車窓にこだわり始めて数ヶ月後のある日。僕はこの光景に出会った。僕は最初、隣のホームの女の子3人組に注目していた。ディズニーランドにでも行くところだろうと思った。3人はやって来た電車に乗ってしまった。そこへ、手前に始発電車がやってきた。引き続き3人を追っていると、ドアが閉まる直前に電車から駆け下りてしまった。行き先違いの電車だったのだろうか。僕は手前の電車越しにシャッターを押した。手前の電車の中の親子は、学校見学に行くところだと想像した。ホームの3人の女の子も電車の中で母といっしょの少年も同じ中学3年生だろうか。その光景をじっと見つめる後姿の初老の紳士。僕はこの写真を見るたびにブレッソンを思い出す。
2006年9月中野駅にて。『車窓』個展「STATION」より
