WS.6*News**4/4(日)・・・開催決定・受付中

4/4日曜日のワークショップvol.6は開催が決定しました。
初登場の理乃さんです。参加受付中。
2010-03-30 : ワークショップ : コメント : 0 :

『突然プロカメラマンになる方法』(23)ファッション・1

~魚返一真の自伝的小説~

 プロカメラマンとしてスタートを切って半年が過ぎたころ、いきなりファッションの仕事が来た。編集者が僕のどこを見てファッションも撮れると思ったのかはわからない。懇意のライターがファッションページも担当し始めて、成り行きで僕に仕事を振ったのかもしれない。いずれにしても、とんちんかんなファッションカメラマンの誕生となる。

 まず、女性誌の編集部へ行き、編集者と打ち合せをした。編集者は一流大学出の二十代後半の女性だった。

「今回のページはまたまたコンサバなんですよ」
「はあ、、」僕は一瞬、田舎のお婆ちゃんの言葉を思いだして、心の中でクスクス笑っていた。コンサバ=こん鯖(この鯖の意味)、、僕は何度聞いても『こん鯖』と聞こえてしまう。
「トップスを新しく買って気分一新しながら、ボトムは着回しで、、」
「はあ、、」僕はポッカーンとして聞いていた。
「それで、扉はロケで、あとはスタジオで撮って、ブツはそれが終ったら同じスタジオでやっちゃいましょう」
「なるほど、それが良いでしょう」と答えるしかなかった。
「扉の撮影場所ですが、、ロケハンの方、よろしくお願いします」

 僕は頭がおかしくなりそうだった。編集者の言ってることが何一つわからない。とにかく、何が何だかわからない。何がわからないかと言うと、ファッションにまったく興味がないから、ファッション用語など無知だった。カメラマンとしても、当然だがファッションのロケをやったことがない。さらに、スタジオ撮影などまったくやったことがない。さあ、大変。僕は眠れない日が続いた。
 僕は早く一流カメラマンになって、ファッションの仕事から逃れたいと本気で思った。

 まず最初に『こん鯖』の意味を知らなくてはどうしようもない。打ち合せの帰りに図書館へ寄った。ファッション用語集みたいなものを探したがなかなかない。小さな図書館にはやっと1冊だけ、ファッション用語をおさらいしている本があったが、『こん鯖』は載っていない。どうやら、ファッションの世界はどんどん変化するから、新しい言葉もどんどん出て来るのだろうと思った。このコンサバも最近の言葉だろうと想像した。ちなみに僕が手にしていた本は、昭和50年に出版されたニット関係の本だったので、まあ無理は無理なのだった。
 僕は勇気を出してライターのミミちゃんに電話で尋ねることにした。しかし、あからさまに尋ねて、僕がファッション知識ゼロだと担当編集者にわかったらめんどくさい。僕は慎重に話をすすめた。

「こんにちは、ミミちゃん、元気ですか?」
「先週原宿で会ったばっかりですけど、、」
「そうだった、ミミちゃんって、ファッションの仕事とかやってるよね?」
「まあ、少しだけ」
「最近のファッション雑誌も、何と言うか、うまく言えないけどね、、、あはは」
「魚返さん、何言ってるの?」
「つまり、『こん鯖』だか何だか知らないけど、、」
「コンサバがどうしたの?」
「ミミちゃん、そのコンサバなファッションに興味ある?」
「あたしが?あはは、、魚返さん、私と何度も会っているでしょう?あたしがコンサバなわけないじゃん!」
「僕にはコンサバが『こん鯖』ってお婆ちゃんが言ってるように思えて、可笑しくてさあ、あはは・・・」
「もしかして、魚返さん、コンサバの意味知らないんでしょう?」
「何で、、、!!」
「だって、ついこの前、裏原宿の意味を知らなくて電話して来たじゃん!」
「ああ、そうだったか。実はその通りなんだよ、、、」
「あはは!あはは!それで、16ページも引き受けちゃったの!あははは、、、」
「笑い過ぎだよ、こっちは必死なんだから、傷つくなあ、、」
「はいはい、コンサバというのは『コンサバティブ』の略ですよォ」
「あっ、そうだった、思い出したよ。それってどういう意味だったけ?」
「ほら、知らないんだぁ。コンサバは保守的なファッションなの。お嬢様系なのよ」
「あっはははは、、そうかコンサバはお嬢様系かあ。ありがとう!ところで、僕がコンサバを知らなかったこと誰にも言わないでよ」
「言ったって、誰も信じないよ。そんなファッションカメラマンいるはずないもん」

