『神無月(十月)の電車』


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2002.10.11 model*千春

         ⌘

娘を乗せて電車は走る
十月の電車は娘の匂いを運んでいく

娘の純潔、さもなければ生娘の喪失
*盲腸線の旅はまたたくまに終わる

娘を乗せて電車は走る
神無月の電車は墓地へ行く人たちを運んでいく

娘を乗せて電車は走る
娘の十月はまたたく間に終わる



         ⌘

*行き止まり線

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         ⌘



□今のあなたの姿を写真に残したいのです。モデルになってもらえませんか。モデル募集→→



2013-01-31 : 記憶 : コメント : 0 :

『今思えば・・・』



2002.10.11 model*千春

          ⌘

今思えば・・・
あれが大切な瞬間だったのです
薄い肌をすかして見せる清い血と
とろ〜りしたたる聖液の境目の
あるやなしやを考える悦びのなかで

今思えば・・・
あれが素敵な瞬間だったのです
ときめきにつづく無呼吸と
ぬる〜りまとわりつく乙女の匂いの
いざないの意味を考える悦びのなかで

乳房をさらす直前の君を撮って
乳房をさらした瞬間の君を無心に撮った
今思えば・・・幸福だった


          ⌘





 良い写真を撮ろうとするより、自分もその写真の中に確かに存在したという痕跡を残す方がより大切である。その痕跡はやがて深い思い出となる。やっかいなのは、そんな思い出の大切さに気づくのはずっとずっと時間が経過したあとだということだ。



          ⌘
         ⌘ ⌘
          ⌘


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<作品について>
 是政橋の下は僕の大好きな場所でここには僕の大切な思い出がある。ここへ来るたびにここで撮影した千春の美しい乳房がリアルに甦る。この2週間ほど前に中古カメラ店の店頭に並んだ黒いライカのなかで一番安いボディーを買った。そのとき店員がライカにおいては素人同然の僕に薦めたのは割と新しい型の黒いエルマーだ50mmだった。このレンズの最短撮影距離は70センチ。以後、僕は最短撮影距離1メートルのそうそうたる名レンズを使うことができないでいる。この30センチが僕にとっての生命線なのである。千春を撮ったこの日がライカデビューであった。したがって、現在でも僕はまだライカ歴たった11年にすぎない。Lica M4-P Elmer50mm Tri-X




2013-01-29 : 記憶 : コメント : 0 :

『115回写真塾の報告』・・・2013.1.27

            ☆

 今年初めての写真塾を新塾生2名を迎えて多摩川で開催しました。気温は低かったけれど、北側の堤防の土手の反射によって葦原はおもったより暖かかく、最後まで無事にやりとおすことができた。

 新塾生は、高橋くんとイムラくん。二人の機材は対象的だった。互いに自分の機材へのこだわりが感じられた。高橋くんは僕の古い作品集「ALL GIRL」の巻末の文章を読んでいて、そこに書いた脚立へのこだわりを実践し、コンパクトな脚立をバッグに入れて持って来ていたのだ。イムラくんはハッセル503+110mm/f2をゼロのジュラケースに入れて持って来た。何だか懐かしい機材だった。
 ベテランのナカジさんとあきもとさん。今回はカメラマンとして参加のジェマちゃん。そしてモデルの麻菜ちゃん。ご苦労様でした。



□この日撮った魚返の写真は後日発表します。
□写真塾への参加者を募集しています。







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2013-01-29 : 写真塾 : コメント : 0 :

『写真塾への誘い』

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2012.12.15*114th写真塾にて、model*麻菜+ジェマ


魚返一真写真塾へ参加してみませんか。写真が大好きな人が集まっています。技術論ばかりではなく自分らしい写真を撮るということを指導しています。その結果をグループ展で発表してはいかがでしょうか。


□魚返一真・写真塾はこちら→→
□第3回魚返一真グループ展『ALL GIRL 3』→→



2013-01-25 : 写真塾 : コメント : 0 :

『スナップが好き』・・・その2

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『だらだら坂の女の子』2011.3.25
  CONTAX RTS3 Planar50mm


            ☆

 スナップはこころを奪われた事実の長年に及ぶ記録だと思うようになった。その写真を撮った瞬間の自分の心情が残されているのだ。

 シャッターを押したとき、大切な写真を撮ったと実感するときがある。自分が何年もの間ずっと待っていた瞬間だとはっきりわかるときがある。

 例えば、そのシーンがどんなに平凡であろうと、後日他人がそのシーンの評価を拒むことが予想できたとしても、やはりシャッターを押すことがとても大切である。無垢な気持ちでカメラを持つ自分がそこにいる、それが嬉しい。

