放課後の恋*さや・・・2010.9.27

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「今学校を出ます」とさやからメールが来た。

 僕は下北沢駅のホームでさやが来るのを待っていた。そもそもちょっとフェイクな女子高生モノとして「放課後カメラ」を撮り始めたはずだが、今日は本物の女子高生の放課後に自らを置き去りにして、彼女のテリトリーの下北の駅でセーラー服の女の子を撮るというのだ。一体どうなってるんだ?僕は現役女子高生を撮るこの現実に疑いを持ち始めていた。つまり、本当なの?ってね。しかし、何度考えてみてもさやは可愛過ぎることを除けばごく普通の女子高生なのだった。

「今下北沢に着きました」とさやからメールが来た。
 
 僕は吉祥寺方向の前方からさやを探しながら渋谷寄りへ歩いた。井の頭線は六両編成だから、ホームは短い。すぐにさやと出会った。

「こんにちは」
「はい、こんにちは」

 白いセーラー服に赤いリボン
のさやが昼下がりの雨のホームに眩しい。僕とさやとのツーショットを見て人はどう思うだろう、と僕は女子高生と時を過ごす悦びを忘れ去り、ちょっとネガティブだったけれど、さやを見るとキュートに笑っているだけ。そう、彼女は何も気にしてないんだ。それを見た僕は救われたような、突き落とされたような、複雑な気持が胸の中でうごめいた。「あっ、これって・・・」と口に出しそうになって躊躇した。

 ホームにメガネをかけた真面目そうな男性教師に引率された数十人の小学生がやって来た。教師と僕は眼が合った。教師の何やっているの?って顔。

「あのぉ、僕のこと父親ってことにしてくれないかなぁ」
「はい。でもどうして?」
「だって、みんな僕のこと変な男だと思っている」
「どこがでしょうか?」
「どこって、僕は君の、、つまり女子高生の放課後に写真を撮りに来たんだ。そのことをみんなにどう説明すればいいんだろう」
「・・・」

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 ホームでぎこちなくさやを撮った。慌てていてピントが合わない。RTSのファインダーは滲んでいるように見えたし、M4-Pの二重像はちっとも一致しない。だけど、だからと言ってオートフォーカスが有利だなんて絶対に思うもんか。そう心の中で宣言するのが精一杯。数枚撮って止めて、次の吉祥寺行き各駅停車に乗り、さやと隣り合わせで座った。

「今日の一時間目は?」
「英語です」
「じゃあ、二時間目は?」
「英語です」
「それで、三時間目は?」
「英語でした」
「ほう、じゃあ四時間目は?」
「現国」
「あはは、そうか、現国だったんだ!」

 僕はさやの父親役であることを半分捨てて家庭教師みたいな、そうでないような、中途半端な自分になって隣や正面に座っている人たちの視線をかわそうとしていた。そんな僕とさやの時間はあっと言う間に過ぎ去って、終点の吉祥寺のホームでさやと別れた。僕は絶対に振り返って手など振ってはならないと心に決めて、人ごみに入り改札を抜けたあたりで、やっぱりもう一度さやに別れを言おうと振り返った。しかし、そこにさやの姿はなかった。何かが僕の胸を突いている、、「あっ、これって・・・」僕はもう一回その言葉を飲み込んだのだった。

□写真はちょっと待って。支障があるから顔のない写真になったらごめんね。
2010-09-28 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

27thワークショップ・・・2010.9.26



昨日の東京は美しい秋晴れでした。ただしお昼までは、、。久しぶりのワークショップでしたがとても条件が良くきっと来年のグループ展でもこの日の作品が展示されることでしょう。参加者のみなさん、モデルのYUKIちゃんとミユちゃん、ありがとうございました。

□次回は28thワークショップ~10/10(日)です。参加受付中。
□来年のグループ展は渋谷のルデコです。あなたもこれからワークショップに参加してグループ展に参加しませんか。
2010-09-27 : ワークショップ : コメント : 0 :