 つづく、、、

□時代が前後することもあります。今後も僕の経験を書いていきます。皆さんが楽しんで頂けると嬉しいです。参考になると嬉しいです。(なるはずない?)でも拍手をお願いします。

2010-03-29 : 『突然プロカメラマンになる方法』 : コメント : 0 :

WS.5*2010.3.28*SUN

今日はとても寒い日でした。
前々回のゆきちゃんの回も寒かったけど、それ以上でした。
みなさん、おつかれさま。特にモデルのゆきちゃんは寒い中最後まで良くがんばってくれました。ありがとう。青いショートコートがお似合いでしたね。


携帯、、

□来週のワークショップは、model=理乃さんで開催します。。まだ参加できます。

□理乃さん、、、

2010-03-28 : ワークショップ : コメント : 0 :

『突然プロカメラマンになる方法』(22)ポートレート・・・6(アイドル)

~魚返一真の自伝的小説~
 
 アイドルの撮影はポートレートカメラマン必須と言って良い。好むと好まざるにかぎらず、アイドルを撮影する機会が頻繁にやってくる。アイドルと言ってもまったくの新人から、売れっ子までさまざま。当時の僕は、アイドル音痴も甚だしく、振り返るとちょっと恥ずかしい。
 出版社から撮影依頼が来た。売れっ子アイドルらしい。一度に二つの雑誌のグラビアを撮ってしまいたいというのだ。こういうケースは超売れっ子なら時々ある。僕の場合二度ほどあって、もう一人はアイドルではなく、浜ちゃんだった。
 担当編集者との打ち合せで、撮影を依頼されたタレントの名前を聞いても全くわからなかった。写真を見せられても見た事もないタレントだった。ドラマなどで活躍しているらしいが、突っ込んでいろいろ尋ねるのは変だから、ハイハイと適当に返事をしてしまい、あっと言う間に打ち合せが終る。
「さすが魚返さんは撮影も打ち合せも早い!」と編集者に褒められた。

 当日。撮影はドラマの収録の合間に行うことになり、生田のスタジオへ。今回は二種類の撮影をしなくてはならないから、アシスタントを連れて行った。と言っても、映子さんだった。(映子=僕の作品のモデルになってくれた奥様)僕は車で生田に行く途中、映子さんを拾った。映子さんはアシスタントをやったことがない。でも大丈夫。たぶん。

「こんにちは、、急に悪いね」
「いえいえ、こちらこそ。でも私で大丈夫なの?」 
「もちろん大丈夫。それよりお家は?」
「カレー作って来たから家族は適当にやるはずよ。でも、機材の組み立てとかまったくできないけど・・・」
「僕が二人分、いや三人分働くから、映子さんはそばで適当に手伝ってくれればいいよ」
 
 僕が映子さんに手伝いを頼んだ訳は二つ。服装がカッコいい!そして、テキパキ動ける。この二つ。アシスタントは、こういう人が頼りになる。何故なら、すぐに場に溶け込んでコツを憶えるからだ。

「はい、これ見といて、、」と言って僕は運転しながら、今日撮影するタレントの資料を映子さんに渡した。

「わ~、あいちゃんだ!」
「あいちゃんて子、やっぱり売れているんだね」
「魚返さん、この子を知らないで良く仕事できるなあ?」
「そうか、、そんなに有名なんだ」
「とにかく、僕がこの子を知らないことを誰にも言わないようにね。もっとも、僕が知らないって言っても誰も信じないと思うけど、、」
「あはは、私もそう思うワ」

 山道をぐるりと回ると大きな建物が見えて来た。駐車場に車を停めて、カートに機材を積んで建物の中へ入って行った。
 二つの雑誌編集者の二人と二種類の撮影の打ち合せを済ませ、マネージャーと名刺交換。最後にスタイリストと衣装選び。

「あの、今日用意した服は全部で10着ぐらいあります。どれとどれを着てもらいましょうか?」
「そうだね、、、」としばらく考える振りをする。
「映子さん、どう思う?」と映子に聞くと、ただキョトンとしているだけだった。
「あいちゃんは、これとこれがお気に入りらしいですが、、」とスタイリストが言った。
「ああ、そう、、僕もその二つがいいと思う。最初がワンピースで、次はミニスカで行きましょう」

 いざ撮影。一本目をガンガン撮って、三分で終了。その後、衣装とヘアメイクで三十分インターバル。その間に撮影場所と明かりを変更。すでに映子さんはプロのアシスタント顔負けの動き。準備が出来たら、また二本目をガンガン撮って撮影終了。僕と映子さんは、あいちゃんに「お疲れさま」と軽く言って、あとはみんなに挨拶して、さっさとかたずけてをして、生田をバイバイ。

