「放課後カメラ・ミッチ~バージンヘア・2」・・・2010.5.25


 「髪は長い友達」と書く、とむかし国語の時間に教わった。「髪は女の命よ」とあるお姉さんが少年の僕の肩を抱いて言った。髪を切ることは自分の分身を傷つけることだったり、女の命を削ることなのだ。
 安易に集合したミッチと僕なのだが、いざ髪を切るとなると気持が暗くなる。美しい緑に包まれて、初夏のまばゆい太陽を一杯に浴びていることなど、何の慰めにもならない。気分はむしろ皆既日食に入ったみたいなのだ。
 長い髪にハサミを入れる。髪が痛みを感じるはずはないけれど、彼女の心はとても痛そうだった。そして、そばで見ている僕にもその痛みが伝わってきた。なのに僕はこのタイミングで、スカートを上げてもいい?胸を触ってもいい?と言った。葬式で悪い冗談を言う人のそれだ。つまり僕は、良く言えば髪を切る痛みから眼をそらしたかったと言えるのだが、無意識に出たそれらの言葉は、単にエロなのだ。
 大切にしていた髪を切る女の子はその瞬間無防備だ。無防備な女の何と美しいことだろう。葬式の未亡人のそれか・・・

□他にも面白いカットがあったがこの1枚だけ公開することにした、、何と言うか、、しのびないのだ。
2010-05-30 : 放課後カメラ : コメント : 2 :

放課後カメラ・綾嶺**追加


綾嶺は現実と映像の間を行ったり来たりしているみたいで、つかみどころのない女の子だ。
この写真は「放課後カメラ・11」を追加撮影したものだが、何度撮っても正体が分からない。
その正体不明なところが綾嶺の魅力なんだとやっと気づいた。

「イチゴを食べてごらん」「はい」綾嶺は野性的な眼差しでイチゴを食べ始めた。
2010-05-29 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

バス・・・

20100515kyushu025のコピー


昔、僕が乗ったバスはボンネットバスだった。今年僕が故郷で見たバスはボンネットではなかったけれど、どこか懐かしさを感じさせるカラーリングだった。

*****

 子供の頃、ある少年がイチゴ摘みに行って、冒険の末にいっぱいイチゴを摘んで帰るというストーリーの紙芝居を観た。その時から僕はイチゴ摘みに憧れた。

「おかん。イチゴ摘みに連れて行ってくれんね」
「おかんは忙しいけんイチゴ摘みには行かれんよ」

 母はイチゴ摘みに連れて行ってくれなかった。仕方なく僕は一人で行くことにした。イチゴが群生しているという場所は自衛隊のある山の上だった。駅前から自衛隊行きのバスに乗ると二十分ほどで終点に着いた。僕は自衛隊を囲んだ冊を左に見ながら歩いた。右側はどこまでも続くおどろおどろしい森で、奥の方へと歩くうちに僕はだんだん怖くなった。一面に紫色の花が咲いた場所を通り過ぎると、そこらじゅうの地面にイチゴがあった。
・・・「放課後カメラ・綾嶺」より
2010-05-28 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

放課後カメラ*12・・・ASAMI




「ASAMIちゃん、こっちへおいでよ」と言ってコンクリートブロックの上に寝かせた。するとASAMIは僕が中学二年の時、れんげ草畑の中に僕を招き入れた陸上部の明子のように足を投げ出した。そして僕は、明子とした短いキスのことを思い出した。

「ASAMIちゃん、、あのォ、、」
「えっ、何ですか?」
「君ってひと言でいうと、どんな子?」
「う~、、そうだなぁ、、なじめない人」
「そのフレーズ、、どこかで聞いたことがある、、そうだ、陸上部の明子が同じことを言っていた」
・・・「放課後カメラ・ASAMI」より


2010-05-28 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

「放課後カメラ13・ミッチ~バージンヘア」・・・2010.5.25



 バージンヘアのように初々しく長い髪。少女のような体型。しかし胸の膨らみはとても豊だ。彼女が八年間のばし続けたそのしなやかな髪を切ると言い出した時、実はとても困った。長い長いその髪は彼女の象徴だからだ。

