放課後カメラ12・・・ASAMI---2010.4.26


<携帯>

 寒い四月だったせいもあるけど、今日の晴れはまるで初夏を思わせる陽気だ。木々の新緑や爽やかな夏風を真っ白い肩に背負ってASAMIがやってきた。僕は初めてASAMIに会った時の渋谷の寒さを忘れない。しかし、ASAMIはハンバーガーを歩きながら頬張り、ちっとも寒そうにしていなかった。その訳がやっとわかった気がした。ASAMIは夏の妖精なんだろう。

「可愛いね」
「いえいえ、とんでもないです、、」

 ASAMIの謙虚さに少し疑いを持ったけれど、それはさっき吉祥寺で再会して最初の10分間だけで、ASAMIの謙虚はどうやら本物そうで、僕を関心させるほど軽妙なタイミングで顔をのぞかせている。

「変わった女の子だね」
「ええ、それは時々友達に言われます。でも、私には褒め言葉です」

 ASAMIは柔らかいルックスや謙虚な物腰とは裏腹に、自分の意見を言える女の子だ。彼女の過去に何があったかはわからないけど、どこかでたっぷりと自由を養うための奔放な栄養を得たのだろう。

「君と一緒にいる時間がとても居心地が良い」
「そうですか、どんな風に良いのでしょう」
「何と言うか、、君が自由だから、、、」
「ええ、私はとても自由です。そのどこが良いのでしょう」
「自由に振る舞っている人の傍らにいると、僕にも自由のかけらが飛んで来て、僕にしみついた古くなった体温を蹴散らしてくれるんだ」
「良くわかりませんが、嬉しく思います」
「君の敬語、、何で?」
「私は変な敬語を使っているのでしょうか。もしそうならば、おっしゃってください」
「別に、気にしなくていいよ」

 ASAMIとの関係は、時間ではなく、距離の問題が発生するようだ。つまり、僕は僕の青春時代にこんな子がいたらなあ思ったけど、きっとその時代のASAMIは遠い外国の空の下にいて、僕とは接点を持ち得ない女の子なんだろうと思う。だから、ASAMIは僕にとってエイリアンに等しい?あはは、、それはちょっとセンチすぎだよ。

 いずれ、ASAMIと経験した今日のすべてを多くの人に見せて、ASAMIがどんなに素敵な女の子なのかお知らせしたいと思う。公園でのASAMI、電車に乗ったASAMI、タンポポと一緒に日光浴をするASAMI、水遊びをするASAMI、、、そしてASAMI肌への郷愁、、、
 今はただASAMIが制服を着たら本物の女子高生になって、僕を不思議な放課後へいざない、そしてその放課後に吹いた風がASAMIのスカートをひるがえしたことを書いておこう。

□この作品をご覧になりたい方は拍手を・・・

2010-04-27 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

WS.vol8・・・2010.4.58

本日のWSは好天に恵まれ無事に終了しました。モデルのnanaseちゃんが踊れることを知っていましたが、ポーズなどさすがと思わせる素晴らしさでした。中でも足を上げるポーズは完璧でした。彼女ならもっと素敵な作品が撮れそうです。
参加者の皆さん、お疲れさまでした。良かったら掲示板に作品を貼付けてください。



携帯。。

■次回開催はGW中の予定です、、詳しくはワークショップのサイトにアップします。
2010-04-25 : ワークショップ : コメント : 0 :

