『濡れたワンピース』

2012.6.30 model*理乃

          ★

 白いレトロな肩ひもワンピースを着た理乃は麦わら帽子をかぶり、まるで半世紀前の夏からタイムスリップして来たみたいだった。そんな理乃を連れて川べりを歩いた。一週間前に降った雨で川底は洗われ、多摩川は故郷の川のように清らかだった。理乃は気に入った場所見つけると川の中へ歩き入り、そっと尻を水に浸けた。

「冷たくはないですか」
「いいえ。気持ちが良いです」

 その一部始終を撮り終えた僕は、
「ありがとう」と理乃に礼を言うと、
「私、もっと水に浸かってしまいたい」と言うのだった。

          ★

 理乃は浅瀬に横になり顔半分と左腕を残して水没した。水中の理乃の肌は淡い色をした水のベールに包まれて恐ろしく白かった。良く見ると幼児体型のあちこちで女の香が息吹き始めていた。理乃がオトナの女になる前日が今日であるならば、水中で何らかの変化、例えば昆虫ならば羽化が始まっているかもしれない。

 これは幻覚なのだろうか。下流にかかる水色の橋がすっかりぼやけて見える。振り返ると斜め頭上にある錆びた鉄橋でさえ揺れている。僕の心は浮遊し身体は震え今やカメラを持っていることさえ苦痛だった。
 水に浸かり気が済んだ理乃は岸に上がった。ずぶ濡れの理乃を見て、少年時代に川で大魚を釣り上げたときの恐ろしさを思い出したのだった。

          ★


□7/21(土)102th写真塾のモデルは理乃ちゃんと新人の(?)ちゃんです。よろしくお願いします、
■この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。


2012-06-30 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :

『エトーワールさんへ』

『エトーワールさんへ』・・・感謝をこめて

久しぶりに書いてくれましたね。引き続き僕のブログを読んでくれていたのですね。帯広図書館の件は驚きであり僕にとって勲章です。さらに、いつも僕の作品を誉めてくれてありがとう。何と言うか、素直にとても嬉しいです。僕のファンは本当に存在するんだ、という素朴な感動。それは今の僕にとって何ものにも代え難いものです。あなたがしてくださったことに作家としてどう答えれば良いか考えているところです。

今日も帯広は東京より暑いみたいですね。僕が帯広に行ったのは1998年頃だったと思います。当時僕はあるTV番組に関わっていて、地方へ出かけて行くことが多かったです。北海道取材の際、帯広に泊まり、ホテルからほど近い場所にあるラーメン屋に行ったことを憶えています。あの店のラーメン、とても美味しかったですよ。こんなことを書くと、あなたと面識があるみたいですね。

今夢中になっている作品があります。ブログにもちょこちょこアップしています。いずれ全作品をあなたに観て頂きたいですね。実は明日もとても大切な作品を撮ることになっていますが少し風邪をひいて先送りも考えていたのです。でも、明日は撮影に行くことに決めました。その作品をあなたに観てもらいたいしね。

これからも、僕はあなたに作品をご覧に入れたいし、あなたは僕の作品について意見をください。とにかくお互いに元気でいましょう。

             
              2012.6.29  写真家・魚返一真




2012-06-29 : コラム : コメント : 1 :

『SUNFLOWER』撮影予告

手にしたSUNFLOWERはどうして一輪だけなのでしょうか。
しかも、半分花びらが落ちたSUNFLOWER。

「あなたは誰?」
「ひまわりです」
「何をしているのですか」
「ただ待っているのです」

          ☆

僕には見渡す限り続くひまわり畑があなたの背景に見えています。
ひまわりさんがひたむきで心弾む女性だとしても、
僕にとってSUNFLOWERはやはりセンチメンタルな花です。


        ・・・・・

□この作品に期待する方は拍手をお願いします。
■7/1(日)ミーティングを開催します。写真について食事をしながら皆で学びましょう。塾生以外の参加大歓迎。申込はこちら→



2012-06-27 : リトルファンタジー2012 : コメント : 1 :