「どうして切るの?」
「うっとうしいから、、、」
「うそでしょう?」
「とにかく切る。五月二十五日の午後、私はこの髪を切ると決めたの」
「僕は絶対に反対だな」
「何で!そんなこと言う権利ないでしょ!」

 彼女があのバージンヘアを切ってしまう、、そんなはずはない。この美しい髪が失われるとともに彼女との関係も終ってしまう気がした。しかし、もしもどうしても髪を切ると言うのなら、僕はその瞬間を撮ろうと思った。

「この髪のこのあたりでわたしたち出会ったの」とミッチは髪の真ん中をつまんで言った。
「ここから先の髪はあなたと出会う前の髪の毛だから、つまりあなたの知らないわたしをこの髪は知っているのよ。すごいでしょ!」と明るく言ったあと、ミッチは悲しそうな顔をした。

☆ただいま写真のアップ準備中
□この作品は「放課後カメラ」で配信予定です。。。
2010-05-26 : 放課後カメラ : コメント : 4 :

放課後カメラ*14~美奈



 美奈はセーラー服を着たまま水に浸かり、大きく息を吸い込んだあと水の中に沈んだ。水中に手を伸ばし美奈の上着を掴んだ時、同時に小ぶりな胸のふくらみに触れた。そして、水を含んだ重いスカートを持ち上げて、その中に手を入れ美奈の太ももを触った。その感触はむかし僕を助けてくれた少女の濡れた肌と同じだった。その直後、美奈は勢いよく水面に顔を出してゼーゼーと苦しそうに息をした。・・・『放課後カメラ・美奈』より

□退廃的な表情が僕を刺激する。ベストショット、、
2010-05-23 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

れんげ草の記憶

20100515kyushu069のコピー
(れんげ草、、RTS,,50mm、*2010.5.16 僕はれんげ草の畑の中に無造作にカメラを沈め空に向けてシャッターを押した)

 陸上部に所属していたロングヘアの明子はとてもグラマーで日本人離れした女の子だった。たった一才年上だけなのに大人っぽくてとても15才とは思えなかった。この作業が終ったらすぐに練習に行くらしく、ショートパンツとランニング姿だった。明子は教室の机に座り足を椅子に載せ、わざと僕に足を見せているみたいだ。その時が、至近距離で女を感じた最初だったかもしれない。その頃の僕はアメリカのポップスヒットチャートや映画に夢中だった。僕は『卒業』のサウンドトラック版を持っていた。理由はジャケット写真が刺激的だったからだ。ミセス・ロビンソンがベッドルームでダスティン・ホフマン扮する主人公ベンジャミンを誘惑する足が大きく写っている写真だった。そして、僕の眼の前に投げ出された明子の足は、ミセス・ロビンソンの足と同じ意味のように思ったのだった。

 その日から僕は映画の中で不貞を極めるミセス・ロビンソンと明子をダブらせていた。

 ある放課後、れんげ草が咲く川沿いの畑の真ん中に寝転んで空を見ている明子を見つけた。僕を見つけた明子は足を少し上げて僕に何か合図した。 ・・・『放課後カメラ・ASAMI』より

□れんげ草は盛りを過ぎていたけれど僕の心の中のある妄想を蘇らせてくれた。僕にとって故郷はある時間で遮断されてどうしようもなく遠いものとなってしまった。ある時間に起きた事件が僕を『放課後カメラ』へ傾倒させているのは間違いない。すぐそばまで来ているのにあまりにも遠い故郷でのあの甘味な思い出を僕は『放課後カメラ』に書いているのだ。
2010-05-22 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

新緑の九州へ行って来ました

五日間ほど九州の実家へ行って「放課後カメラ」の材料を撮影してきました。
新緑の高原の美しさはまさに筆舌に、、の世界でした。
五月の九州は15年ぶりだったので感慨もひとしお。
今日から「放課後カメラ」の制作に力をいれたいと思います。

