FC2ブログ

『夏にさよなら』

20190905saraDSC04656-2-700WEB.jpg



2019.9.5 model*Sara

                  ﹅

 Saraは一年前にある場所で僕にスカウトされたというのだが僕の記憶は曖昧だった。しかし、駅でSaraと会った瞬間に初対面ではないとはわかった。Saraは終始笑顔で言葉も明瞭で、うじうじ続く夏と、その夏に打ちのめされた僕にけじめをつけにやってきたのかも知れない、などと深読みさせる娘でした。

 河川敷にいつの間にかできた小道にSaraを立たせスイカを手渡すと、ゼンマイ仕掛けの人形のように動きあいらしく表情を変えました。ついにSaraは少女のようにスイカに食らいつきました。そのとき僕はSaraの精神に処女性を感じながら、こんな娘はどこにもないと心の中で呟きました。

 駅でSaraと別れたとき、やっと夏にさよならできたのでした。

                  ﹅
 


□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットかも)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。




2019-09-05 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『夏の涙』

20190806wakaDSC03214-2-700WEB.jpg


2019.8.6 model*waka

                  ﹅

 夏というものは、目の前に来てしまえば寂しいものです。遠い昔の夏の想い出が蘇り消え去ることの虚しさが僕を孤独にするのです。今日初めて会うwakaに夏のことを訊いてみるつもりです。そしてwakaがかなりマニアックな機材で写真を撮ることについても。

 wakaは人あたりの優しい繊細な女の子でした。か細い声でボサノバのように囁くのです。さらに真っ白い肌と熟れたマンゴーの赤とのコントラストに目を奪われたのは当然です。間違いなく大人の女性なのですが、少女に負けないピュアさが見え隠れしていて、この人に肌を見せて欲しいと言葉にして良いのか迷うほどでした。wakaが白い胸元に続いて太ももを露出させた時、その美しさを前に正直動揺し、ただ「美しい」と何度も言いました。

 撮影が終わって別れ際にwakaの顔を覗き込むと大きな瞳から涙がこぼれたのです。その夏の涙に嫌味はなく、ただ理由もなく流れ落ちていたように見えました。


                  ﹅



□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットかも)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。



2019-08-09 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『プラム』

20190628marinaDSC00014-2-700WEB.jpeg


2019.6.28 model*万里菜

                  ﹅

 今朝、野球部だった中学生時代の自分を思い出していたら万里菜をグランドへ連れて行き野球部のマネージャーにしてみたくなった。待ち合わせ場所に現れた万里菜の服装はすでに部活のマネージャーみたいで驚いた。

 僕はプラムを持ち、万里菜は表紙がよれて何度も読んだことをうかがわせる文庫本を持ってきていた。僕はその小説を書いた作家の名前を知らなかったけれど、神経を病む女の子にまつわる物語が書かれているらしかった。僕がプラムを持ってきたのは、以前万里菜にレモンを持たせて撮ったことがあったから別の色の果物にしたというだけの理由だった。

 土手を超えると雨上がりの河川敷グランドには誰もいなかった。プラムを手にした万里菜をマウンドに立たせると見事な投球モーションを繰り返した。僕は連続でシャッターを切り、満足して撮影を終わろうとした時、万里菜が「わたしが持ってきた文庫本は・・・」と言った。「ああ、すっかり忘れていた。本にプラムを載せてバックネット裏に立ってほしい」と言ってカメラを構えファインダーに万里菜を入れた瞬間、あまりの可愛さにキュンとして、マウンド上での見事な投球ホームのことなど忘れてしまった。万里菜は愛らしいマネージャーになって「プラム」というタイトルの神経を病んだ少女の物語を演じ始めていたのだった。

 家に戻ってこれを書いている。こんな時には万里菜の好きなバンドを聴くのがいい。すると彼女と出会ったことが奇跡のように感じられて素敵だ。




                  ﹅



□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カット)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。


2019-06-28 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

34回魚返一真個展『果実の季節』ポストカード

34thDM.png


34回魚返一真個展『果実の季節』
2019.9.24(火)〜29(日) 12時〜19時(最終日17時まで)
場所:ギャラリー・ルデコ5
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷3-16-3 髙桑ビル5階
TEL 03-5485-5188
・・・・・・・・・・・・・
魚返一真主催ポートレート展『ALL GIRL 2019』を同ギャラリー・ルデコ4にて同時開催します。参加者募集中(残1名)
問:ad28689@ha.bekkoame.ne.jp(魚返まで)
2019-06-24 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『イヴ』