『メルヘン・Märchen』・・・2012.6.20


2012.6.20 model*優奈


          ♡


 優奈が言った言葉の中で憶えているのは、メルヘンだった。「メルヘンねえ、なるほど君らしい」と答えてみたものの、メルヘンとはどういうことだろう。調べてみると、メルヘンとは散文による空想的な物語、とある。


          ♡
         ♡ ♡
          



2012-06-24 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :

『恋する虫眼鏡』・・・2012.6.18



2012.6.18 model*みや

           ★

 口数は少なく声も小さい内気な女の子という存在について考えてみたことがなかった。その魅力は写真には映りにくいのかもしれない。逆に活発な女の子は容易に写真に閉じ込めることができるのに・・・。だけど、みやの静けさの中にじわりとエロスが覗いて見える。みやの魅力は実際に会う以外に伝えられないのかもしれない、そう思いながらシャッターを押した。

           ☆







2012-06-24 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :

『たま子とスイカ』・・・2012.6.17




2012.6.17 model*たま子

          ☆

「スイカは好き?」
「あ、はい。嫌いです」
「はあ?」
「食べるのは好きですが、食べた後のねばりが嫌いです」



          ☆
         ☆ ☆
          ☆


□タイトルを変えました。



2012-06-22 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :

『メルヘン・Märchen』



2012.6.20 model*優奈

          ♣

 優奈が言った言葉の中で憶えているのは、メルヘンだった。「メルヘンねえ、なるほど君らしい」と答えてみたものの、メルヘンとはどういうことだろう。調べてみると、メルヘンとは散文による空想的な物語、とある。

          ♣

 撮影の日。僕たちは出会った道で再会した。優奈はさらに少女チックだった。

「あれ?君って中学生?」
「いいえ」
「言われない?」
「はい。中学生に間違われます」
「やっぱりね。ところで、このまえメルヘンって言ったよね」
「はい」
「それについて考えてみたけど、君のことだよ」
「・・・」
「つまり、メルヘンの元をたどればおとぎ話みたいなもの。君はおとぎ話の主人公役が似合うと思うからね」
「そうですか。でもありがとうございます」

 僕は優奈をシロツメクサの白い花が咲くあの丘で撮ろうと決めていた。

 シロツメクサの咲く丘に優奈を立たせる。ファインダーの中の優奈はまったくメルヘンの世界の少女だった。それを真剣に撮っている僕の脳もスポンジケーキみたいにメルヘンチックだった。

          ♣ ♣ ♣


□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。

2012-06-22 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :

『恋する虫眼鏡』


2012.6.18 model*みや

           ★

 二度とない撮影の残り火は、一晩眠ったぐらいで消えて無くなるはずはなかった。今朝になってやっと昨日のたま子の残像を胸の底に沈めることができた。ただし、行き場のないもやもやしたものが残った。

           ★

 昨日まで考えていた写真とはまったく違ったものになってしまった。みやのために用意した作品は『ミステリーはいかが?』という探偵モノで、小道具として虫眼鏡を持ってきていた。僕は予定どおりに作品を撮るはずだった。少なくともみやと再会するまでは。

 みやに恋をしたわけではない。だけど、みやをファインダーに入れた時、胸が痛んだのだ。僕は気を取り直し、もはや無意味となった虫眼鏡をみやに渡して撮影を開始した。

「太腿は撮って良いですか」
「ええ」

 僕は次の言葉が出なかった。心の中にははっきりと次の言葉はあった。しかし、それは口に出せなかった。

「みやちゃん、、」
「はい?」
「何でもない・・・」

            ★

■撮影予告した『ミステリーはいかが?』のタイトルを『恋する虫眼鏡』に変更しました。
□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。


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2012-06-18 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :

『たま子の血とスイカ』


2012.6.17 model*たま子

 少年時代、梅雨の季節に思ったことは、早く夏休みにならないかな、ということだった。ただ学校へ行かなくて良いということが夏を待つ理由だった。好きな女の子に会えなくなるいことは残念だったけれど、それを割り引いても一人遊びができる夏を選んだ。いざ、待望の夏休みになると、好きな子に会いたくてしかたがなくて、毎晩のように倒錯した夢を観ていた。