□5/23(日)ワークショップ(モデル~ゆき)参加受付中
2010-05-20 : コラム : コメント : 0 :

放課後カメラ*13~ミッチ


 小さな商店街に面したアパートの二階の部屋を見ると、窓が開け放してあって、どうも誰も住んでいないようだった。

「ミッチあの部屋見てごらん。空き部屋だよ」
「ほんと?じゃあ行ってみよう」
「やめときなよ」
「なんで?面白そうだよ」

 ミッチは僕の制止を振り切ってスタスタと外付けの鉄の階段を上がった。一瞬ミッチが消えた直後、今度は猛スピードで階段を駆け下りてきた。

「やばい!逃げて!」
「どうしたの?」
「お部屋にいたおじさんににらまれた」

 このアパートは空き家ではなかったようだ。
2010-05-15 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

放課後カメラ12・・・ASAMI



 初夏を思わせるある午後、女子高生になったASAMIと小さな旅をした。つい最近行ったあの場所に寝そべっているASAMIを撮りたいと思っている。そこでASAMIはいったいどんな感じになるんだろう?などと妄想する時間がとても贅沢だった。電車の座席に座ったASAMIは初夏の電車をひとりじめしてしまった。

□ASAMIがもっと分かる別のカットを見たい人は拍手してください。
2010-05-14 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

放課後カメラ*14~美奈

 少年時代、僕は川で遊ぶのが大好きだったけれど残念ながらカナヅチだった。ある夏休みの初めに僕と同じ小学校の少年が川で溺れたのを目撃した。怖くなって数日間は川遊びをやめたがすぐにまた川へ行くようになった。そして、その夏の終わりにお婆ちゃんの住む村に遊びに行った時、僕はその村の川で溺れた。運良く僕は年上の少女に助けられた。その日は少女の母親が水泳監視員の当番だったけれど、急用ができた母親の代わりに泳ぎが得意な彼女が夏休みの部活が終った放課後に監視員をしていたのだった。そして、セーラー服を着たまま川に飛び込んで僕を助けてくれた。そして、その少女はメガネがとても似合っていたのだった。
 水の底に沈みかけた時に水中から見た光景を今も憶えている。夏の青い空と白い雲が丸い視界の中に見事に納まっていて、そこにセーラー服姿の少女が飛び込んで来た。僕は彼女に抱きかかえられて川岸の暖かい岩の上に助け上げられた。
「ありがとう」と僕が言うと、彼女の眼が濡れたメガネの奥で優しく微笑んだ。
 水を含んだセーラー服はまとわりつくように重く、少女の濡れた腕や太ももはとても滑らかだった。僕は水中で少女に抱きついた時の感触が忘れられない。出来ることなら、もう一度あの少女に会いたいと思っている。


□美奈ちゃんの顔がうつっているベストショットをご覧になりたい方は拍手をお願いします。
2010-05-13 : 放課後カメラ : コメント : 2 :

ワークショップ・・・2010.5.9



昨日のワークショップは天候に恵まれて,初夏を満喫しながらの撮影となりました。
初登場のhirokoちゃん、参加者の皆さん、ありがとうございました。
次回は、5/23(日)*受付中、5/30(日)**満員 です。
2010-05-10 : ワークショップ : コメント : 0 :

初夏

20100423100のコピー
・仙川上水 CONTAX*RTS*DISTAGON35/28

一年中でもっとも美しい初夏。いつも通る家の前の仙川上水もいつもとは違った風景を見せている。10年前はなかった草花がたくさん咲いている。久しぶりにコンタックスを引っ張り出している。15年前に壊したDISTAGONで撮ってみると、その味わいに驚く。当分は壊れたまま使うことにしよう。

明日はワークショップ。天気も良さそう。とてもキュートなhirokoちゃん初登場。よろしければご参加ください。
2010-05-08 : ワークショップ : コメント : 0 :