魚返一真ワークショップ・グループ展、開催決定のお知らせ

第一回・魚返一真ワークショップ・グループ展を開催することになりました。2004年に妄想写真塾を始めてさらに昨年はワークショップへと形を変えてこの秋で六年目を迎えました。その間、グループ展への方向性はありましたが、実現には至らなかった経緯もあります。今回は、主宰の僕が中心になってすべて仕切りますので、必ず開催できます。会期は先に僕の24th個展として発表した日程です。従って、僕の24th個展は2011年秋にずれ込む予定です。

第一回、魚返一真ワークショップ・グループ展
・会期--2011.5.31(火)~6/5(日)
・場所--ギャラリー・ルデコ2(渋谷)
・参加資格、参加費などは近日中に発表します。
2010-09-27 : ワークショップ : コメント : 0 :

15thトークライブ『放課後カメラ』開催

1年2か月ぶりにトークライブを開催することになりました。場所はいつものネイキッド・ロフトです。詳細はまだ決まっていませんが『放課後カメラ』を中心に展開する予定です。ゲスト出演者は現在打診中です。今年は個展の開催を見送ったこともありライブで頑張ろうとおもっています。是非来てください。詳細が決まり次第すぐにブログや僕のサイトにアップしていきます。どうぞよろしくお願いします。

・15th魚返一真トークライブ『放課後カメラ』
・2010.12.6(月曜日)19時開演(予定)
・場所:ネイキッド・ロフト
・チャージなど未定
2010-09-22 : トークライブ : コメント : 0 :

ブラックベリートルテと抹茶ミルク*彩乃・・・2010.9.19

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 午後1時だというのに薄暗い小道を彩乃は僕をたどたどしく誘って三四郎池のほとりへ降りた。アップダウンのある池の周りの道をさらに彩乃は僕を連れ回す。途中の少し傾斜のゆるくなった所で僕はしびれを切らし彩乃を撮った。ファインダーを覗くと風景が静止しているように見えて、それと同時に僕たちの周りに静寂が訪れる。何度かファインダーを覗いて見た。どうやら彩乃の動きが止まってしまうことで風景も静止しているように感じる。それに反して、彩乃の眼は頻繁に瞼を閉じている。からくり人形のようだ。その時、僕は笛の音を聞いた。

「君はフルートを吹くべきだよ」
「時々、そう言われます」

 本当は日本古来の篠笛を吹いて欲しいと思った。彩乃の眼の中には昔の風景が映し出されているような気がする。つまり、僕は彩乃にいにしえを感じていたのだ。僕はそれから本郷通りに出るまで、何度も何度もファインダーを覗いて彩乃の本性を確かめようとした。彩乃は何を考えているかわかりにくい子に見えたが、もしかしたら何も考えていないのかもしれない。

「何を考えているの?」
「えっ?何も、、、」

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 本郷通りに出て地下鉄の駅の方へ歩いた。大学の塀が途切れた少し先にある不思議なカフェに入った。ここは彩乃のお気に入りの場所らしい。天井がとても高く、客はその空間の中で、お好みのケーキと実験的とも言うべき様々な飲み物の中からカップ一杯を選ぶ。ちなみに飲み物はお代わり自由。そしておまけは何故かボルシチ。大きなカウンターに小ぶりなトレーを載せて、その上にそれらを適当に並べゆっくりと食す。それがこの店での流儀らしい。と言っても、僕は僕の右隣に座った常連らしきおじ様の様子でそう思っただけなのだ。左のスツールに座った彩乃を見ると、ゆっくりとブラックベリートルテを食べ紅茶を飲み、最後にボルシチを味わっている。僕の方は、さっさとブラックベリートルテを平らげて、最初に彩乃の真似をした紅茶を一気飲みして、次に冒険してやるかとばかりに抹茶ミルクをカップに注いだ。そして、その抹茶ミルクを口に含むや「げっ」と思わず声を発し自分の味覚が貧弱なことにがっかりする。抹茶ミルクは僕にはとてもまずいのだ。こうなると、彩乃との話題はこの店のことではなくなる。
 
