残暑お見舞い申し上げます・その2





2012.8.5 model*ミユ 103th写真塾にて

      ☆

残暑はいつまでつづきますか。
  
勝実さん、式根島の女はまだ熱いですか、
今でも男女は港で夜光虫を観ますか。
一緒にプレイタウンのディスコをつくったノブが死にました、
もう一度島に連れて行きたかった。
いずれ秋になると思いますよ、
コオロギの死骸の匂い、わかりますか?
僕が最初に感じた秋が、それだったと思います。

     *-*-*-*-

残暑が厳しいですね。
僕は暑さに負けないように生きています。
今度の日曜日も塾を開催します。


■105th写真塾、モデル=『ピンクのリボン』のモモちゃん





2012-08-31 : コラム : コメント : 0 :

『星の世界』・・・作品




2012.8.18 model*彩乃


 僕がまだ小学生のころ、クリスマス・イブに近所の友達数人と町外れの小さな教会へ行った。お姉さんたちとミニゲームをしたあと、お菓子をもらって真っ暗な道を帰った。少年の僕にとって不思議な夜であり、初めて賛美歌を聴いた夜だった。しかし、そのメロディーは小学校の音楽の時間に合唱した『星の世界』に極めて似ていた。

          ◇

 彩乃は神々しい風貌をしている。彩乃の憂いに満ちた眼差しは僕を厳かな気分にする。
 雷鳴が鳴り響く中、僕と彩乃は雑木林の中にいた。空は黒い雲に覆われ今にも雨が降り出しそうだった。僕は急いで撮影場所を決めてフィルムを詰め、彩乃は不思議なベルと携帯ラジオをバッグから取り出した。僕は何のためにそれを持って来たのか彩乃に尋ねなかった。僕は草むらに膝まずいた彩乃の右足首をロープで縛ったが、彩乃も足首を縛られる意味を聞き返さなかった。ファインダーを覗くと彩乃は厳かに納まって、遠くから賛美歌が聴こえてくるような気がした。もちろん、それは賛美歌ではなく「星の世界」かも知れないのだが。

「祈ってください」
「この場合、祈りというのは私の中で何か違うと感じるのです」
「なるほど。では、スカートの裾を上げてください」と恐る恐る言ってみた。

 そして、撮影が終わると間もなく激しい雷雨になった。

          ◇



□九月から秋を集中撮影する予定です。作品のモデルになってくれる女性を募集しています。年齢は問いません。お申込はこちら・・・




2012-08-25 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :

残暑お見舞い申し上げます

20110716kyusyu050のコピー_edited-2


2011.夏・ 豊後森駅にて

      *-*

この駅で見た蒸気機関車の黒煙を思い出すとき、
僕の胸はいっぱいに満たされて涙をこらえるのがつらくなります。
残暑の季節は故郷を思い出すのにふさわしいのです。

     *-*-*-*

皆様におきましては、
無事に夏をお過ごしできますよう、
心よりお祈りいたします。


             ----魚返一真----

     


2012-08-20 : コラム : コメント : 0 :

『トロイメライ・夢想』・・・作品




2012.8.15 model*文絵

 例えばシューマンのトロイメライを繰り返し聞きながら様々な出来事を振り返ることがある。

           ◆

 文絵との出会いは六月の渋谷。座居ビルの奥のスペースでのことだった。つまりそこは渋谷における迷路と言える場所。僕の前に立ちふさがるように時代背景不明の妖精が現れた。それが文絵だった。

 文絵は古風な容姿が故に今の世において一見埋もれた存在であるが、僕には玉虫のように眩しく希少に見えた。僕は、咄嗟に逃がさないようにすぐに夢想の世界に閉じ込めたほどだった。そして、虫を入口も出口もない箱に閉じ込めて、カサカサ動く虫の脚音に耳をそばだてるように、文絵を五感で観察した。小動物のように華奢な身体と子牛のような眼差し、小鳥のさえずりのような笑い声。文絵は動物や植物と何らかの方法でつながることができるに違いないとさえ思う。

 出会いから三ヶ月が経った終戦記念日の今日、文絵は長袖膝下丈の真っ赤なワンピース姿で現れた。オシロイバナが好きだと文絵は言うけれど、膝下丈の赤いワンピースに覆われた文絵は彼岸花のようだった。
 文絵を郊外の公園に連れて行き、小高い丘の上にある東屋のベンチに座らせると強めに風が吹き残暑を和らげてくれた。文絵は膝の上に蝶の図鑑を載せた。それは恐らく昭和初期か大正時代の古書で、言いようのないほど文絵にぴったりだった。
 僕は静かにシャッターを押した。