          ♧

 梅雨の晴れ間に、うるわしくも愛らしいたま子と二人きりで河原を歩いていた。たま子は半袖の丸襟のブラウスと紺の吊りスカートを着ている。そして手には八分の一カットのスイカの入ったレジ袋をぶら下げている。

「スイカは好き?」
「あ、はい。嫌いです」
「はあ?」
「食べるのは好きですが、食べた後のねばりが嫌いです」

 僕は川岸の石の上に靴を脱ぎ撮影の準備を終えた。そして、浅瀬に入った僕は上流に向けてカメラを構え、そこへスイカを両手で持ったたま子を立たせた。

「スイカを食べてごらん」
「あ、はい」
「食べながら座ってごらん」
「スカートが濡れてしまいます」
「座ったらスカートを上げて太腿を出してごらん。少女のように無造作に・・・」
「・・・」

 たま子は浅瀬に座った。スカートもその下の太腿もお尻も全部濡れてしまっただろう。さらに僕はたま子が手に持ったスイカを割って、手で赤い果汁を絞って白いブラウスの胸のあたりを濡らした。

「赤い果汁は君の血だよ」
「あ、はい」

 これは、少年の僕が観た、倒錯した夏の夜の夢の再現のようであり、僕のエロスの源泉のひとつでもありそうな、そんなシーンだったように思う。 

           ♧

□撮影させてくれたモデルに深く感謝します。
□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。。。
 


         *-*-*-*-*


2012-06-18 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :

『ミステリーはいかが?』撮影予告

          ♡

 みやとミステリーを探しに行くことになった。僕たちはどんどん迷路に入って行く。かろうじて出口にたどり着くと眼の前に解答の泉がある。その水辺に立ったみやの顔を虫眼鏡で拡大して見ると、みやのことは何だってわかってしまうのだ。例えば、彼女が好きな果物を五つと嫌いな野菜を三つ、即座に云い当てることができるといった具合に。

          ♥

「どこへ行って撮りましょうか?」
「写真のことはわからないのでおまかせします」
「では、泉のほとりへ行きましょう」
「はい。わかりました」

          ♡

 みやと出あったのはエスカレーターのすれ違いだった。僕が下りでみやは上るところ。僕はすぐに上りに乗り換えたが、僕の後ろにいた若い男性も僕と同じようにみやに興味があるみたいだった。みやはとても色が白い。とにかくたまらまくキュートな女の子だ。ちょっと内気なところがさらに僕を悩ます。

□撮影に期待する人は拍手をお願いします・・・



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2012-06-16 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :

101th写真塾+ミーティング

20120609haru008_edited-2.jpg

□7/1(日)
・101th写真塾とミーティングを開催します。
・モデルはダブル。ジェマ+はる(初登場)
□ミーティング~ゲストにカメラマンの「えりちん」さんをご招待。彼女は女性ポートレートを追求しており僕のトークライブにゲスト出演してもらったこともある。何かと参考になるはず。

■塾生以外の方のミーティング参加も大歓迎です!塾への参加をお考えの方も是非どうぞ。



2012-06-16 : 写真塾 : コメント : 0 :

お誕生日おめでとう!


      ★

Happy Birthday to T.KAORI !!

      ☆


2012-06-14 : コラム : コメント : 0 :

『悲しき雨音』Rhythm of the rain


2012.6.9 model*はる(小金井市にて)

          ★

笑窪(えくぼ)のかわいい女の子を探そうとしても、
その子がいつも笑窪を作って歩いているはずはないから探せない。
でも僕は、はるを見つけた。

梅雨入りの日にはるを郊外に誘った。
小道の両側はカタツムリのいそうな茂みだった。
少年時代、雨中でかくれんぼをしているときイチジクの木に身を隠した。
そして、葉っぱを這うカタツムリを見つけ手でつまんで虐めた。
その記憶は今も生々しく右の指先に残っている。
カタツムリは雌雄同体、人物写真家の生体にどこか似ている。

ファインダーの中のはるを入れてみた。
話しかけると決まって笑窪ができることがうれしかった。
ジュークボックスにコインを入れると何度でもお気に入りの曲が聴けるように。