「彩乃ちゃん、恋したことある?」
「はい、あります」
「どんな?」
「どんなと言われても、、、」

 僕と彩乃は恋について話した。恋は年齢不祥で年齢を問わす悩みは共通なのだ。彩乃と僕は38分も恋の話をした。

「今日のところはこの辺で、、だってこれ以上一緒にいたらオジさんは彩乃ちゃんを好きになってしまうよ」
「私、オジさんとお酒を飲みながら恋についてもっと話をしてみたいです」
「え~、、マジですか」
「ええ、大真面目ですよ」
「でも残念なことに、僕の撮影には掟があって・・・」
「なるほど、、それはそれでわかる気がします」

 僕たちは店を出た。本郷三丁目で地下鉄丸の内線には乗らずお茶の水まで歩いた。彩乃と分かれる名残惜しさがあったのかもしれない。彩乃という子、いにしえに僕を誘った。そして、乙女の想いを語る視線ははるか遠いところを見ているようだった。最初に会った時の印象よりどんどん魅力的に見えて来て、彩乃のことをもっと知りたいと思うようになった。彩乃に、やっぱり飲みに行こうかと言い出しそうだったけど、懐の寒さがそれをかろうじて止めてくれた。そして、お茶の水駅前で「さようなら」と言って、後ろ髪を引かれながらも別れたのだった。
2010-09-20 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

『突然プロカメラマンになる方法』(30)テレビ・2~閉鎖的な世界

~魚返一真の自伝的小説~

 僕は車でサクラテレビへ向かった。サクラテレビは新宿からそれほど遠くない高台にあって、すぐ近くには女医さんを育てる巨大な大学病院がある。玄関で警備員と軽い挨拶をして美しい受付嬢の方へ歩いた。

「料理の巨人の美術デザイナーの、、えっと稲葉さんにお会いしたいのですが」
「はい、お客様のお名前は、、」
「魚返です」
「承知致しました、少々お待ちください」

 昨夜起きた事件のことを検証してみた。僕が城之内カラーに発注した新番組『料理の巨人』用の巨大な写真三枚が、午後四時に番組収録が行われるサクラテレビの第六スタジオに城之内カラーの数名によって搬入されたはずだ。写真の仕上がりはこちらでチェック済みだし、問題があったとすればパネルに貼付ける段階だろう。

「魚返様、ただ今稲葉がこちらへ参りますので、もう少々お待ちください」と受付の女の子が言った。数分後、稲葉と思われる男が受付嬢に一言いうと僕の方へまっすぐに歩いてきた。アルマーニ(のような)のスーツを着た色黒で強面の男だった。こいつと殴り合ったら僕なんぞひとたまりもないと思った。

「魚返さん?」
「はい、魚返です」

 稲葉は僕を促すようにテレビ局の中を無言で歩き始めた。迷路のような廊下を右に左に歩いて食堂へ出た。何故かテレビ局はどこも迷宮のような作りで、内部を迷わずに歩けることが業界で仕事をするための最初の試練なのだ。稲葉は僕に何も言わず珈琲を2杯トレーに載せて奥の席に座った。食堂にはテレビ局らしく見た事のある顔のタレントやアナウンサー?がいた。しかし芸能界に疎い僕にはタレントの名前はわからなかった。