          ◆

 撮影の翌日。トロイメライを聞きながら夢想すると、ファインダーの中の文絵が甦った。この穏やかなメロディーは、夏の東屋で向き合った時に滲み出た文絵の本質にとても近いと思った。

          ◆



□九月から秋を集中撮影する予定です。作品のモデルになってくれる女性を募集しています。年齢は問いません。お申込はこちら・・・





*************
2012-08-19 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :

暑中見舞い『どっちを選ぶ?・NO.17』

(1)


(2)


(3)

久しぶりに皆さんにどのカットが好きか選んで頂きます。

          ☆

6月22日に(1)を「たま子とスイカ」としてアップしました。しかし、その際に僕は非常に迷っていました。その日、最後はある種の惰性でブログにアップするカットを選んだ記憶があります。迷ったのは(2)(3)を足した3カットです。

          ☆

作品解説
(1)空が写っているのがいい。水面の波が美しい。素のたま子がいい。
(2)空をカットした構図には落ち着きがあっていい。空虚なたま子がいい。
(3)頭を切った構図にはテンションがあっていい。たま子の憂いがいい。


          ☆


■あなたの好きなカットの番号を選んでコメント欄に投稿してください。
■締切は8月26日頃。。
□『どっちを選ぶ?・NO.16』に多くの方の投稿ありがとうございました。僕が選んだのは(2)です。




2012-08-09 : どっちを選ぶ? : コメント : 10 :

『ピンクのリボン』・・・作品




2012.8.2 model*モモ


           ☆

 花屋で買った野菊の半分を使って小さな花束を作り、残りは花だけを茎からハサミで切り落とした。しかし、僕はつぼみを切り落とすことをためらっていた。咲かすことなく消える無情が心をよぎったのだ。

 出会ったこころのモモは女子高生で、それは愛くるしい女の子だった。そして、今はすっかり美しいお嬢さんに成長し、夏の太陽に照らされた身体は眩しく咲いてすでにつぼみではなかった。

「女は秘密が多い。だから男は女に幻想を抱きやすい」
「わかる気がします」
「君はとても愛らしい上に賢い。そんな女がそばにいるだけで狂おしいし、もし君に謎があるとすれば男は苦しんだすえ堕落するより他はない」
「そうかしら・・・」

 ここにピンクのリボンがある。一方の端は花束を縛り、反対の端は君のスカートの前から太ももを通って、その大胆に開いたワンピースの背中から出て原っぱの向うへのびる。そののびたリボンの先は君の夢や君を慕う男の前を通過し少女の一線を越えた女の現実へつながっている。

           ☆



■モデル急募中〜8月は作品を集中撮影しています。魚返一真作品にご協力頂けるモデルを求めています。応募はこちらから⇒・・・



2012-08-06 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :

『人形の唇』・・・作品


012.7.27 model*麻菜


          ★

 罠かもしれないと疑いをもっていても、その甘味な世界を捨て去る勇気はなくずるずると深みにはまっていく。これは罠ではないと肯定的な気持ちが散らついたら、その時はすでに完全に罠にはまっている。

          ★

 真夏の午後、なだらかな斜面を歩く。隣を歩く麻菜は心地良い声でよく笑う。唇にはいきなりキスの衝動をひき起させる魔力があり瞳も人形のように神秘的だった。大きな樹にもたれて座った麻菜の身体に紫かすみ草をちぎってばらまいた。チューブをスカートやワンピースの胸の中に差し込んで、さらに首と手と胴と足をぐるぐる巻きにした。
 
「撮影が終わったら僕は君の唇にキスをするよ」
「うふっ、キャキャッ、はあ」
 麻菜は否定も肯定もしなかった。つまり否定した。

「君を僕の人形にしてしまいたい」
「人形になって飾られているだけは少し寂しいです」
 これもまた遠回しな否定なのだろう。


          ★



■魚返一真・写真塾に麻菜ちゃんが登場します。来年のグループ展を見据えるなら秋までが入塾チャンス。
■モデル急募中〜8月は作品を集中撮影しています。魚返一真作品にご協力頂けるモデルを求めています。応募はこちらから⇒・・・

2012-08-01 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :
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ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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