬りたい過去というのは、この女の美しい身体がゆえに起きたことなのではないかと僕は思った。それほど、わかなの身体は美しい。

                  ﹆


□この作品をごらんになりたい方は拍手をお願いします。








2016-06-12 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『二つの個展開催決定』・・・お知らせ


28th魚返一真個展『つぐない/TSUGUNAI』(仮題)
2016.9.20(火)〜9/25(日)まで
場所〜アートコンプレックス・ギャラリー(ACT4)

6th魚返一真写真塾グループ展『ALL GIRL.6』の隣の会場で同時開催します。

            ﹆﹆﹆﹆

□29th魚返一真個展『妄想/MOSO』(仮題)
2017.3.3(金)〜3/20(祝・月)まで
場所〜神保町画廊

フランスで出版した”MOSO”を神保町画廊さんに取り扱って頂いたご縁で同画廊にて個展を開催して頂くことになりました。自らの手を離れて開催する初個展です。

            ﹆﹆﹆﹆﹆


□"MOSO"の詳細は以下をご覧ください。
http://www.bekkoame.ne.jp/%7Ek-ogaeri/MOSO/MOSO.html

□被写体モデル募集中⇒⇒こちら


2016-06-11 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『漱石を頭上に』・・・撮影報告


20160520risu006_edited-1.jpg



2016.5.20 risu

                 ﹆

少女を連れてまた薮の中。数日前に比べるとまた緑が濃くなった気がする。少女も二ヶ月前より愛らしくなったみたい。いったい何があったの。少女よ、セーラー服の上着を脱げますか。中間服のセーラーを脱いだら二つの白い健康的な乳房があらわに。わたし水泳部だったの。ああ、新緑の中で何という初々しい肌。少女よ、両手でそこにある文学全集を君の頭上にかざしてごらん。あ、これですか?そう、岩波の夏目漱石全集第四集、「それから」が入っているやつ。

                 ﹆



□この写真は個展で展示するカットではありません。
□もう1枚をFlickrにアップしています。(これも個展で展示するカットではありません)こちら⇒⇒Kazuma Ogaeri MOSO
□被写体モデル募集中⇒⇒こちら




2016-06-11 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『自分の為だけに生きること』・・・撮影報告


20160430mina034_edited-1.jpg


2016.4.30 model*みな

                 ﹆

 娘が話す物語がはたして本当なのかはわからない。それが事実ではないにしても僕は娘の話をおもしろく聞いているし心がおどることさえある。もし、それがまったく根拠のない話だとしたら、人一倍疑り深い僕が素直に聞いていられただろうか。

 娘の身体はほぼ少女と言っても良いだろう。娘は清潔な育ちと高い教育を受けてブランド力の高い会社に勤めている。だからと言ってこの先キャリアウーマンみたいに一定の成果を得ることを目的としていないように見える。娘は自分の人生を自らの精神を癒すためだけに生きているのだ。当然、私生活において自分が望まないことは一切しないであろう。娘に近づく男たちは皆彼女の遊び道具でしかないだろう。これ以上この娘について語っても理解は得にくくむしろ誤解を招くだけだろう。ひと言つけ加えるなら、娘はいじらしく愛らしい。。

 娘と川に来ている。娘はこの場所にはまったく不釣り合いな清楚なワンピースを着ている。僕は茂みに娘を連れ込んだ。この茂みこそ僕がエロスを授かった故郷の川の畔へ誘う秘密の場所なのだ。ここで僕がしたことは誰もが考えうる悪戯である。つまり僕は凡人としての陳腐なプライドを持って写真を撮っている。

                 ﹆



□この作品は個展で展示するものとは限りません。
□もう1枚をFlickrにアップしています。こちら⇒⇒Kazuma Ogaeri MOSO
□被写体モデル募集中⇒⇒こちら







2016-06-10 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『Bellesa(美人)』・・・撮影報告



『Bellesa(美人)』・・・撮影報告

2016.5.22 Rosalie,,Olivia

                 ﹆

 あの曲が聴こえる。静かなアランフェスの旋律から始まった曲は一転して激しくリズムを刻みフルートとFENDAR,RODES(エレピ)が奏でる攻撃的なフレーズは何処までもエスカレートする。どんな人でも一度聴いたらその情熱的な演奏に酔いしれるだろう。その曲はCHICK COREAの『SPAIN』だ。あまりに有名なこの曲を持ち出したのは、この女を語るのに必要だと思ったからだ。つまり、この女、Rosalieは『SPAIN』の旋律のように情熱的な女だった。