      
          ★
         ★ ★
          ★


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□街ではるちゃんと出会った時、マーベラスな笑窪にぞっこん。人柄も素晴らしい女の子だった。
■雌雄同体(しゆうどうたい)とは、一般に、雄の生殖器官と雌の生殖器官を一個体に持っているものを言う。ここで人物写真家の生体と打って出たが深いところでわずかにつながっているにすぎない。



2012-06-13 : 鉄道と彼女、 : コメント : 0 :

『ネーミングについて』


 少々こだわっている。それは塾生のご自身のカメラマン名をみてずっと思っていたことだ。なぜ英字表記なのか。英字表記の日本人カメラマンを探してみると、ほとんどいない。それとも世間で流行っている英字表記の人物の影響だろうか。

 僕は一昨日の塾でみんなのネーミングについて少し話をした。余計なお世話だろうと思ったけど、もし何も感じないでそういう表記をしているなら可哀想だと思った。だけど、あえてそうしてる人がいないとは言えない。その方にはごめんなさい。

 僕は多くのモデル名を付けてきました。命名には自信があります。頼まれればアイデアを出します。本当は本名が一番素敵だけど、せめて名前は写真を撮ること以上に悩み抜いて付けてください。


■塾生以外で次回グループ展参加希望者がいましたら僕にメールでお尋ねください。

2012-06-12 : 写真塾 : コメント : 0 :

3rd*G-Exhibition


昨日の写真塾+ミーティング
~彩乃ちゃん、綾嶺ちゃん、ありがとう。

皆さんに僕は言いたいことをおもむくままに言わせてもらいました。気分を害された方があったら、少しばかり我慢をお願いします。参加した8人のうち7人が次回のグループ展への参加意思を表明してくれました。

実は、次回に向けて考えがあると言いました。女性カメラマンを数名参加させたいということと僕が指名したカメラマンを参加させたいということです。彼らにはグループ展までにゆっくり作品を揃えてもらいたい。そのためには、塾生に次回グループ展への参加意思を早めに確認し、どれだけ新しいカメラマンを受け入れられるか見当をつける必要があるのです。ミーティングに参加しなかったメンバーも早めに参加意思の表明をお願いします。

■参加意思のある方はメールでお申し込みください。

■3rdグループ展⇒




            ☆

2012-06-12 : グループ展 : コメント : 0 :

『ブルー・ベルベット』・・・2012.6.11

20120602you052_edited-1.jpg
2012.6.8*Tokyo

          ☆
 ボビー・ビントンは永遠なり。僕の中では、彼のソフトな歌声は古き良き時代の象徴のひとつだ。曲はもちろん『ミスター・ロンリー』が妥当だろう。しかし、僕はある時から、She wore blue velvet・・・と彼の歌声が聞こえて来るようになった。そう、曲は『ブルー・ベルベット』である。


          ☆

 梅雨入り直前の晴れた日に外を歩いていた。ある家の柵の前まで来て僕の足がぴたりと止まった。She wore blue velvet・・・、ボビー・ビントンの歌声がラジオから聴こえて来るような気がしてならなかった。理由は、ある映画の出だしのシーンを思い出したからだった。映画のタイトルは『ブルー・ベルベット』デビット・リンチの作品だ。この映画の中でこの曲は何度となく流れていたと記憶する。
 1995年の夏。僕はデビッド・リンチの映画『ブルー・ベルベット』のVHSビデオをレンタルして来て数日間見続けた。そして、映画の中の気に入ったシーンで一時停止し色鉛筆でスケッチした。それを繰り返した。僕はそのことの意味をあまり考えなかった。しかし、それらのスケッチは確実に僕の心の中にデビッド・リンチをインプットしたのだった。

          ☆

 さて、無意識に立ち止まった家の前。僕の眼の前にあるのは、『ブルー・ベルベット』のスケッチに似て見える。そのスケッチを思い出してみると、確か家の柵と薔薇の花を描いた。(たぶん)そして、今眼の前にあるのは、柵とタチアオイの花だった。