「いまさらのリトルファンタジー」・・・りこ

 りこは2006年に渋谷で開催した個展「リトルファンタジー」に来ていた女の子だった。ひとりでやって来てそっと作品を見て帰ろうとした時、僕は彼女にモデルを頼んだと記憶している。四年も経った今になって、りこから突然メールが来たのだ。しかも今日はメールが送られて来た日からすでに三ヶ月が経っている。りこと僕とはこれまでも、さらにこの先もずっと行き違いの関係なんだろう。
 さっき駅で再会した時、ふっと懐かしい気分になったことがとても意外だった。お互いにこわばった空気を感じていたけれど、電車に乗って二つ目の大久保駅で降りたころには、りこの控えめな笑顔について少し語り合えるぐらいには関係がほぐれていた。
 ホームでりこの写真を撮った。りこの表情の奥に暖かいものが流れるのを見つけた。その瞬間のりこが素敵だった。ただし、その顔は僕が彼女にカメラを向けていない時にだけに現れるようだ。なぜだ?
 りことの会話は、お互いの言葉を自動翻訳ソフトで訳されたかのようにぎこちなくて、意味すら取り違えている可能性があった。お互いにちゃんとした言葉で話しているのだけど、通じ合えない。そんなもどかしさの中で会話を続けた結果、僕たちは互いに写真を撮ることにだけ集中せざるを得ないことに気づいたのだった。

「君、、とても不思議な子だね。それにいい人」
「そうかしら、、でも私ってしたたかなのよ」
「どんなところが?」
「それは写真家である、あなたならわかるはず」
「・・・」
「制服を着てみない?」
「私が?無理だと思う」
「ありがちな女子高生ができ上がるさ」
「ありがち?」
「そこらへんにいそうな女の子になる」
「なぜわかるの?」
「それは僕が写真家だからだよ」
「あはは、あなたもしたたかね」

 結局、僕はりこのスキャンダラスな写真を撮った後、制服姿も撮った。りこが制服を着ると、やっぱりありがちな女子高生になって、ありがちな笑顔を僕に向けた。その瞬間をしたたかに写真に納めた時、僕ははっとした。りこは初対面の時と比べてとてもイイ女になっていたのだった。
 
■スキャンダラス~これは綾嶺からいただいたフレーズ。。綾嶺に感謝。
2010-04-18 : 2010新作 : コメント : 0 :

放課後カメラ*11~綾嶺

2010-04-15 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

放課後カメラ*11~綾嶺・・・その2

 子供の頃、イチゴ摘みに行った時に出会った少女のことを思い出していた。僕はその時の出来事をゆっくりと綾嶺に語った。綾嶺は眼を閉じ、その時の映像を蘇らせているようだった。僕が話し終わり、綾嶺が目を開くと、彼女の瞳の中にあの日の青い空が見えた気がした。
 ほんの数秒間、僕たちは静寂の中にいて、そしてゆっくりと我に返った。

「へえ~、スキャンダラスでロマンチック」綾嶺がゆっくりとかすれた声で言った。
「スキャンダラス、、ロマンチック、、そうかも知れない」
「そう、、そして少し怖い。だけど心に残る話だなあ」
「やっぱり君もそう思う?」
「はい。そう思います」
「それで、、君にお願いがあるんだけど」
「どんな?」
「やってくれるかなあ?」
「裸を撮りたいとかじゃなければ、たぶん出来ると思う」
「本当に?」

 僕たちはマックを出て、文房具屋へ立ち寄り、水性顔料マーカーの8色セットを買い、広い公園へやって来た。大きな樹を見つけてその根元に綾嶺を座らせ、綾嶺の閉じた太ももにイチゴを3個載せた。すると、あの少年時代の野イチゴ摘みの映像が僕の眼の前に少しずつ展開し始めた。綾嶺を見ると、せっぱ詰ったような、何かにおびえているような、そんな目をしたかと思うと、ずっと探していた野イチゴを見つけて口にした悦びの表情に変わったりした。僕は刻々と変化する綾嶺に促されるようにシャッターを押した。そして、さっき買ったマーカーの中から赤を選んで綾嶺に渡した。

「赤色のマーカー、、これで何を描くの?」
「太ももにケガを描いて欲しいんだ」
「ケガ?」
「そうなんだ。少女が野イチゴ摘みに行った時に負ったケガと同じように」
「なるほど、、そのケガはどのあたり?」
「スカートの下なんだ」
「こんな感じかな・・・」と綾嶺は何の躊躇もなくスカートをめくって、キャップの着いたままのマーカーでなぞった。
「それでいい、、ケガをするほど強く描いて欲しい」
「わかった」