「映子さん、お疲れさまでした。お陰で本当に助かった」
「さすがに、あいちゃんは仕事が出来ますね」
「うん、売れている子は、才能もあるから仕事は楽かもね」
「魚返さん、あいちゃんを知らないなんてね、、」
「まったくわかんない。撮影していても、知らない子撮ってる感じだった」
 
 車が信号で止まった時、、
「ほら、あの等身大の女の子の看板!」と映子さんが指差して言った。
「ほんとだ、さっきの子だね」
 郵便局(?)の前に立っている等身大の看板は、まさしくさっき撮ったあいちゃんだった。


□この章の「あいちゃん」は加藤あいさんです。その節はありがとうございました。
□時代が前後することもあります。今後も僕の経験を書いていきます。皆さんが楽しんで頂けると嬉しいです。参考になると嬉しいです。(なるはずない?)でも拍手をお願いします。
2010-03-27 : 『突然プロカメラマンになる方法』 : コメント : 0 :

ワークショップ・ニュース

3/28(日)WS.vol.5..model*ゆき~1名空きがあります。受付中。
4/4(日)WS.vol.6model*理乃~受付中!
□初心者大歓迎。



WS→


□WS開催時間について、、5名~3時間。4名~2時間45分。3名~2時間半。
□参加者3名から開催が基本ですが、場合によって2名開催あり、、、

2010-03-26 : ワークショップ : コメント : 0 :

妄想少年物語(8)柿の少女

  柿を見ると少年時代のある倒錯した映像がよみがえる。それは僕が見た事実であるにもかかわらず、限りなく夢に近い思い出だ。僕は今までこの話を誰にも語っていない。何故なら、登場する少年や少女のことを思いやる必要があったからだ。だから、、少し曖昧な書き方になってしまうかもしれない。
 こんな話だ。ある放課後、僕は一人で校舎の周囲を歩いていた。理由はわからない。僕と同じクラスの男子と少女が校舎の裏にいた。男子は割と裕福な家庭の子で、少女の親は教師だったと思う。いったいこんなところで二人は何をしているのだろう?少女は柿を手に持って座り、男子は彼女と向かい合って座っている。僕は二人の存在に気づいてあわてて木の陰に隠れ、そこから二人をそっと見ていた。体育座りの少女は白い綿の下着を膝までおろして、男子は少女の股間を長い藁でくすぐっていた。次の瞬間、藁の先が少女の身体の奥に消えた。稲妻が僕の中に走った。僕はやるせなくてその場から逃げ出してしまった。
 校庭の裏で柿の少女を見てから十数年後、同窓会で僕は美しく成長した柿の少女と再会した。二次会で僕と彼女は隣り合わせに座った。その時彼女がカラオケで歌ったのがテレサ・テンの『つぐない』だった。彼女の歌を聞きながら僕は校舎の裏で見たことを思い出していたのだった。それ以来、柿の少女とは会っていない。
 僕は柿を見るとこの日のことを鮮明に思い出す。この光景が僕の作品に少なからず影響していると思う。


・写真はイメージです、、実際の話とは無関係です。


□時代が前後することもあります。よろしく。
□つづきを読みたい人は拍手をクリック!後押しがなければ書けません。
2010-03-24 : 『妄想少年ものがたり』 : コメント : 0 :

放課後カメラ*10~美奈・・・中

『放課後カメラ・10』~中、model*美奈、、、

 それから35年10ヶ月後。つまり今日のことだ。僕は新宿駅の総武線ホームにいた。携帯をいじる女の子に眼が釘付けになってしまった。年齢は推定二十歳以下の年齢不祥で、小柄で少女っぽい。その女の子が中野行の電車に乗ったのを見て、ごく自然に僕も同じ電車に乗った。ちなみに僕は山手線に乗って池袋へ行く予定で、この電車に乗るはずではなかった。
 女の子が次の大久保駅で降りたので、僕も彼女に続いて降りた。女の子は降りたホームでまた携帯をいじりはじめた。誰かと待ち合わせをしているのだろうか。天気の良い大久保駅にはレトロな雰囲気が漂っていた。この駅は僕が東京に出て来た頃の面影を残す数少ない駅なのだ。僕が懐かしがっていると、女の子は次に来た三鷹行に乗ろうとしている。もちろん、僕も乗るつもりだ。僕はすでにストーカーと同じだった。
 女の子は二つ先の中野で降りた。僕は後を追い、ブロードウェイの入口で彼女に声をかけた。