20081224eve001-700WEB.jpg


2008.12.24 model*よしみ

                  ﹅

 イヴのことだ。僕はショートケーキとリンゴを持って彼女の部屋へ向かった。線路沿いの小道を歩いていると眼の前に彼女がいた。寒々しい薄手のコットンのワンピース着て、手には液体洗剤の容器をぶら下げていた。「洗濯をしていました・・・」僕は彼女に導かれて狭い路地に隠れるように立つアパートへ向かった。
 部屋は暖房がきいていた。まず、彼女は下着をとりリンゴを股間においた。それから、彼女は全裸になりベッドにあぐらをかいて座り、静かにリンゴの皮を剥いた。僕はただ黙ってその様子を見守り、時折シャッターを押した。

                  ﹅


◯この作品は34th個展『果実の季節』にて展示予定です。
*作品『イヴ』は、オランダの小説家ハリヨン・ゾーマ氏の小説『dat wat blijft』の表紙や北海道大学准教授であり詩人の阿部嘉昭氏の詩集『頬杖のつきかた』の表紙に使われています。





2019-06-18 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『イチゴ』

20190609hinaDSC06952-3-700WEB.jpeg


2019.6.9 model*ひな

 「この娘にそれを言って良いのだろうか」僕は何度か迷ったことがある。でも口に出すことはしなかった。とても言えなかった。「この娘にそんな頼みが通じるのだろうか」何度考えてみても答えは同じ「ノー」だった。そんな僕の気持ちに変化があったのは前回の撮影の後だった。娘は以前の彼女よりも年齢が下に見えた。娘の心の中で何かが動いたのではないかと感じた僕は「乳房を撮らせてもらえないだろうか」とさりげなく口にした。すると娘は、一瞬うなずいたようだった。そして娘の気持ちが変わらないようにすぐに次の撮影日を決めた。

 今日がその撮影日。多少の不安を抱きながらカメラを構えた。すると娘は躊躇することなく胸を見せたのだった。娘の胸はまるで少女のそれで、控え目な膨らみや小ぶりな乳首などパーツが幼かった。ファインダーに入れたとき、ほんの少しジョック・スタージスやデビッド・ハミルトンになった気分だった。


                  ﹅



□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。

※次回個展『果実の季節』で展示する作品を一緒につくってくれる女性を探しています。。http://www.bekkoame.ne.jp/~k-ogaeri/modelboshu.html
2019-06-11 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『その白い肌について』

20190608eikoDSC06502-3-700WEB.jpeg


2019.6.8 model*詠子

                  ﹅

 女は白いワンピースを着ていた。その白は大人の女のための白であって少女に着せるためのあの純白ではなかった。そう感じさせたのは、女の肌がとても白くてうっすらと柔らかな肉に覆われ、そこには女の白い人生があったから、相対的にワンピースの白を曇らせて見せていたのだった。ワンピースが黒だったとしても同じだっただろう。女の人生が含まれた白によって、やはりその黒をも曇らせるであろう。つまり女の白い肌は魅力的で少女の白い肌とは意味が違うのだ。

 薄い皮膚で造られた乳房を見せてください。その小ぶりな乳首の意味を教えてください。そうだ、これをあげましょう。なぜか丸いズッキーニ。

 この女の身体は熟れきっているものの、女はまだ本当のことを知らないのではないかと思わせる。女は初めて僕の前で夢を語った。今この女は少女のように未来を見ているのかと思うと少しホッとしたのだった。

「もう梅雨入りだね」
「ええ、そうね」



                  ﹅



□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。
※次回個展『果実の季節』で展示する作品を一緒につくってくれる女性を探しています。



2019-06-09 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『岸辺のカフカ』

20190607oliviaDSC06400-2-700WEB.jpeg


2019.6.7 model*Olivia

                  ﹅

 今にも雨が降り出しそうな空模様。そのせいではないけれど僕は内心穏やかではなかった。今日撮影ができるのだろうかという不安もあった。それでも部屋を見回して目についたものをバッグに詰めて家を出た。