            ☆








2013-01-24 : スナップ : コメント : 0 :

『白い桔梗と白い乳房』・・・作品2


2012.9.26 model*美乃里


 花屋で白い桔梗の花束を作らせ、美乃里と川へやってきた。小雨模様の川は水の流れる音だけが止めどなく、それ以外のすべての音をかき消してやや緊迫した静寂感を作り出していた。美乃里のスカートの裾からこぼれ出たガーターベルトの黒と桔梗の花束の白との対比は厳かなものへの裏切りだった。美乃里は桔梗を水に沈め、そして空に向けて水しぶきをあおった。その度に雪のように白く美しい乳房をブラウスからさらりとこぼして見せたのだった。


          ⌘

 僕には美乃里のピュアな心が見えています。詩人が言ったとおり、牛乳の中の黒い蠅のようにはっきりと見えています。それは、お互いの記憶ファイルのIDとPasswordが奇跡的に一致して心が同期したからだと思います。

 美乃里と僕に共通しているのは、闇の中に邪悪を持っているところと、その幸福に対して誠実に接している点です。しかし、それを表現するとイメージは肥大化し歪曲して受け止められるかもしれません。それでも、僕はその幸福を撮りたいし、美乃里も同意すると考えています。

          ⌘

「胸の写真をアップして良いでしょうか」
「ええ」
「次の作品を考えているところです、イメージが完成したら連絡します」
「嬉しいです。こっそりお待ちしております」

          ⌘ 
         ⌘ ⌘
          ⌘



□美乃里の新作に期待する方は拍手をお願いいたします。
□なおこの作品の閲覧可能期間は一月末まで。その後はGalleryに移動します。



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2013-01-22 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :

『スナップが好き』・・・その1

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『メイク』
2006年8月、中野にて
ライカM4-P.エルマー90mm

            ※

スナップは眼の前に現れる突然のできごとに一瞬こころを奪われるその瞬間にシャッターを押せるかどうかで、そのとき確実に作業ができればなお良い。したがって、日頃から訓練しておかなくてはせっかくの出会いがあっても撮りそこなうだろう。

            ※

 今日、僕は渋谷のギャラリールデコまで7月の個展とグループ展の契約のために行く。
 久しぶりにライカにトライ-Xをつめた。スナップを撮るために。この一年間、あんなに撮っていたスナップからやや離れていた。理由はあるが、もったいなかった。皆さんも撮り続けてください。それ以外に写真を撮る意味を見つける方法はないのですから。では、行ってきます。
 ちなみに、今日は原点にもどってエルマー50mmを付けている。最近は盲目的にスナップには35mm(広角)ということになっているけれど、そうとも言いきれないものを感じるのです。

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2013-01-21 : スナップ : コメント : 0 :

『月刊カメラマン・2月号掲載』

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月刊カメラマンに僕の記事が載っています。記事は2ページで作品3カット。良かったら立読みしてください。(104頁と105頁)

□掲載作品のモデルは、華奈、たま子、よしみ、、


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2013-01-19 : ファンタジー2013 : コメント : 3 :

『冬の百合』・・・作品




2013.1.12 model*郁美

           ⁂

 ある厳かな記念日のために百合の花が届けられた。茎を無造作に切り落として安っぽい花瓶に野菊のように束にしてさした。部屋中に漂う香が僕の精神を何となく苛立たせていた。僕は百合の香が苦手だった。香の正体を確かめようと一輪を花瓶から抜いて机の上に置き顔を近づけてみるとどことなくグロテスクだった。花びらから順にバラバラにすると息苦しいほどに強く香った。そして花粉で汚れた指を見ながらなんだか虚しかった。

 葉が枯れ落ちたがらんどうの雑木林に来ている。郁美のもともと無垢な肌はさらに透明度を増し一年前に出会ったときより美しくなっていた。僕は誰に対するのかわからない方向性の定まらない嫉妬をした。家から持ち出した百合の花束を手渡すと郁美はそれを乳飲み子のように抱いた。花粉が郁美に着いてしまわないか心配だった。百合の香は郁美の美しい肌と良く調和し僕を遠ざけようとしているようだった。