5/9(日)ワークショップは初登場のhirokoちゃん

5/9日曜日に開催するワークショップはまずまずの天気のようです。
モデルは初登場のhirokoちゃんです。(放課後カメラ2)
僕も何かテーマを考えて行きます。
まだまだ参加できます。是非どうぞ→

画像をクリックすると拡大します。。

2010-05-06 : ワークショップ : コメント : 0 :

放課後カメラ2-2*hiroko・・・2010.5.5

 hirokoの母は僕と同郷でしかも同じ中学の出身と聞いてとても驚いた。そして、hirokoの母の名前を聞いた時、僕はすぐに彼女が誰だかわかった。
 彼女は僕より二つ先輩で体操部だった。彼女のレオタード姿がとても眩しかったのを憶えている。足が細くて長くて、胸から腰のラインが美しく、体操部の中でもひときわ目立っていた。
 今日、何十年かぶりに彼女に会った。僕は真っ先に彼女の足を見た。あの頃と変わらない美しい足だった。

「足、、とても美しいです」
「あら、もう歳ですよ」

 何十年も前の彼女の身体をリアルに記憶している自分にも驚くけれど、体型が今もちっとも変わっていないことの驚きの方が遥かに大きい。
 僕は彼女の足を撮った。

「あら、どうして足をお撮りになるの?」
「いけませんか。あなたの足は僕のノスタルジアなんです」
「私の足を憶えているの?」
「はい。国語の教科書にあなたのレオタード姿を書きました」
「あら、、」
「あの時のレオタード、、まだ持っていますか?」
「いいえ、、あのレオタードはあの年に始まったユニホームで、とても恥ずかしかったの」
「そうでしょうね。13歳の僕には刺激的すぎました」

□美しい足を見たい人は拍手をお願いします。
2010-05-05 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

ノスタルジア



 ミッチはおもちゃ箱をひっくり返したような女の子だ。ごちゃごちゃしていて、、普通にシャッターチャンスと言えるような間をくれない。僕はただ同じ場所に存在していることの証明写真を撮らされているだけだ。つまり、女の子の写真を撮ることのゆったりとした喜びはそこにない。ピントを合わせる間もなく慌ただしくシャッターを押し、息苦しくなって撮影が終る。僕はそんな撮影をこれまでに何度も繰り返して来た。

 じゃあ、何故ミッチの撮影を何度もしたのか?現像が終った写真を見るとやはり多くがノスタルジアだ。僕はカメラマンに邪心を持たせないのはすごい事だと思うようになった。反対に邪心だけしか抱かせない女性も素晴らしい。その両方がある器用な女性にカメラを向ける時、僕は中途半端な写真になる虚しさを感じてしまう。

 写真はノスタルジアだ。過ぎ去った時を探す旅だ。
2010-05-04 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

「放課後カメラ・13」*ミッチ・・・2010.5.2




 制服には、少女嗜好を増幅する力がある。制服を着た女の子を青春のノスタルジアとして撮り始めたとしても、すぐに危険な感情に支配されてしまう。制服少女を撮るうちに僕の中でプチッと何かが音を立てる。それは青春を撮ろうとするまっすぐな心が折れる音なのだ。
 ミッチを撮るのは今日で何度目だろう。最初に彼女を見つけたのは中野のブロードウェイだった。人形が大好きなミッチはその日も人形屋のショーウインドーの前に突っ立っていた。そして、今日もカラフルな柄のビニール袋の中に何体もの箱入りのバービーを詰め込んで、それを大事そうにかかえていた。
 僕の眼の前に制服に着替え終えたミッチが現われた。すると、初めて女の子にカメラを向けた時のようにドキドキしている。つまり、今はまだミッチはノスタルジアとしての制服少女なのだった。

□この作品はいずれ『放課後カメラ』のシリーズの中で発表します。
□5/9(日)のワークショップのモデル・hirokoちゃんはノスタルジア系です。
2010-05-03 : 放課後カメラ : コメント : 0 :
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ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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