 川に着いた時、どんな写真を撮るのか全くわからない状態だった。
「雨が降ったら危険ではないですか」と娘が言った。
「それはまったく心配ない」と僕が断言しても娘は執拗に不安を口にした。
 ふと僕は実話を元に描かれたドラマ『岸辺のアルバム』を思いだしていた。むかし今僕たちが立っているこの川の下流の堤防が決壊し家が流されたのだった。僕はそのことは娘には教えなかった。

 僕は家から持ってきたレトロなスコートを娘に着せ何色かのフルーツキャップなどをやみくもに手足に配置した。すると突然不思議な感覚に襲われた。娘のロングヘアーのせいか、こっちを向いているのか向こうを向いているのかわからなくなったのだった。僕は不安から逃れようと目をこすり執拗にシャッターを押したのだった。撮影中雨が降り出し終わった頃には滝のような豪雨になっていた。

「変な気持ちになったんだ」
「それはどんな?」
「そうだな、後ろ前が逆だったり上下が逆さまだったりするような」
「・・・」

 僕は心の中でこのことを伝えうる言葉を探した。やっと思いついた時は、娘と別れたあとのことだった。その言葉は「カフカ」だった。


                  ﹅



□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。
※次回個展『果実の季節』で展示する作品を一緒につくってくれる女性を探しています。。http://www.bekkoame.ne.jp/~k-ogaeri/modelboshu.html




2019-06-08 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『ジャズ』

20190606harukaDSC05942-3-700WEB.jpeg


2019.6.6 model*悠(ハルカ)

                  ﹅

 ジャズという名前の小さいリンゴを見つけた。普通のリンゴの半分しかない。僕は少し迷ったけれど、一個だけ買うことにした。明日悠が着てくる青いチェック柄のかわいいワンピースとの相性を考えてのことだった。僕は悠に興味があった。その理由はメールの中に誠実な人柄を感じたのと、彼女がメガネを掛けていることなのだった。僕がメガネをか掛けている女の子が好きだとか、或いは興味があるというのではなく、メガネの子を見ると大抵はずして欲しいと思うのだ。映画を観ても、メガネを掛けた女性がメガネをはずすと突然魅力的な女に変身して、これまでその女に興味がなかった男が彼女の虜になったりする。僕にとって女の子にメガネをはずさせるということは彼女が日頃隠している裸の顔を見ることで、極端かもしれないけれどスカートの下を覗く行為に似ているのである。

 悠と駅で待ち合わせした。遠くから悠の姿を見つけたとき、少女体型だったことが僕をときめかせた。メガネをした大人びた顔しか見たことがなかったから驚きは大きかった。その瞬間、今日の目的をメガネをはずした悠を撮ることに決めた。

 川に着いた。僕はジャズ、つまり小さくロリィタなリンゴを悠に手渡し少女チックなワンピースの前ボタンを外し、白いブラに隠された左の乳房を見せるように言った。悠の乳首と乳輪はまるで少女のように薄いピンク色だった。その時、僕はメガネをはずした悠の顔を見たいという欲望にかられたのである。つまり、スカートの下を見たいという感じで。

 川面を渡って来る風に吹かれた悠は自由を得た人魚のように神秘性が加わって魅力的だった。

                  ﹅



□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。
※次回個展『果実の季節』で展示する作品を一緒につくってくれる女性を探しています。。http://www.bekkoame.ne.jp/~k-ogaeri/modelboshu.html
2019-06-06 : 34th個展に向けて : コメント : 2 :

『熟れすぎた果実』

20190601hinaDSC05629-3-700WEB.jpeg

2019.6.1 model*ひな

                  ﹅

 なんとなく熟れすぎた果実とロリィタの関係について考えていたのです。その果実とはひと月以上前に買ったアボカドのことで、指で押すとかなり凹むのでとっくに食べ頃をすぎているとわかります。僕はこれをひなの掌に載せてみたいとおもったのです。

 待ち合わせ場所にやってきた彼女の姿を人混みの中に見つけたとき軽い驚きがありました。以前よりロリィタな感じがしたからです。電車の中で「アボカドを持ってきた」と言うと、「食べ方をご存知?」とかえってきました。僕はあのアボカドを割ったら中がどんなに醜くなっているのだろうという怖れと同時に、ロリィタなひなの掌にその醜く熟れすぎた果実を載せてみたいという衝動が起きたのです。