 ビルの四階にある小さな書店で僕は夢遊病者のようになってマスクをした女に近づいた。「あの」と僕がたどたどしく話しかけると、「はい、なにか?」と言って信じられないぐらい大きな瞳を僕に向けた。あっ!ベレーザ(美人)!誰だってこの女を前にしたらイチコロだな。もちろん僕もだった。「なまえは?」「ロザリー(Rosalie)っていうの」

 その日から二ヶ月が経った日。つまり今日、Rosalieに会うのが何となく心細く感じだ僕はアシスタント兼モデルとしてOliviaを呼んだ。そして午前10時17分に、Rosalieと僕とOliviaはあの新緑で八方が塞がれた薮の中にいた。「Olivia、僕のかわりにRosalieの胸に触れて欲しい。僕はその様子を覗きのように盗み撮りしたい」新緑の隙間からもれた木漏れ日がRosalieの胸元を照らす。
 「Bellesa!」と僕はつぶやきながらシャッッターを押した。


                 ﹆

□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。







2016-05-22 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『薮の中へ』・・・撮影報告



2016.5.16 model*美乃里

                    ﹆

 あなたをこの薮の中へ招き入れたのは、僕の中に潜んでいる危ない気持ちを持って撮影するためです。あの花屋であなたの為に一輪の花さえ買わなかったのは、僕の中に確かにある悪意のせいなのです。あの緑一色の薮の中で、あなたの乳房を葉緑素のさらし者にしたいのです。危険なのは、あなたの白い乳房に実った桃色の乳頭に触れることです。そうなればあなたの誘惑に負けて高揚したあと、今度はあなたの裏切りによって屈辱を味わうことになるでしょう。もし、あなたの肌が緑に染まってしまえば、乳房はこの場所に静かに潜む夥しい数の生き物の餌食となります。それが僕の企みです。

あなたの美しい乳房が憎いのです
桃色の乳頭は、心にナイフを持てといいます
わるいのはあなたです
わるいのは乳房です

                    ﹆



□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。






2016-05-17 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『大人の関係』・・・撮影報告


2016.5.15 model*つぐみ

                   ﹆

 毎年一日だけ、初夏の中で一番初夏らしい日がある。初夏が過ぎ去れば、あの日が初夏の真っ盛りだったとわかる。だけど今年に限っては、それが今日だとはっきりわかる。そんな日の陽の光は何もかも若々しく生き生きさせる。
 つぐみを初めて撮ったのは14才のとき。ちょっと前に会った時には少女っぽかった娘が今日はりっぱな娘として初夏の光の下で草むらに膝を抱えて座っている。黒いタイトのミニスカートからはみ出した脚が眩しく光っている。きれいになったね。そして18才になったね。つまり、法的には気持ちさえ通じ合えれば僕とだって大人の関係になれるんだよ。その意味、わかる?

                   ﹆


□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。





2016-05-17 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『ルドベキア・タイガーアイ』・・・撮影報告



2016.5.14 model*yoko

                  ﹆

 ここへ来る前に花屋に立ち寄って小さなひまわりを一輪買った。僕が花を買おうと思った理由は、yokoは花が好きで今日がyokoの誕生日だったからではない。yokoが花が好きなことや今日が彼女の誕生日だという事実も総てが終わった帰り道に聞いたことだ。単なる偶然だった。この花を選んだのはもちろんyokoだった。僕も緑一色の草むらにひまわりの黄色が映えて良いと思った。もしこの花がルドベキア・タイガーアイという極めて情緒のない名前だと知っていたら違う花にしてもらったかもしれない。

 草木は日に日に葉を増やしすでにこの場所は新緑のドームみたいになっていた。yokoの白い肌が草の緑に少し染まって、そしてyokoが手にもった一輪の黄色い花が野性的に見えた。つまり、ルドベキア・タイガーアイという名前の花を選んで正解だった。またyokoはうつくしくなった。。

                  ﹆


□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。。。


2016-05-16 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『夏休みの部活』・・・昨年撮影した作品を初公開します。