         -*-*-*-*-*-

■ブルー・ベルベット、YouTube⇒こちら



2012-06-12 : スナップ : コメント : 0 :

『悲しき雨音』model*はる・・・2012.6.9

          ☆

 えくぼ(笑窪、靨)は、人が笑うとき、頬にできる小さなくぼみのこと。 

          ☆

 朝から雨。はるのしなやかにカールした髪が湿ってうなだれてしてしまいはしないかと心配だった。気になるのはそれだけだった。ただ会えればいい、会えさえすればその時間は幸せでいられる。はるはそう思わせる素敵な笑窪を持っている。

「雨になってしまったね」
「はい」
「今朝から雨の曲を聞いていた。例えば『雨に歌えば』や『雨の日と月曜日は』みたいな」
「・・・」

 実際のところ、僕が口ずさんでいたのは1963年にThe Cascadesがアメリカでヒットさせた『Rhythm of the rain』だった。日本語タイトルは『悲しき雨音』。いきなり雷鳴と雨音から始まる粋なアレンジで、軽やかなリズムに哀愁のあるメロディーがのっかってオールディーズの名曲のひとつとなっている。この曲は日本でも間もなくヒットし、僕が住む田舎町へもとどいて、僕もこの曲に夢中になった。

 今朝目覚めた時『悲しき雨音』の歌詞を何となく口ずさんだ。Listen to the rhythm of the falling rain,・・・。詩は遠くへ去った片思いの女の子への未練を歌っている。僕は雨音を聞きながらはるにその気持ちをオーバラップして考えてみると、それが妙にマッチしていた。

 雨の小道にはるを立たせた。笑った時の笑窪がやはり品が良くて素晴らしかった。軽い言葉にするなら「ファンタスティック!」だけど、僕は声にしなかった。笑窪の側にははるのナイーブな気持ちが寄り添っているような気がして、心を静かにしてはるの傘に落ちる雨音を聞いていたのだった。Listen to the rhythm of the falling rain,・・・

        *-*-*-*

□『悲しき雨音』YouTube⇒こっち


        +*+*+


□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。。。



2012-06-09 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :

写真塾+ミーティング

今後開催する魚返一真写真塾では写真撮影後に毎回ミーティングを開催します。
ミーティングではカメラマンごとに話をします。
これまでも撮影後の昼食中にいくらか話していましたが、今後もっと有意義な時間にしたいと思っています。
☆ミーティングのみの参加も可能です。



□6/10ミーティング参加受付中。参加費1000円。
2012-06-08 : 写真塾 : コメント : 0 :

『Water Mellon』1994.7・・・Remake2012



1994.7 model*jun
          ☆

 時々この写真のことを思い出す。心のどこかで気になっているのだ。夏が近づいてスーパーの果物売り場にスイカが並ぶのを見ると決まってあの日を思い出し、大事にしていたハッセルブラッドのことを懐かしみ、最後にこの写真について考える。あの日に流した汗の意味を考える。僕は夢中だった。写真を撮ることが僕のすべてだと思った。そして、実際にそのとおりだった。

 スイカは僕にとって悲しい食べ物なのだ。ずっとずっと昔のことだ。母の生家に里帰りした時のことだ。生家は決して豊かとは言えない農家だった。そこで食べたスイカこそが僕にとってのスイカ。悲しみが僕の全身にまとわり着いて来るような田舎のお盆の夜、天の川を見上げながら喰らいついたスイカの生臭さ、それが僕にとってのスイカだった。

 『Watter Mellon』この子は僕の女性アシスタントの友達だった。この数年後、アシスタントは他界した。


□作品を今の僕の気持ちに沿った色で出力してみた。『オールガール』に収録した時は、暗い作品だったが、今回は思い切って明るくしてみた。理由は、僕自身明るくなりたいからだ。



**************************
2012-06-05 : Remake : コメント : 2 :

『ただそれだけのことだったはずなのに・ユウとホノカ』・・2012.6.2

          ☆

「ユウちゃん。こんにちは。実は港で白いワンピース姿の優ちゃんを撮りたいのです。大きな船が停泊する港です。このごろ僕は港を見たいと思うことがあるのです」
「こんばんは。あいあぐりーうぃずゆー!わたしも港行きたいです」