 僕はアボカドをコンビニで買ったばかりのカッターで縦に割りました。
「悪いけど、アボカドを掌に載せたままでスカートを上げてほしいんだ」
「あ、わかりました」
 熟れすぎたアボカドと白い下着とその下のロリィタな女性器の存在を意識すると静かな感動をおぼえたのでした。

                  ﹅


□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。
※次回個展『果実の季節』で展示する作品を一緒につくってくれる女性を探しています。
 モデル応募はこちら。。http://www.bekkoame.ne.jp/~k-ogaeri/modelboshu.html

 



 
2019-06-01 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『ストロベリー』

20190519tamakoDSC04845-4-700WEB2.jpeg

2019.5.19 model*たま子


                  ﹅

 とにかく気だるかった。今朝から精神が不安定で、やっと家を出て駅までやって来たのだった。途中でたま子と合流すると、その気だるさはさらに増した。それは、彼女が僕と同じように、どうにもならない何かを背負っているみたいだったからだ。僕は「何もかも手放してしまえばいい」というイギリスの人気ロックバンドのイチゴにまつわる曲の歌詞を思い出していた。その歌詞の本当の意味が今日は理解できそうだった。

 川に出てイチゴを詰めた瓶を急に愛らしくなったたま子に手渡すと、ゆっくりと、そしていつもより躊躇しながら美しい乳房を見せてくれた。その物憂げな彼女を見たとき僕は欲望を抑えることなく次のポーズを要求してしまった。

「何もかも手放してしまえばいい、生きることは簡単さ」と、またあの曲が流れてくる。なるほど。それにしてもたま子は急に愛らしくなったな・・・。

                  ﹅


□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。
※次回個展『果実の季節』で展示する作品を一緒につくってくれる女性を探しています。





2019-05-20 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『キウイとの約束』

20190518sasugaDSC04554-4-700WEB.jpg


2019.5.18 model*流石

                  ﹅

 やや小悪魔を装っているけれど、娘は特別な優しさを持っていて、僕が青年なら安心してもたれ合えるような落ち着きがありました。それは自然に備わったのか、それとも身につけるために何らかの代償を払って来たのか、僕にはわからない。それもそうだけど僕にとって一番の驚きはあくまでも白い肌と白魚のような指なのです。

 雑木林の中に娘を招き入れて、縦に切ったキウイを渡し、黒ずくめの衣服を乱すように伝えると静かに従ったのです。僕は心を乱しながらも正確にピントを合わせて執拗に撮りました。

 そもそも隠しごとをしていた僕は彼女に対して後ろめたい気持ちでした。僕にはもっと撮りたい写真があるのです。でも今はまだ、少し難解な歌詞のポップスを口ずさむ時のようにぎこちなく、うまく伝えることができないのです。だからこの写真は写真家として彼女への一種のラブレターなのです。気に入ったらまた撮らせてくれるとキウイと約束してほしいのです。
 


                  ﹅


□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。
※次回個展『果実の季節』で展示する作品を一緒につくってくれる女性を探しています。






2019-05-19 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『Fruits Season』


20190516oliviaDSC04193-3-700WEB.jpg


2019.5.16 model*オリビア

                  ﹅

少年時代に少女が熟れる瞬間を見ました。青い匂いを薫らせながら少女は瞬く間に成長していきました。Fruits Season・果実の季節、それは女の子になる季節なのです。

 果物も女の子も誰かに食べられるために成熟すると考えてしまうのは男子だからでしょうか。女の子だって、食べられることを覚悟、あるいは望んでいるかもしれないと思ったりすること、それも男子だからでしょうか。

                  ﹅


□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。
※次回個展『果実の季節』で展示する作品を一緒につくってくれる女性を探しています・・・こちら。





2019-05-19 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『琵琶の眼差し』


20190515kaworukoDSC02876-3-700WEB.jpeg

2019.5.15 model*カヲル子

                  ﹅

 この女に出会ったときの言いようのない衝撃は僕の心の中に棲んでいた古い物語の一つを甦らせました。少年時代に母の生家へ遊びに行った時、混浴の露天風呂に入り、その近くにある温泉街を歩きました。この女は温泉街にあった射的やスマートボールの遊技場で働く女たちを思い出させるのです。つげ義晴の世界で描かれているような女と言えば、わかってもらえるかもしれません。