20150815TSUGUMIDSC05641のコピー


2015.08.15 model*つぐみ

                  ⁂

 暑い夏の午後に僕は汗を拭いながら遥か昔へと過ぎ去った夏休みの日々を思い出している。

 あの頃の夏休み、僕は部活をするため午前6時半に学校へ行った。野球部に所属していたけれど運動は得意でもなく補欠だった。僕は補欠のポジションに居心地の良さを感じていて、ずっとその場所に留まるためのささやかな努力をした。つまり僕は頻繁に部活をサボって女子運動部室の覗き見をしていた。部活が終わると汗と土埃にまみれた女子たちは、シャワー室などない時代だから手ぬぐいで軽く身体を拭くだけでセーラー服に着替えて帰路についた。僕は汗にまみれたセーラー服姿の女の子たちを校門で見送るのが好きだった。

                  ⁂

 久しぶりに会うつぐみは紺の三本ラインの入ったセーラー服を品良く着て、セミロングだった髪はボブ調に変わり以前より幼く見えて、こけし人形のように愛らしかった。つぐみは軟式テニスのラケットを持ち部活帰りのようだ。セーラー服姿のつぐみは日陰に座ってうぶな唇にピンク色のリップを塗りはじめた。僕は何度もシャッターを押しながら、ずっと夏の思い出の中に棲みつづけてきたラムネ色の思い出がついに撮れたことにいたく感動したのだった。


                  ⁂



□つぐみちゃんは5/15(日)244回写真塾のモデルです。(参加受付中)




2016-05-09 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『うす紫色の菊』・・・撮影報告


2016.5.7 model*tamako

                  ﹆

 朝から僕は武満音楽のるつぼに嵌っている。洗練された旋律のところどころに軽い裏切りと息苦しさがやってくる。そのさらに奥では澄み切った空気の中に深い愛が覗き見える。その総てはすぐそこにあるはずなのにとても遠く感じる。それは、うす紫色の菊の花の存在ように曖昧なのだ。武満の音楽に嵌りたいという気持ちとこの娘を撮ることとは無関係ではないと僕は考えている。

 娘は自分が選んだうす紫色の菊を一輪手にしている。そして自らの白い胴体を下着ごと赤い紐でぐるぐる巻きにして結んだ。娘が少し不自由になった手で紐の下のキャミソールを強引に下に引くと型の良い乳房がこぼれた。新緑をぬって木漏れ日が落ちてきて娘の黒髪、肩、胸、太ももを白く照らす。娘の胴体と一緒に赤い紐で縛られたうす紫色の菊も淡く光る。

 紫と緑の混濁。美しい乳房と虫たちの吐息。厳かな精神と背徳の高揚。娘はすぐそこにいるのにとても遠い。この儚きものを見せられた僕はただ呆然とするのみ。いや、僕にはカメラがある。無心にシャッターを押し続けることが、僕の生きること。

                  ﹆



□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。



2016-05-08 : 28thに向けて : コメント : 0 :

『夏草の中の娘たち』・・・撮影報告



2016.5.2 model*美月、Olivia

                  ﹆

 中学生になって最初の中間試験の英語で僕はわざと数問ほど間違えた。そのお陰で僕の成績は学年で三番になった。なぜそんなことをやる必要があったのかはいずれ別の場所で説明するが、とにかく一番にならなくてすんだことに胸を撫で下ろした。(決して自慢ではありません)
 中間試験が過ぎた頃から僕はときどき学校に遅刻するようになり仮病で休むこともあった。実際の僕は説得力のある病気を長期間抱えていたけれど学校を休む時にはその病名を口実にすることはせず、腹痛とか熱があるとかにとどめた。学校を休んでひとり川へ行くと初夏の河原は夏草が芽吹いていた。新緑の香りは生命の匂いがして僕は性的な誘惑を感じた。そんな草いきれの中で僕は女の子たちのことを考えた。同学年の女子生徒の中で気になる子をピックアップして評価した。ちなみに僕の女子生徒の評価基準は独特だったから、他の男子たちが考える女の子の人気とは違っていた。

                  ﹆

 ここは草いきれでいっぱいの河原です。清楚なワンピースを着た娘と帽子をかぶったお嬢様風の娘と来ています。二人とも品があってとても魅力的です。河原に生えた灌木の間にできた草むらで二人は語り合っています。そこで二人はいろいろなことをしています。性的なことも少し。僕は一部始終を灌木の陰から覗き見しながら撮影しているところです。それは初々しく美しく、そしてエロチックな光景です。

                  ﹆





□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。。。



2016-05-03 : 28thに向けて : コメント : 0 :
ホーム  次のページ »

プロフィール

ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
このブログのすべての写真や文章などコンテンツの無断コピー、無断転用を禁じます。

月別アーカイブ

ブログ内検索

FC2カウンター