「あの、、」
「はい。何でしょうか」
「あなたにお尋ねしたいことがあって、、」
「何でしょう?」
「あなたの好きな食べ物は何ですか?」
「面白い質問をする人ですねぇ。何と答えたら満足なのでしょうか?」
「それは、、あのぉ、豆腐です」
「では、質問にお答えします。私は豆腐が大好きです」

 彼女の前で僕は自分の年齢を忘れてしまっていた。僕は東京へやって来た時の僕になっていた。彼女はゆきこと同じ大学で、学部も同じ文学部の二年生だった。

「これから私たちはどうするのでしょう?」
「お昼を定食屋でご一緒するというのはどうですか」
「はい、喜んでお付き合いします」
「・・・」
「どうかしましたか?」
「ごめんなさい。ありがたいけど、何だか疑わしいんです」
「何が疑わしいのでしょうか?」
「なぜ、僕のようなかなり年上の男と食事をする気になったのだろうと、、しかも君の後を追って来ていきなり声を掛けたんだし、」
「それには理由があります」

 僕は意味深な彼女の言葉が気になっていたけれど、その理由は食事をしながらゆっくり聞くことにして定食屋を探した。昔ながらの一品料理の定食屋が理想だったけれど、商店街にはなかった。仕方なく、普通の和定食屋へ入った。

「このお店には豆腐はないみたいですね」
「そうですね」
「でも、本当は何が好きなんですか?」
「唐揚げです」
「ああ、やっぱり豆腐ではなかったんですね。実は僕も唐揚げが大好きなんです」

 僕たちはそろって唐揚げ定食を注文した。

「あのぉ、さっき君が言いかけた理由を教えてくれませんか」
「ああ、あなたに着いて来た理由ですね」
「そう、、」
「大人の男性が好きなんです」
「どれぐらい大人の男性が好きなんですか?」
「父親ぐらいの年齢の人」
「・・・」
「たまに昔の制服を着て遊びます。制服を着て女子高生の気分になった時、慕っていた部活の顧問の先生に会えるんです。もちろん、その先生は父親より年上です」
「つまり、君は制服を着ると放課後へ行けるというの?」
「はい」
「それで僕に着いて来た理由は?」
「実はこれからお家に帰って制服に着替えて放課後へ行ってみようかと思っていたのです。そしたら家に着く前にあなたに声を掛けられたんです。まだ制服を着ていないのに先生が現われて変だなと思って、、それにあなたは私が慕っている先生とは違うし、でも悪い人ではない気がして・・・」
「そうだったのかぁ・・」
■続きは書け次第、アップします。
■上はまた書き直しました。
2010-03-22 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

WS,,News**キャンセルが出ました。

3/28(日)開催のワークショップvol.5にキャンセルが出ました。参加受付中です。
また、4/4(日)は新人モデルの理乃さんです。こちらも参加受付中。


**理乃ちゃんです、、参加者募集中。。

2010-03-21 : ワークショップ : コメント : 2 :

『突然プロカメラマンになる方法』(21)ポートレート・・・5(正直者は得をする)

~魚返一真の自伝的小説~

 銀座にあるホテルのスイートルームの前まで行くと、三人の女性が僕を待っていた。一人はキャリアウーマン風で彼女が担当編集者。真っ赤なフレームのメガネを掛けたグラマーな女性が呼び屋の担当者。ちょっと地味だが賢そうに茶のスーツを着こなした女性が通訳。カメラバッグ一たったひとつだけ背負って現われた僕を見て、一応に一瞬戸惑った様子だった。ともあれ恐る恐る名刺交換。フイをつかれたのか、三人が同時に僕に名刺を差し出した。(ちなみに、僕は通訳をスカウトしたいと密かに思っていた)

「お・が・え・り・さんですよね、、」と編集者。
「初めまして、魚返です。よろしく!」
「あのぉ、アシスタントの方は?」
「今日はアシスタントは邪魔なので、僕ひとりだけです」
「・・・???」
「大丈夫ですって、この魚返におまかせくださいな。どんと行きましょう!」

 と僕は完全に植木等のノリである。そんな僕を見て三人が完全に引いているのがわかった。でも、僕はそのノリを崩さなかった。そうでないと、今日の大物とはまともに対峙できないからだ。僕はこの世界に入って(営業を初めてから)ずっとバイブルにしている映画がある。大事な出陣の前にはこれを観る。『日本一のホラ吹き男』だ。もちろん、今日も観て来た。

「で、タレントさんはもういらしていますか?」
「いいえ、あと二十分ほどでいらっしゃると思います」と呼び屋。
「タレントさんのあの方、、、」ど忘れ、、、
「はい、W・Sさんですね」と編集者。
「彼はどんな方ですか?」
「とてもフランクな方です」と呼び屋。
「それは良かった!」