 僕がどう工夫しようとしても、彼女の存在感の前に跪かされるのです。縦切りにした枇杷をカヲル子に手渡して、尻や目にあてさせると、その姿は少し中世の絵画のようでした。この女、つまりカヲル子はどこを見ても芸術的な女なのです。

                  ﹅


□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。
※次回個展『果実の季節』で展示する作品を一緒につくってくれる女性を探しています。



2019-05-18 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『ブドウの気持』

20190511maikoDSC02332-1-700WEB.jpeg

2019.5.11 model*麻衣子

                  ﹅

 麻衣子と電車に乗り隣り合わせの席に座った。麻衣子は笑顔を絶やすことなく余計なことを一切言わないとても静かな女であるが、主張しないというのではなく僕の言動を観察しているのだと感じていたから、こちらは緊張気味だった。ともあれ、彼女の品のある横顔が個性派女優のK・Yに似ていることが僕の気持ちを和らげていた。

 麻衣子は二種類の色の異なるブドウを買って持って来ていた。その二種類のブドウの一粒ずつで麻衣子の乳首を隠してもらった。僕はブドウになって直接乳首を感じたいと思った。さらに運が良ければ、僕が持って来た黄色のズッキーニを彼女のワギナに入れてくれるかも知れない、などという妄想をしながら品の良い麻衣子の横顔を見ていた。

「あのですね、ある写真を撮ってドイツの編集者とフランスの人類学者に見せたいと考えているのですが、可能でしょうか・・・」
「・・・はい」

 僕は考えて来たいくつかの写真を夢中で撮った。駅で別れた時、麻衣子はスーッと僕の前から消えてしまったみたいに感じたのは、麻衣子と過ごした時間が濃密だったからだと思う。


                  ﹅





□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。
※次回個展『果実の季節』で展示する作品を一緒につくってくれる女性を探しています。




2019-05-11 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『タネなし葡萄』


20190506manaDSC02152-6-700WEB.jpg

2019.5.6 model*麻菜

                  ﹅

 少年時代、気持ちが落ち着かない時は度々川へ行き一人で数時間を過ごしたことを思い出していた。川では釣り糸を垂れてはいたが魚釣りにはそれほど熱心ではなかった。歌謡曲を口ずさんだり、同級生の女の子のことを考えたり、とにかく僕はとても自由だった。

 今日は麻菜と川に来た。この娘は特別な笑顔を持っているが僕は時折娘が見せる憂えた表情に興味があった。振り返れば僕は女の子の朗らかな笑顔より複雑な表情に惹かれてきたような気がする。川辺に立った麻菜の手に彼女が好きな葡萄を持たせた。その時僕が期待したのは、豊かな乳房の膨らみと飛び切りの笑顔の合間に見せる憂えた表情だった。

「君にしかない素敵な表情をするね」
「いえいえ。。」

 麻菜と別れた後、帰りのバスの中でタネなし葡萄をひとつ口に入れ、さっき麻菜が見せた憂えた顔の理由をあれこれ詮索したのだった。

                  ﹅



□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。

※次回個展『果実の季節』で展示する作品を一緒につくってくれる女性を探しています。
 http://www.bekkoame.ne.jp/~k-ogaeri/modelboshu.html


2019-05-06 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『どっちを選ぶ?』・・・『瞳の奥の果汁』・・・神保町にて(その3)

■『どっちを選ぶ?』の答え。僕が是非作品に入れたいと考えているのは(B)です。正面から順光でモデルを照らす明かりがどこか懐かしく、僕に遠い故郷を思い出させます。放課後に部活帰りの女の子の姿を眩しく眺めたこととか、その他いろいろ。。。(A)は商業カメラマンとして最低限の仕事を要求されていた時期を思い出します。ラチュードの低いポジフィルムでの撮影だから最初はかなり難しい。慣れると快感になりこればっかり撮る。雑誌の要求とも一致するから。そこが落とし穴。僕は早々に気づいて、自分らしい写真を撮るために冒険するように心がけた。すると仕事で撮る写真では満足できないことが多くなった。大げさに言えば、(A)=商業カメラマン、(B)=写真家を志す青年。あくまでも僕の感想です。