「いきなりですが、本題に入りましょう」
「ええ、どうぞ」

 稲葉が言ったことはこうだった。昨日の午後四時に城之内カラーからパネル用の写真が配送されてきた。その写真を城之内カラーの社員がベニヤ板でできたパネルに貼付けようとした。しかし、城之内カラーが来た時にはすでにパネルは巨大なセット、つまり『料理の巨人』のキッチンスタジアムに組み込まれてしまっていたのだ。何らかの理由でキッチンスタジアムのセットのくみ上げが時間が早まったのだろう。僕が指定した搬入時間では貼付けが間に合わなかった。つまり、写真が貼られていないベニヤがキッチンスタジアムの中央に三枚露出していたのだ。それを見た城之内カラーは、貼付けを断念し写真を置いて帰ろうとした。しかしサクラテレビの大道具は、写真はそっちの持ち場、つまり城之内カラーに貼付けをしろと言った。城之内カラーは、ならばパネルを一旦降ろして床で貼りたいと。大道具はそっちが勝手に降ろすなりやってくれ、、、そんな問答を繰り返すうち大道具が切れて殴り合いになった。当然、城之内カラーの二人に勝ち目があるはずはない。

 しばらく沈黙があって、「なるほど、どちらがどちらということでもなさそうな気がします」と僕が口火を切った。
「そうじゃないでしょう」と低い声で稲葉が言った。
「まあ、聞いてください。城之内カラーは一般的な仕事として今回の件を受けているのですが、聞いたところテレビの業界には業界のやり方があるようですね。それを知らなかった城之内カラーに問題があったかもしれません。城之内カラーは日本のプロラボの最王手です。それでもやり方がわからないのがテレビの世界なんですね。いずれにしても、僕が城之内カラーに発注したのですから全責任を僕がとりましょう」
「責任?それはもういい。すでに城之内の連中に鉄拳を加えていますから」
「ではどうすれば、、、」
「私は魚返さんに今後この仕事から降りてもらおうと思った。しかし考えが変わった。理由は、あの写真がなくては困るからです。もちろん、魚返さんの態度次第では僕もあなたを殴っていたでしょう。しかし、そっちが非を認めるなら、、、」
「僕もこの仕事から降りたいと思っていました。それが無理なら、、どうでしょう、この際そっちのやり方を教えて頂けませんか」
「いいでしょう」

 テレビ業界で仕事をすることは、広告や雑誌で仕事をするのとまるで違うことを知った。ただ写真を撮って納めたら終わりではない。複雑な決めごとや収録までのタイムテーブル、その他テレビ業界そのものの仕組みを知らなくては仕事を無事故でこなすのは難しい。稲葉が僕に教えた事は業界を知り尽くした業者、テレビジョンフォトと組めということだった。僕もそれしかないだろうと思った。しかし、いざ発注してみるとテレビジョンフォトの見積もりは城之内カラーの2倍の金額で、テレビという世界の金の掛かり方は雑誌などとは比較にならないことを知った。その後『料理の巨人』は高視聴率を獲得し、僕の番組とのかかわりも深くなって行き、いくつかのメジャーな番組から様々な依頼を受けることになって行くのだ。もちろん、苦労も比例して増えて行った。

(つづく)

□時代が前後することもあります。今後も僕の経験を書いていきます。皆さんが楽しんで頂けると嬉しいです。参考になると嬉しいです。(なるはずない?)でも拍手をお願いします。
2010-09-19 : 『突然プロカメラマンになる方法』 : コメント : 2 :

秋のワークショップ開催!

少し涼しくなってきました。
秋は傑作が生まれやすい季節です。あれ?そうでしたっけ。と言うより撮りやすい季節ですね。
さて今回9月26日(日曜日)はダブルモデルでの開催なのでどんどん撮れます。
モデルはYUKIちゃんとみゆちゃんのお二人です。
しばらく行っていない多摩川の河原はどうなっているのでしょう。
参加受付中です。
2010-09-17 : ワークショップ : コメント : 0 :

風・制服の早紀・・2010.9.15




 制服姿の早紀はどこから見ても女子高生だった。井の頭線に乗って隣同士に座った。その様子は、女子高生の放課後には少し早い午前11時半であることと、一緒にいるのがカメラバッグを持ったオジさんの僕であること以外は女子高生の日常の光景だろう。僕が制服を着た女の子と電車に乗るのは二度目だ。しかし、前回は若干コスプレの香りがする明日菜だったから、早紀のように誰もが女子高生と認めてしまう子と電車に乗ることは初体験と言って良い。