 と言いながら<ちっとも良かねえ>と内心思う。外人はみんな、フランクな方ですよ、と紹介されるが、そこがくせ者。フランクすぎて意図と違う写真になったり、フランクそうなのは体型のイメージだけだったりする。それに、仕事でいい加減疲れているから、女性誌相手なんぞに力を入れて対応してくれないこともある。

 僕は2台のコンタックスにRVPを詰めて、一台にはクリップオンストロボを付けた。
 呼び屋の携帯が鳴り「ホテルにお着きになりました、、」とちょっと興奮気味に言う。数分後、W・Sはヘアメイク、スタイリスト、それぞれのアシスタント、マネージャーの五人を引き連れて僕たちの待つスイートルームに入ってきた。

"Nice to meet you"と皆に言って、最後に僕にも"Nice to meet you"と言った。W・Sは想像以上に明るい人で頭の回転もとても早い。つまり、賢い系フランクだ。スタイル抜群。眼は輝いて眩しいぐらいだ。差し出された手に握手した瞬間。僕の中の植木等は完全に消滅してしまった。W・Sのあまりの魅力に圧倒されてしまったのだった。

 そもそも僕はW・Sの仕事を全く知らなかった。彼の出演している映画は一本も観た事がなく、全米NO.1になった彼の音楽も聞いたことがなかった。編集者が僕と打ち合せしなかったのは、W・Sを知らない人間など地球に存在するはずない、ましてや業界で仕事しているカメラマンなら、ということだったのだろう。

 さあ大変。僕はただのモジモジしている良くある日本人、つまり僕自身に戻ってしまったのだった。心配なのは、僕より編集者の方だったろう。いったいどんな写真を撮るの?みたいな顔している。W・Sが切り出した。もちろん、流暢な英語だった。高校時代の英語のリーダーの先生のような、カタカナ英語しか聞き取れない僕には無理だった。キョトンとしていると、すぐに通訳がやって来て。僕に言った。

「W・Sさんは、”私はどのようにしたら良いでしょう、何でもあなたの撮りたい写真にご協力いたします”とおっしゃっています」と英語なまりの日本語で言った。
 僕は開き直った。W・Sがこんなに協力的なら、思いきって自分の今撮りたいことを伝えようと。。。

「W・Sさんに伝えてください」と僕はW・Sを背に通訳の方向に向いて行った。
「はい、通訳します」
「では、、、”僕はあなたの事を知りません。本当に知らないんです。ですから、僕にもあなたの魅力が分かるような写真を撮りたいのです。例えば、バスルームやベッドルームでのいつものあなたを撮らせてください”と伝えてくれますか?」

 通訳は僕を指差したり、奥のベッドルームを指差したりしながら、僕の言ったことをW・Sに通訳した。
 するとW・Sは僕の方を見て、"O.K,Let's go!"と言った。僕は身振りと手振りでそれから10分の撮影に挑んだ。バスルームの鏡の前で撮ったあと、ベッドルームへ。僕はベッドに横になったW・Sをまたいだり(マタギ撮影)、添い寝みたいにしてお互いにウィンクしあったりして撮った。あっと言う間に撮影は終った。撮ったフィルムは4本。撮影中、W・Sは僕がほとんど素人カメラマンだということに気づいていたと思う。だから、彼のプロ意識は<こいつにカッコいい写真を撮らせるためには、オレが引っ張んなきゃだめだ、、>みたいな方向へ強く出ていたと思う。まったくすごヤツだ。
 正直者の僕はこうして、無事に大役を果たせたというわけだ。

 しかし、いつも、<正直者は得をする撮影法>が通じるとはかぎらない。ある日、僕に有名アイドルの撮影依頼が来た。そのアイドルは、日本ではW・Sより知名度があったにもかかわらず、僕は全く知らなかった。今度はちゃんと編集部で打ち合せをしたし、資料も持ち帰ったのに、それでも僕は全く知らなかったのだ。
(つづく)


・この章に出てきた『W・Sさん』とは、Will Smithさんのことです。その節は大変お世話になりました。
・Will Smithさんの撮影で使ったマタギ撮影を後の首相の撮影で使った時、周囲のあきれ顔をよそに、後の首相は「おお、いいぞ、やろうやろう」と言って撮影させてくれた。結局、でき上がったその写真はヤクザみたいだということで却下された。最近町で見る谷垣さんの写真を横にした感じ。
・前回の章で紹介した、ケイ・ディー・ラング氏は先のバンクーバー五輪の開会式で歌を披露していました。

□時代が前後することもあります。今後も僕の経験を書いていきます。皆さんが楽しんで頂けると嬉しいです。参考になると嬉しいです。(なるはずない?)でも拍手をお願いします。