 綾嶺はマーカーのキャップを外した。僕はカメラを構えて綾嶺の太ももにピントを合せその瞬間を待った。

「じゃあ、描くよ!」
2010-04-11 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

妄想少年ものがたり(9)野イチゴ

 幼稚園で観た紙芝居が僕の心に残っている。その紙芝居の題はおぼえていないが、内容は断片的に今もなお記憶にある。
 野イチゴ摘みをする少女の話だった。少女はカゴを下げて野イチゴ摘みに山へ行き、群生する野イチゴを見つけて大喜びする。しかし、野イチゴには小さな刺があって、その刺で少女の足は傷だらけになった。その傷を野うさぎが舐めて直し、少女と野うさぎは仲良くなって野イチゴをいっしょに食べた。そんな話だったと思う。
 ある日。僕は友達からイチゴが群生している場所があると聞かされた。僕はどうしてもそこへ行き本物のイチゴを摘んで食べてみたいと思った。何故なら、その当時イチゴはどこの店にも売っていなかった。だから、僕たちの知っているイチゴの味は、イチゴ味のガムやあめ玉のことで本物ではなかった。だから、野生のイチゴが群生する場所があると知ってからは、どうしても食べたくて、イチゴ摘みのことしか頭になかった。

「おかん。イチゴ摘みに連れて行ってくれんね」
「あんた、女ん子んごたるね」
「イチゴをいっぱい摘めるとこがあるんよ!」
「イチゴなら親戚のばあちゃんに頼んで摘んで来てもらおうかね」
「だめだめ、どうしても自分で摘みたいんよ」

 母が連れて行ってくれると言わないので、僕は一人で行くことにした。
 イチゴが群生していると聞いた場所は、自衛隊のある山の上だった。僕は駅前から自衛隊行きのバスに乗った。二十分ほどで終点の自衛隊前に着いた。自衛隊の門の前に降ろされた僕は、自衛隊の駐屯地を囲んだ冊に沿って歩いた。わくわくしたけれど、何だか怖さもあった。

「見つけた!イチゴじゃあ!」と僕は叫んだ。

 僕は野イチゴを摘んだ。持って来たざる一杯摘んだ。食べてみたが甘くはない。いがっぽいし、酸っぱい。それでも野生のものを食べる感激があった。
 ふと草の奥で泣き声がしたような気がした。僕はぞっとした。恐る恐る声の方へ分け入ると少女が座っていて、その脇には野イチゴの入ったカゴが置いてあった。彼女は信じられないほど首をぐっと曲げて、ちょうど膝上10センチぐらいのところの太ももを舐めていた。少女は僕を見て一瞬驚いた表情をしたが、すぐにまた太ももを舐め始めた。少女は太ももにケガをしていたのだった。

「どげえしたん?」と声をかけた。
「何でもない・・・」と僕を見上げて言った。
 
 少女の太もものキズは案外深くて、血が止まる気配はなかった。僕は呆然と彼女を見ていた。そして怖くなって、その場から走り去ってしまったのだった。自衛隊の門の前のバス停まで戻ったとき、一瞬少女のことが気になったけれど、それを振り払うようにやって来たバスに飛び乗ってしまった。バスの中で置き去りにした少女のことを思った。座席の横に置いたカゴの中の野イチゴの色が、少女の太もものキズから流れ出る血の色に見えた。
 僕はイチゴを見ると、少年時代に自衛隊の山で会った太ももにケガをした少女の姿を思い出し、深いエロスの底に誘われるのだった。
2010-04-08 : 『妄想少年ものがたり』 : コメント : 0 :