 早紀に「僕たちは親子だということにしよう」と言っても、一秒も早紀を自分の娘だと思えなかったし、早紀だって僕との会話がすべてとても丁寧な敬語だから、僕を父親と思う努力をしているとは思えない。

「渋谷へ行こうと思っている」
「はい」
「君は渋谷で乗り換えて高校へ通っていたからね」
「はい」
「部活はバレー部だったね。顧問の先生は誰でしたか」
「◯◯◯◯子先生です」
「へ~、、美人だった?」
「はい、とても」

 早紀の声はキュートだ。なのにほとんど僕がしゃべって彼女の声を聞けなくてもったいない。もちろん自業自得なんだけど。僕たちの会話を電車中の人が聞き耳を立てているような気がして小声になると、早紀は聞きづらいらしく顔を僕の方へ近づけてくる。それが嬉しくてならない。

 終点の渋谷で降りて、ハチ公交差点で撮影して、また井の頭線に乗った。

「どこかの駅のホームで早紀ちゃんを撮ろう」
「はい」
「駅に着いて、撮りやすそうだなって思ったら降りるから。いや待てよ、やっぱり井の頭公園駅で撮影することに決めておくよ」
「はい、あの駅は最近きれいになりましたよね」
「へ~、そうなの」

 早紀との会話がとぎれとぎれになる。無理もない。共通の話題など一つもないんだもの。

「映画はどう?」
「あまり見ませんが、つい最近『告白』を見ました」
「ああ、そう!僕も見たよ。東野圭吾の・・・」
「はあ、、あのぉ、、確かそれは東野圭吾ではなくて、、」
「ああ、違う違う、湊、、湊、、う~、湊なんちゃらの」
「湊かなえ、ですね」

 井の頭公園駅の下りホームには僕たちしかいなかった。ホームを通り過ぎる秋の風に早紀の髪がなびいた時、僕はコンパクトカメラで一瞬を撮った。

「あ、、いい、とても」
「何がでしょうか?」
「風が吹いたんだよ」
「はい、心地よい風ですね」
2010-09-16 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

小さな町の女子高生・・・2010.9.11

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小さな町の商店街を歩く。人々はどこかへ行ってしまったのだろうか、それとももともと人が少ないのだろうか。閑散としている。僕の眼の前を自転車に乗った女子高生が通った。小柄でとても可愛くてどこか素朴な女の子で、僕はその子のことがとても気になった。彼女は小さなスーパー前で自転車を止めると、店の中へ入って行った。数分すると女子高生は何も買った様子もなく店から出て来た。

「こんにちは。僕は昔この近くに住んでいたものです」
「あ、、はい」
「あなたはどこの高校?」
「◯◯高校です」
「そうなんですか、昔と制服が違っているね。たしかグリーングレーの地味な感じの制服だったと思うけど。と言っても、君にはわからないかもしれないね。何年生?」
「二年生です」
「写真撮っていい?」
「あ、はい」

僕は田舎の女子高生にカメラを向けることにドキドキしていたみたいだ。何故だろう。清流に住む天然イワナを前にした釣り人の気分か・・・。僕はまた故郷の商店街を歩く。
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2010-09-15 : 放課後カメラ : コメント : 0 :

昆虫採取少女・・・2010.9.11

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*2010.9.11大分県九重町にて、、
昔、昆虫採取をした。世代によって経験者と未経験者が分かれるような気がする。蝶をつかまえて展翅する。子供には難しい作業だ。だから針で留められた蝶は羽がばらばらになってしまった。そんな蝶を見るのがいやだった。大人になってから青山の志賀昆虫に足を運ぶようになり、様々な道具を手に入れて、上手に展翅して標本箱に納めることができるようになった。昨今、昆虫採取を自然破壊などと言う。子供が捕まえたぐらいの数では蝶は決していなくなりはしない。現在では昆虫採取少年少女は激減して、今や絶滅に等しい。僕はとても悲しい。
2010-09-15 : 放課後カメラ : コメント : 2 :