なお、当選者は「2019-04-23 00:49 : 匿名希望」さんです。以下へ連絡ください。ad28682@ha.bekkoame.ne.jp

(A)
20190406tamakoDSC00267-1-700WEB.jpeg


(B)
20190406tamakoDSC00284-2-700WEB.jpeg


2019.4.6 model*たま子

                  ﹅

 最初に娘が僕の前に現れたときのことを今でも鮮明に覚えている。何か言いたげな瞳の奥に深い泉があった。そして娘はあくまでも無口だった。もしかしたら言葉を発していたのかもしれないけれど、僕の耳には聞き取り不能だった。僕は激しく動揺した。その日からずっと娘を撮り続けてきた。彼女を撮ってきてわかったこと。それは、モデルが写真家を育てるということ。

 画廊を出て路上で撮影した。今日も娘は僕に教えている。それは、モデルと対峙できるなら場所はどこでもいいということ。

                  ﹅



■久々に『どっちを選ぶ?』です。あなたなら(A)(B)どちらを選ぶかコメント欄に投稿してください。コメントを投稿してくださった方の中から抽選で一名様にポストカードサイズのサイン入りプリントをプレゼントします。締切は4/30(火)。

□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。






2019-05-03 : 34th個展に向けて : コメント : 13 :

『トマト』・・・果実の季節

20190421tamakoDSC00704-1-700WEB.jpeg


2019.4.21 model*たま子

                  ﹅

 トマトを買った。明日娘と行くあの場所でトマトの赤が映えることを知っていたから。。。

 草むらを覗きこむ。やっぱり今年もあの小さな花が咲いていた。そして今年もこの娘とこの道を歩くことに言葉にならない幸福を感じていた。娘を草むらに座らせトマトを手渡した。程なく娘はあの白くて形の良い乳房を見せてくれるであろう。その時が来たら、うっかり乳首に触れてしまうかもしれない。

                  ﹅



□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。




2019-04-26 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『誰かの気配』・・・神保町にて(その5)

20190414OliviaDSC00569-1-700WEB.jpg


2019.4.14 model*オリビア

                  ﹅

 神保町画廊を出て路地へ向かって歩いた。この街であればどの路地でも良かった。ただ僕たちがこの街の歴史に抱かれてその佇まいに癒されればそれで良かった。そのとき娘はどこか強張った顔つきだった。路地に立たされたことだけで緊張していたのかもしれない。ふと何かの気配を感じて振り向くと、ファッショナブルなKさんが立っていた。あっ、Kさん。見てたの?

                  ﹅



□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。




2019-04-26 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『西瓜横丁』・・・神保町にて(その4)

20190407eikoDSC00434-1-700WEB.jpg


2019.4.7 model*詠子

                  ﹅

 神保町画廊を出て路地を歩く。今日の詠子は実年齢より若い感じがする。それに、はしゃいではいないかもしれないけれど、なんだか良い笑顔のおまけ付き。彼女に何があったのか?いいえ、何もないのです。きっと本来のこういう人なのです。

 彼女は洋服を仕立てることができます。それも飛びっきり可愛らしいものばかり。いっそ持ってきた布で中学生ぐらいの女の子が着るようなワンピースを作ってほしいな。

                  ﹅




□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。




2019-04-25 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『ストロベリー・ガール』・・・神保町にて(その2)

20190405arairyoDSC00165-1-700WEB.jpg


2019.4.5 model*りょう

                  ﹅

 娘が画廊に戻ってくると手にイチゴの入った袋を下げていた。そして溌剌とした体をさらりと見せて好感という名のオーラを無邪気に発散していた。それだけで単純な男はイチコロだ。近所の路地に立たせると周囲の煩雑な風景の中で娘の魅力がじわりと伝わってきた。そして、いきなり掌に乗せたイチゴをひとつ掴んで口に入れたのを見せられたとき、僕は心の中で静かに感動しシャッターを押したのだった。
 
                  ﹅



□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。




2019-04-21 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『果実のように』・・・神保町にて(その1)

20190405marinaDSC09990-1-700WEB.jpeg


2019.4.5 model*万里菜

                  ﹅

 娘の眼はいつも少しだけ潤んでいて誰かに何かを訴えかけているみたいだ。それが僕に対してのものではないことはわかる。少女時代に恋が原因で身につけたある種の憂鬱かもしれない。とにかくこの娘が愛おしい。それはもう一度だけ恋をしたいと願う老人の飢えた感情がそう言わせているのであって、真実の愛おしさではないのがさみしくもある。