 

 

2010-03-21 : 『突然プロカメラマンになる方法』 : コメント : 0 :

WS,,vol.4**2010.3.20

■WSの回数表示ですが、トラブル防止のため開催予定も開催数入れます。したがって、昨日の実際に開催は二回目ですが、WS,,vol.4が正しいです。今後、僕が間違っていたら指摘してください。よろしくお願いします。

昨日は二回目のWSでした。風がテーマ。傑作が撮れているはず。。ダメでも次に生かしてください。WSは上達のための場として開催していきます。妄想写真塾では僕のスタイルを半ば強要していましたが、大雑把に言って、今度はどうしたらカッコ良く撮れるかがテーマです。

初参加の二人や、ベテランのウッチー、超ベテランのますださん、御大のしまださん、そして初登場モデルのmikaさん、強風の中、お疲れさまでした。御大は終了後の生をごっくんがお似合い。ウッチーは僕とまったく同じ仕様のローライを購入。僕のものより状態は良く、傑作を期待。ますださんは相変わらずに上手い!抜けがいい。アニメファンらしい写真健在。でもちょっと写真が老けたぞ!(今年もあなたには辛口で行きます)、、なんてね、僕も老けには気を付けよう、、、Mさんはハッセルがんばれ!(ペンタ67も)、、まえださんは、「人柄カメラ」で行ける人物。これからの人。みなさんまた参加してください。待っています。

以下は今年から本格導入した僕のデジカメ(携帯)で撮ったもの。


2010-03-21 : ワークショップ : コメント : 0 :

放課後カメラ*10~美奈・・・上


美奈を見つけて、美奈に制服を着せて、女子高生になった美奈と放課後へ行った話、、まだ書けてないけれど、この写真を観たら誰でも続きを読みたくなるに違いない。そうでしょう?
2010-03-19 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

ワークショップ*4/4

ワークショップに理乃さんが初登場します。。参加受付中。
2010-03-13 : ワークショップ : コメント : 0 :

放課後カメラ*10~美奈・・・上

■先日アップした放課後カメラ10*上は、大幅に書き替えました。お暇なら再度お読みください。

久しぶりに放課後カメラ*10です。
今回はちょっと長いので三章(上・中・下)に分けてアップします。といっても、まだ現在上を書き始めたばかりです。少しずつ追加しながらアップします。


放課後カメラ*10・上巻

 豆腐。大豆で作ったごくありふれた食べ物だ。しかし、僕にとってこれほど切ない食べ物はない。僕はこの話をずっと封印していた。語れば大切な思い出が汚れてうのが怖かったからだ。
 誰にも夢みたいな事がおきることがあるだろう。しかし、心ときめくような出来事はそれほど多くない。この話は事実を積み上げているけれど、妄想ではないかと思う事さえあって、年月が経って自分でも虚実の境目が見えなくなっている。

 昭和49年の四月。僕は東京の私立大学へ入った。一ヶ月が経ったころ二つのバイトを始めた。バイトをしなくてはならない理由はひとつもなかった。バイトのひとつは、後楽園球場での門番で、時にはコーラ売りのバイトをしていたヤツに頼まれて、仕事を入れ代わったりもした。そのシーズンの後楽園球場主催の巨人戦をほぼ全試合をぼんやりと観た。僕の持ち場は三塁側内野指定席だったから、サードの新人掛布とその年に引退した長島を比較することができた。野球ファンにはとても貴重な経験だろう。しかし、僕のささくれた心にはそんなものはどうでも良かった。しかも、九州出身の僕は熱狂的なライオンズファンだったからなおさらのこと。

 もうひとつのバイトは、ある一流私大の近くの食堂での皿洗いだった。もちろん、僕の行っていた大学はその一流私大ではない。五月。新緑の故郷を想像しながら狭い厨房のさらに狭い洗い場に立っていると転げ落ちるように心がすさんでいった。客はほとんどが近く大学の学生。客の百人が百人ぜんぶ男だった。
 しかし、ある日突然女の子の客が現われたのだった。彼女は毎週月曜日と水曜日のぴったり2時にやってきて、いつも同じ物を注文した。ご飯とみそ汁と豆腐。それだけだった。店の人たちもみんなこの女の子の存在に気づいていた。

 その店の名前は甘味食堂。と言っても、味付けが甘いわけではない。三人の男兄弟と二人の姉妹の五人がこの店を共同で経営していた。

「今日もまたあの子は豆腐だったねえ」と太った長女が言った。
「ちっこくて、色が白くて、なんか頼りない娘だ」と三男が競輪新聞を手に言った。
「でもまあ、お隣の大学生なんだから、頭はいいんだろうよ」と次男がめんどくさそうに言った。
「バイト君、あの子のことどう思う?」と次女が色っぽい声で僕に言った。
「えっ?洗い場からお店の様子が良く見えないんで、どんな女の子かわかりません」