恋する気持・・・2010.9.13

九州はとても涼しかったです。もちろん、僕が過ごした場所が標高1000メートルほどあったからですが、、、朝晩温泉に浸かり、中学時代の友人と徹夜で酒を飲んでぶっ倒れたり。理由は東京でのすべてを忘れたかったからなのですが・・・。

写真も撮りました。昆虫採集少女です。それから、地元の高校二年生をスカウトしました。渋谷でもいなさそうな魅力的な女の子でした。彼女はとても素朴だったから渋谷ではいないのは当然なのか。自転車に乗っているところをスカウト、、、これってさやちゃんをスカウトした時と同じパターン。

少年時代に毎日遊んだ畑や田んぼや古い民家や川や池が複雑に入り組んだ狭いテリトリーを歩いた。理由があって、そこへはもう何十年も近づかなかった。かんかん照りの午後に僕は少年たちの幻を追いかけた。もちろんその少年たちの中に僕もいるはずだ。コンパクトカメラを自分の胸のあたりに構えて、僕が歩く道すがらをシャッシャッっと撮りながら歩く。やがて僕の胸の中に思い出がわき上がり、その思い出を喉を閉じて横隔膜の下にぐっと閉じ込めていたら、最後は両目から川のように涙が溢れ出た。その時、眼の前に現われたお百姓さんが、僕をじっと見て言った。「暑いのぉ」「はい、暑いですね」僕はお百姓さんに泣き顔を見られまいと、こぼれ落ちる涙を汗といっしょにシャツの袖で拭った。「ところで、あなたは僕が少年時代もずっとこの畑でトマトを作っていましたか?」「そうじゃな、昔はトマトじゃなくての、キュウリやナスじゃな」「もしかして、ここでカメラを持った少年を見ませんでしたか」「いつごろじゃろう?」「1965年です。昭和40年の夏です。そう花火大会の朝に、、」「知らんなあ、、けど春日町の家具屋の息子がカメラを持ち歩いていたのを見たことはある」「はあ、そうですか」

人は死ぬ。死んだ時の悲しみは大きい。しかし、十三回忌ともなると身内の死とて思い出となって、悲しみの一部は欠落してどこかへ行ってしまう。しかし、恋は違う。恋する気持だけは時を簡単に越えて、まったくリアルに眼の前に現れる。理由は、人は現実に、または無意識にずっと恋をし続けているからだ。大切な人の死が思い出になってしまっても、恋の思い出は決して色あせないばかりか、次第に大きくなって行く。

今回の休暇で、たぶん、次への何かをつかんだ?それとも今までの何かを大量に失ったのか。
いずれにしても、今度の個展では、恋する気持を表現できたらと思っている。

東京に戻って来たご報告まで。。。

2010-09-13 : 個展 : コメント : 2 :

休暇・9/8~9/12

今日から日曜日まで、遅い夏休みをとって田舎へ帰ってきます。僕の田舎は大分の山間部です。何もないところが魅力です。戻ったら、作品撮りやワークショップを再開します。まだまだ暑い日が続くようです。帰省した時には毎回行く高塚地蔵尊に皆さんの健康をお祈りしてきます。
2010-09-08 : コラム : コメント : 0 :

朗らかな空*早紀・・・2010.9.2

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 吉祥寺駅前の横断歩道を渡りながらふと空を見上げた。雲は白く空は青く高い。僕はこの空と早紀の因果関係を考えていた。早紀の第一印象は、澄んだ眼をした実直そうな女の子。つまり今日の澄んだ青空と早紀はどちらも朗らかと言えるんじゃないか。少ない情報を組み合わせてイメージするのが僕の撮影前の習慣だ。よし!今日は早紀と青空を同じフレームに入れて撮ってやろう。そう決め、心弾ませて公園口の短いエスカレーターを上がるとすぐに柱にもたれた早紀の姿が眼に飛び込んできた。