           ☆

 東横線の駅の改札を出たところで待っているとユウは同じクラスの友達、ホノカと現れた。三人で少し話をしてから港へ行こうということになって駅前のファーストフード店に入ったのだが、何と1時間半も話し込んでしまった。二人は目をしっかり見開いて僕の話に聞き入って、ユウは時折僕の話の中のからくりを見抜いたとばかりにコメントを差し入れて、ホノカは僕の方をまっすぐに向いて一つ一つ確かに受け止めたという顔をした。そんな二人を前にした結果、僕は真剣な眼差しから逃げるすべをなくし長時間語り続けることになったのだ。
 
 どんな話をしたか。ほとんど、僕の失敗人生についてだったと思う。ともあれ、ユウとホノカが僕の話に夢中になっている無垢な姿が愛らしかった。

「わたしは哲学的なことを聞くのが好きです」とホノカがぽつりと言った。
「わたしも魚返さんと同じようなことを考えたことがあったの」とユウが目玉をくるくるっと廻して得意気に言った。ユウはいずれ何らかの才能がほとばしる子で今はその片鱗をみせるのみ。ホノカはゆっくりと時間を動かす才能を持っている子。


           ☆

「もう港へ行く時間がないね」と僕。
「じゃあ、お隣の駅まで歩きませんか!」とユウ。
「ふんふん・・・」とホノカ。

          *-*-*

 梅雨入りが近い薄曇りの天気だった。三人は路地を抜け、ちょっとした坂をのぼり住宅街を見下ろす空き地に迷い込み、そのあと迷路のような細い道を行き、古い池のほとりを通り、市営プールの柵沿いに歩いた。そして小さな商店街を抜ける途中、おはぎ屋さんのウインドーを覗きながら買うべきかしばし考えたが買わずに去り、最後に踏切を渡ってお寺に辿り着いた。そして、僕が三人分のお賽銭を出し来年の二人の大学合格を三人で祈願した。僕はその道中二人の他愛もない写真を撮ったが、それは来年になると熟成し食べごろになるだろう。

 僕たちは駅へ向かった。そして別れがきた。ユウは塾へ行くために横浜方面行きのホームに立った。僕とホノカはその反対側のホームに入って来た渋谷行きの各駅停車に乗って窓越しにユウにさよならの合図を送った。

「ただそれだけのこと」だった。

           *+*+*+*

 ユウとホノカ、17才の青春に触れたせいだろうか久しぶりに僕の心に爽やかな風が吹いた。そして、ホノカが電車を降りひとりになった僕はさっきまでの出来事が特別なファンタジーだったことに気づき始めていた。そしてしずかなさみしさに襲われたのだった。「ただそれだけのこと」だったはずなのに・・・。

さようなら、さようなら
ありがとう、ありがとう
こんな素晴らしい日にお別れするのはつらいけど、
こんな素晴らしい日だからこそお別れしましょう。
ユウはいつか僕を含む世間の物憂い人たちのためにその才能を使ってください。
ホノカはいつか君の時間設定で僕を含む世界中の忙しすぎる人たちを休憩させてください。
これは三人にしかわからない午後の夢だったね。
さようなら、さようなら。。。


           ☆
          ☆ ☆   
           ☆



□僕は行き帰りの電車の中で大滝詠一のイントゥルメンタルアルバムを聞いていた。その収録曲の中から二人に『夢で逢えたら』を送ろう。もちろん吉田美奈子の歌で。。YouTube⇒



2012-06-04 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :

スカウト&総会・・・6/10(日)

           
          ☆

今日とても久しぶりに女の子をスカウトしました。
彼女を撮影できるといいけれど。
そうなることを願うばかりです。

         *+*+*+*




□6/10(日)写真塾の参加受付中。終了後は総会を開催します。総会のみの参加も受付中。今回は来期に向けて僕から一人一人に提案をしたいと思っています。もちろん、今回の反省も。是非参加してください。場所も武蔵境のカフェで行います。前回そば屋では狭かったので・・・

2012-06-01 : スカウト : コメント : 1 :
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ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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