 そんな会話があってから、いつもは客が完全にいなくなる3時過ぎにまかないを食べていたけれど、彼女がやって来る日は僕だけ2時にまかないを食べさせてくれるようになった。そうしてくれたのは次女だった。たぶん、バイトばかりしている僕を可愛そうに思ったんだろう。

「すまないけど、この子を相席させてもらっていい?」と次女が女の子に言った。
「はい、、、」と女の子はうなずいた。
「バイトくん、こっちで食べてね」と言ってまかないの載ったトレーを彼女の前の席に置いた。

 こうして僕は初めて間近で彼女を見ることができた。彼女は柔らかい髪質で長さは肩の5センチほど下まで。色白で優しそうな女の子だった。地味な服装だったけれど、可愛い女の子だった。その時は気づかなかったけど、たぶん僕は一目惚れしていた。
 彼女と何度か食事をするうちにどちらからともなく話をするようになった。彼女は僕より一つ年上の文学部の二年生だった。九州の炭鉱町の出身で、僕の故郷とそう遠くないことがわかった。僕は隣町の高校まで鉄道で通っていて、その列車は最終的には彼女の町まで行っていたのだった。そのうえ、彼女も高校時代は鉄道通学で、お互いの似た境遇が少しだけ二人の距離を縮めていた。

「同じ客車に乗っていたかもしれないね。オハフ33とか、、」
「ええ?でもきっと同じ客車に乗っていたと思うわ」
「僕の列車はD60に牽かれていたんだ」鉄道ファンの僕は眼を輝かせて言った。
「あら、私、蒸気機関車まではわからないな」

 ある日、僕がバイトに行く途中で大学の講義へ行く彼女とばったり会った。

「おはよう。これからバイト?」
「はい。あなたはこれから大学ですか」
「はい。あ、そうだ、今度私が働いているお店に来て、、」

 彼女からメモを渡された。それには、店の名前と電話番号が書いてあった。
”黒狐クラブ、TEL226-◯◯◯◯、ゆきこ”
 その店は、駅から大通りを数分歩いて右の方向へ脇道へ入り、少し坂を上がったところにあった。扉に会員制という札が下がっていた。とても不気味だったし、僕のようなガキの行くところでもなさそうだった。店の前まで行っては、ドアを開けることなく立ち去っ
た。入れたところで、酒代さえ払えるかもわからなかった。何度目だったろう、僕がその店の前まで行った時、ちょうど彼女が坂を上がるところで、僕を見つけ駆け足で近づいて来た。

「来てくれたのね」
「あ、まあ、、、」
「私に会いに来たんでしょう?」
「まあ、、」
「お店の中に入って。大丈夫だから」

 僕は彼女に誘われて黒狐クラブの中へ入った。中は案外広くて、ほぼ天井のすべてがドライフラワーで埋め尽くされていて、とても暗かった。ソファーや壁など全部赤色だった。誰の趣味なのだろう。僕には考えられない色づかいだった。

「あら、ゆきこちゃん、彼氏?」と店のママらしき派手な女。
「いいえ、故郷のお友達」

 僕とゆきこは大きなカウンターの端っこに並んで座った。僕はビールの中瓶を飲み干して、短時間で店を出た。僕にはとても居心地が悪かった。ゆきこも僕を追って外へ出て来て、仕事が終ってから会ってゆっくり話そうと言った。約束の時間は午前2時。場所は大通りにあるレモンという喫茶店。

 約束の時間より遅れてゆきこが来た。二人は向かい合って座った。プンと酒の匂いがした。
「酔っぱらっているの?」
「ええ。でも大丈夫。いつものこと」

 僕は2杯目のコーヒーを注文し、憶えたてのハイライトを立て続けに吸った。お互いの故郷の話をしたり、好きな小説の話をしたり、、楽しかった。

「私の部屋へ来る?」
「今から?もう四時を過ぎているよ」
「おいでよ、、」

 彼女が代金を払って、僕たちは店を出て大学の方へ歩いた。どうやら、彼女の部屋は僕がバイトしている食堂に近いようだ。

「ちょっと待ってて、」と言ってゆきこはまだ開いていない豆腐屋の戸を空けた。そして、ほかほかの出来立ての豆腐を手にぶら下げて出て来た。店の中から「まいど、」と店主らしき男の声がした。