放課後カメラ*11~綾嶺・・・その1



 吉祥寺駅北口の改札口の近くの柱に寄りかかって立っていた女の子に僕はとても惹かれていた。僕の青春時代にいてもおかしくない感じで、当時なら間違いなく美人。僕が近づくと、スルリと身をかわして雨の舗道へ出て、閉店した雑貨店の前の降りたシャッターの前で立ち止まって雨空を見ていた。近づくと、僕を誘うようにゆっくり歩き出してしまった。彼女は横断歩道を渡り古本屋の中に入り、階段を上がって文庫本コーナーで何か探し始めた。僕はやがて彼女が手に取った本を見て少しの間呼吸が止まった。
 彼女が手にした本は谷崎の『刺青』だった。驚いた理由は、僕がこの三ヶ月間ずっと読み続けているのが谷崎だったし、つい一時間ほど前も短編集を読んでいたという偶然のせいだった。これって出来過ぎていやしないか、、と思った。彼女は『刺青』を買うと店を出た。しばらく歩いて家電量販店の中へ入って行った。そこで僕は彼女を見失った。そして再び彼女を上りエスカレーターで見つけた時、彼女は私服から女子高生の制服姿に変わっていたのだった。
 僕は彼女に話しかけた。

「すいません。あのぉ、谷崎が好きなんですか」
「はあ?」
「突然声をかけて、驚かせてしまったね」
「あのぉ、駅から私をつけてきたでしょう?」
「そう、、さっき古本屋で君が谷崎の文庫本を手にした時、僕たちの接点が見えた気がして、さらに君をつけてしまったのです」
「そうなんですか、でも何か悪くないな。こんな出会いもあっても良いかな」
「あと、さっきまで君は私服だったよね。それがどうして女子高生に?」
「ええ、、いつも、午後になったら、制服を着るんです」
「どうして?」
「放課後が好きで、今は放課後だって感じていたいから女子高生の制服を着るんです」

 彼女の名前は綾嶺(あやね)、19才。色白できめ細かい肌、どこか意味深な目をした僕たちの青春時代のシンボルのような女の子だ。

「ところでお願いがあるんだけど、僕を放課後に連れて行ってくれませんか?」
「そうですね、、じゃあマックへでも」

 僕たちはマックへ行き、二人とも同じ物を注文した。もちろん、僕が綾嶺の真似をしたのだ。綾嶺はとても良くおしゃべりをする。先ほどの意味深で疑り深い目は消えて、その代わりに笑顔と口元のえくぼが現われた。

「あ!、えくぼ、」
「ええ、でもこの位置のくぼみはえくぼではないと思うけど、、」と口の真横のくぼみを指で押さえながら言った。
「それも、立派なえくぼだよ」

 僕はその位置のえくぼの女の子に対してなみなみならぬ愛情を感じる男たちを知っている。しかし、そのことを綾嶺には言わなかった。なぜなら、僕もその中の一人だからで、それをあえて綾嶺に知らせることで彼女が嬉しいと感じるとは限らないからだ。
 綾嶺は何故かスーパーのレジ袋を持ち歩いている。

「持っている袋には何が入っているの?」
「これはイチゴです。わたし、放課後にイチゴを食べるのが好きなんです。制服に着替えたら必ずイチゴを食べます」

 イチゴが好きだと言う綾嶺と話をしているうちに、少年時代のある出来事が蘇って来た。

■少年時代のある出来事は『妄想少年物語(9)』のことです。





☆つづきは書け次第追加していきます。4.8.追加
2010-04-07 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

今日のWS.vol.6・・・4/4

本日はワークショップ.vol.6を開催しました。桜は満開でしたが、とても寒かったです。
初登場の理乃ちゃん、寒さにも負けずがんばってくれました。次の登場が楽しみです。
参加者のみなさんも、ありがとうございました。
今日のテーマ、、桜と人物の両立は難しい、、でした。


keitai,,,

■ワークショップ vol.7開催、、model*hiroko→

2010-04-04 : ワークショップ : コメント : 0 :

明日4/4のワークショップ、、桜

明日は好天でしかも桜も満開か、、
明日のロケ場所の周辺には桜がたくさんあります。
ワークショップに参加してみませんか。
初めての方、写真の初心者大歓迎。
申込はこちら→
2010-04-03 : ワークショップ : コメント : 0 :
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プロフィール

ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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