「こんにちは」と言って笑顔で僕に挨拶をする早紀。僕は舞い上がってしまった。僕は朗らかな笑顔にとても弱い。弱いというのは、僕が三十若かったら恋したかもしれない、という意味だ。

「やあ、今日はありがとう。これから撮る写真を絵に描いて説明しよう」と言ったけれど、早紀と会った直後のドキドキ感を撮ろうと思い直しすぐに撮影することにした。

「あ、、やっぱり、すぐ撮ることにする」
「私はどうしたら・・・」
「ああ、そうだね、そこらへんに適当に立っていてくれれば、、」

 僕たちは吉祥寺の街へ出た。

「今日の空は青いよね、雲も真っ白でさ」
「いつも空を撮っているのですか?」
「撮らないけれど、空はかなり好きだよ。毎日見上げるよ。吉祥寺なら特にナツイチの看板上空の空がいいね。もちろん、今日は早紀ちゃんと空とのコラボも撮ります」

 大好きな果物屋の前で撮る。

「この果物屋、いいよね」
「あ、はい、お休みの果物屋さんのシャッターにこんな絵が描かれているなんて初めてみました」

 次に早紀が時々来るというカフェへ。僕たちは二階に上がった。二人ともアイスカフェラテを頼んだ。というか、僕が早紀の真似をした。二階は落ちついた雰囲気でそれに合せてぬるいジャズが流れている。おのずと僕は小声になって怪しげなオヤジになってしまった。

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「あの、早紀ちゃんは笑顔がいいね。朗らかな感じする」
「ありがとうございます。母に特別なことは出来なくてもいいから、やさしい人になりなさい、と言われて育ちました」
「なるほど、素敵なお母さんだね。今度、お母さんも撮らせてよ、、あっ、冗談です。ただ、どんなお母さんなんだろうって」
「我が家には家訓というと大げさですが、そんなようなものがあって、、、」
「どんな言葉?」

 僕はノートを出して早紀にその家訓を書いてもらった。その言葉は親が子に対する愛に溢れたまっすぐな文だった。その最後は、、ゆうきと おもいやりをもった すてきなひとになってね、、と締めくくられている。

「早紀ちゃん、もうそんな子になっているじゃない」
「そうですか!嬉しいです」

 たった二度会ったぐらいで彼女をわかるはずないと言う人も、早紀に会ったら数分でその通りの子だと確信するに違いない。僕は早紀の自然で包み込むような笑顔をたくさん撮れたことで満たされていた。

「そうだ、制服で撮らせてくれる?」
「はい、でも高校の制服はもう捨ててしまって持っていないんです」
「じゃあ、僕が調達するよ。で、どんな制服?」
「とても珍しい制服で、、襟、ライン、リボン、みんな紺なんです」
「あはは、大丈夫だよ。早紀ちゃんと僕はよほど縁があるんだよ」
「・・・」
「どころで、早紀ちゃんはどちらの大学?」
「◯◯大学でバケ学を」
「はあ?何だって?あの最高学府でバケ学を・・・、」
「子供の頃、私は薬のラベルに書いてある成分を読むのが大好きだったんです。それで・・・」
「優秀かつ不思議な子だね。そしてその笑顔か・・・」

 次はセーラー服姿で撮影する約束をして僕たちは別れた。早紀の後姿が見えなくなった頃、青空と早紀が一緒に写った写真を撮っていないことに気づいた。でも、朗らかな笑顔が撮れたからいいか、と思った。
2010-09-04 : 放課後カメラ : コメント : 2 :

24th魚返一真個展『放課後カメラ』開催決定!

日程調整中です。。先に発表した会期は変更になりました。

●第24回・魚返一真個展『放課後カメラ』

・場所--ギャラリー・ルデコ2(渋谷)

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2010-09-02 : 個展 : コメント : 2 :
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ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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