「ほら、、温かいでしょう!私、お店の帰りにここで豆腐を買うの、、」と僕のほっぺたに豆腐の入った袋をあてて言った。何もかもが夢のようで、僕は何が何だかわからなくなっていた。その日から僕は毎日あの豆腐屋で出来立ての豆腐を買い、午前四時に彼女の部屋を訪ねた。そして彼女を抱いた。僕たちはお互いの寂しさ必死にを埋め合っていたのだと思う。

 ゆきこの部屋の壁にセーラ服が掛けてあった。初めて訪ねて来た時からずっと壁に掛かったままだった。

「このセーラー服は君のもの?」
「はい。高校の時の制服。大学の入学式にもこれを着て出たのよ」
「どうして?」
「制服が好きだから。高校時代に戻りたいの」

 ある朝、いつものように豆腐を買ってゆきこの部屋を訪ねると、彼女はセーラー服を着て僕を待っていた。彼女はとても制服が似合っていて、それを着て街を歩いたら誰もが現役の女子高生だと思うに違いなかった。そして、僕は制服を着たゆきこを抱いた。僕たちは高校時代に戻ってしまったよな錯覚の中でひとつになった。

「さっき、どんなことを思っていたの?」
「放課後よ、、、私たち放課後にいた」
「そう、、」
「私の故郷の景色の中で私たちは抱き合っていたの・・・」

 僕はゆきこが怖かった。18才の僕には到底受け止め得ない何かをゆきこは僕に求めているのではないか、、そんな思いが僕の中にあった。僕はしばらくの間、彼女の部屋へ行かなかった。彼女も僕のバイト先の食堂には顔を出さなかった。
 そのまま、数週間が過ぎ、数ヶ月が経ってしまったのだった。
2010-03-13 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

「ダンス・ダンス・ナナセ」・・・2010.3.3

「私、その頃はまだ中学生でした」と僕にぐっと顔を近づけて言った。
「ああ、僕にメールをくれた時、君は14歳だった。危ない子だった」
「次に、高校生の頃、たぶん17歳になったばかりの頃、私は東京へ来て、魚返さんに写真を撮ってもらいました」と懐かしそうに微笑む。
「ああ、君は突然九州から出て来てしまったね。どうしようもない子」
「それから、高校を卒業して、ダンサーになるために東京に来て、1年が経って、私はまた魚返さんと会った」少し遠くを見るような眼をして言う。
「ああ、君はだいぶ大人になっていたけど、まだまだ幼稚なところがあったね」

 よどみなく昔を語るnanase。とても生き生きしていて、、ああ何て素敵になったんだろう。

「私、もっともっとダンスに打ち込みたくて、、」
「それで?」
「ひとりで旅立ちたいと思うの」
「そう、、、」
「私にはダンスしかないんです」
「本当に素敵な女になったね。君といると元気が出るよ」
「本当ですか?そう言われるの、とても嬉しい」
「本物の女の入口に立ったんだと思うよ、、、」
「ああ~、、嬉しいなあ。嘘でも・・・」

 恋よりダンスを選んだ女の輝きを前にして、僕は嬉しさもあったけど、何だか恥ずかしい気持だった。何故なら、こんなに健康的に輝いている女を前にしても、僕の考えることは同じ。

「君、胸が大きいね」
「母親譲り・・・」
「ねえ、やらしい写真撮らせてよ」
「ああ、やっぱりそうなのね」
「それを僕から奪ったら、それは僕の抜け殻」
「ああ、それはそれで素敵なことかもしれないけれど、、」
「ねえ、ませた女子高生になってくれないかな」
「私が?高校生になれるの?」
「ああ、なれるとも・・・」
「いいけど、、」
「その女子高生は、ダンス部の部活のあと顧問の先生と寝てしまうんだ」
「ああ、やっぱりそうなのね」
「・・・」
「それで、ダンス部の顧問は誰かしら?」
「それは、、、」
「それは、魚返さん、あなたね・・・」
「・・・」

PAP_0001のコピー
携帯**nanase*4月第2(土または日)WSに登場。



2010-03-03 : 2010新作 : コメント : 0 :

『あわよくば』・・・2010.2.14


詠子という女*年齢不祥、、歳をとるということは、女の場合、若さとというベールで隠すことから解放され、若さというジャンルで他の女と競うことをやめて、本性を現すっていうことかもしれない。詠子の場合は可愛い性を見せている。これが詠子の本性ならば、、、そう思ってこの1枚を選ぶ事にした。いつものような、そう、"エイコ"の時代のエロスはフリッカーで紹介する。しかし、米のID必須。ハードル高し。
2010-03-02 : 2010新作 : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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