                  ﹅



□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。




2019-04-19 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『春近し』



2019.3.24 model*リス

                  ﹆

 少し空気は冷たいけれど、春はもうすぐだ。向こう岸の土手の桜並木にはちらほら花が咲いて色づいている。水際に立たせ軽く目で合図すると娘はワンピースの裾を掴み胸の上までもちあげた。春の光は青空を反射して娘の豊満な太もも、下腹部、乳房を照らしていた。僕は半分に切ったレモンを渡し、レモンで両方の乳首を隠すように言った。なんて素晴らしい光景なのだろう。個展『檸檬のしずく』はもう近い。さて、この写真をそこで公開するべきなのか、数日のあいだ悩むことになるだろう。

                  ﹆

□この日撮った作品を四月に神保町で開催する『檸檬のしずく』か11月の『果実の季節』で発表します。
□気に入った人は拍手してください。
※この作品は写真塾の際に10分お時間を頂いて撮影しました。参加者の皆さまに感謝いたします。
2019-03-24 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『果実の季節』

20190319marinaDSC09513-3-600WEB.jpg


2019.3.19 model*万里菜

                  ﹆

 最近の僕はその四月の個展『檸檬のしずく』のことが気になってしかたないし、準備しなくてはならないことが多く撮影どころではない。それでも撮影に出る気分になれたのはモデルが万里菜だったからかもしれない。娘はやや難解なところもあるが、あるカテゴリーの人間にはどうしようもなく魅力的に映る。一度撮ってしまえば、中毒になっても不思議ではないのだが、その魅力を一言で語るのは難しい。僕が感じるのは、娘は現代に文学的に存在していて側にいると愛おしくなる娘なのです。

 駅で会って、コート姿の万里菜をホームや車内で撮って、川へ出て姫踊子草の群生が芽吹いてきた土手を歩きながら、互いに姫踊子草を好んでいることを確認した。やがて万里菜はコートを脱ぐとついさっきまで国語の宿題をノートに書いていた女子高生みたいだった。川辺でレモンを手渡すと愛らしかった。

 きのう、秋の個展のタイトルを『果実の季節』に決めたばかりだった。そして今日は、万里菜の作品をその個展で展示することになるという確信を持ったのだった。

                  ﹆




□この日撮った作品(未定)を四月に神保町で開催する『檸檬のしずく』と11月の『果実の季節』で展示します。
□気に入った人は拍手してください。


2019-03-19 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『虚しい薔薇』

20180829minoriDSC01106-600web-2.jpg


2018.8.29 model*美乃里

                  ﹆

 数日前、僕の家に薔薇の花が入ったビニールパックが故郷から送られて来た。ぎっしり詰められた五色の花は全部で20個あり、それらには茎は切られてなかった。僕はパックごと冷蔵庫に入れて保存した。

 美乃里が放浪の旅から返って来た。僕の故郷へも行ったらしい。遠く離れた故郷から僕のところにやって来たことに関して、冷蔵庫にある薔薇と美乃里は同じなのだった。僕は少し暖かい気持になったと同時に複雑な心境にもなった。つまり、故郷で培われた僕の性的欲望が、その故郷からやって来た薔薇と美乃里によって乱れ咲くのではないかと。

 撮影当日になった。美乃里はいきなり全裸になり、白く美しい身体を曝し赤い羽織だけで身体を隠した。僕は薔薇をパックから無造作に出して美乃里の掌に載せると、やっと着いていた花びらがバラバラになって周囲にこぼれた。美乃里の股間にも無惨に赤や白の薔薇の花びらが散らばった。

「私、女の子の日なのです。かまいませんか?」
「去年もそうだったね。もちろん、かまわない」
「持って来て頂いたモノをあそこに入れても構いませんか?」
「もちろん、かまわない」

 赤く染まった眼の前の虚しい光景を現実のモノと考えずに撮影した。美乃里の掌から薔薇がこぼれ落ちてしまうまでシャッターを規則的に押し続けたのだった。


                  ﹆




□この作品に興味がある人は拍手してください。




2018-09-02 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :
ホーム

プロフィール

ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
このブログのすべての写真や文章などコンテンツの無断コピー、無断転用を禁じます。

カテゴリー

月別アーカイブ

ブログ内検索

FC2カウンター