「あさっては成人式だと言っていたね」
「はい、雪になるかもしれないそうです」

 カメラを向けた。やはり郁美の瞳は澄んだ茶色をしていた。その瞳はやがて潤んで両眼のふちから涙が流れ出した。本当に泣いている、と思った。これから先ずっと百合の匂いを嗅ぐとき郁美の涙を思い出すのだろう。

            ⁂


□モデル募集中






2013-01-18 : ファンタジー2013 : コメント : 0 :

『古いカメラの幻想』

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2006年西荻窪

            ⌘

 カメラを買う日の朝、恋の予感がする。朝の時点ではまだ恋の相手は決まっていない。中古カメラ屋へ行きショーウインドーの中を覗き込んで、たまたまその日に並んでいるカメラの中に相手がいるはずだ。カメラを買う、これ以上幸福な時間はない。

 人生において実際につき合う女の場合を考えたとしても、ごく限られた交友関係の中から女を選んでいるにすぎない。縁である他に何があるだろうか。カメラを買う時に欲しいものをとことん探すことはしない。ひょいと買う。出会いであり縁であるから。モデルも同じだ。とことん探しまわることはしない。

 他人の女は良く見える。他人の女と寝てしまえば憧れはある意味幻想だったことがわかる。現実にはそうはいかない。カメラの場合はそれが可能である。試すことができる。たくさんのカメラを試した。そこで得た結論。上達したければ、個性が欲しければ、自分を磨くしかない。

 しかし、古いカメラは僕の写真を深めてくれるかもしれないという甘味な幻想があって、小春日和の太陽のように冷えた心を暖めてくれる。僕はそれにすがるのが好きだ。だから僕は今日もショーウインドーの中の古めかしいカメラを覗き見しているのだ。


            ⌘


□古いカメラが必ずしも良いわけではありません。皆さん好きなカメラを長く使ってください。
□ここで言う古いカメラはそんなに古いわけではない。銀塩ではあるのだが。



2013-01-12 : コラム : コメント : 0 :

グループ展+個展日程

日程が以下のように変更になりました。

2013.7.23(火)〜7.28(日)

第3回グループ展『ALL GIRL 3』ルデコ3
第25回魚返一真個展『スカウト』ルデコ6


2013-01-11 : グループ展 : コメント : 0 :

『普通の女』(1)→(2)→(3)NEW!

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2006年、中央線・西荻窪駅


            ⁂

 すれ違いざまに女の横顔を眼で追う。瞬時に髪質を確かめる。耳の形状を細部まで見ることもある。振返り女の脹ら脛と足首のかたちを確かめる。それをごく自然に繰返す。毎日、来る日も来る日もである。すれ違う女のどこかに、自分への誘惑が潜んでいると思いたかった。
 その日も男は同じように誘惑を探していた。それが彼の生活の中で僅かな潤いであった。ただそれ以上のことではない、しかしそれ以下でも到底なかった。何故ならそれを20年続けている。さらにそういう日常的に行う不倫に精神は高揚している。
 
 ある日、男は女の顔をカメラで撮った。写真ができ上がると、見ず知らずの女の顔があった。美人ではないが、醜くもない。普通の顔だった。

            ⁂

『普通の女』(2)

             ⁂

 男は写真を裏側につっかえ棒のある小さな額に入れて机の上に置いた。曲がった喜びが冷たく口元を這うのがわかる。恥ずかしさも湧いてくる。その盗人のような羞恥は、女の外見が普通であることで増幅されていた。男にはそれがやがて甘ったるい別の感情に変化するかもしれないという身勝手な妄想があった。

 男は再びカメラを持って街へ出た。前より少し欲があった。机の上の普通の女より美しい女を撮ろうと思った。
 写真ができ上がると、見ず知らずの女の顔があった。女は美しかった。美しい女の写真を額に入れ机の上に置いた。しかし、男の喜びは小さかった。恥ずかしさもあまりない。なぜだろう。その理由は簡単だったが、ふたりの女の写真を机の上に並べて初めてわかるものでもあった。物事の最高潮がどこなのか、過ぎた記憶の中から時間を戻しながら検証するしかない、たったふたりの女の比較でさえ、そういうことだ。そして、男の選択は普通の女だった。
 男は美しい女の写真を引出しの中にしまいこんで、普通の女の写真だけを飾った。すると、心の中に喜びと羞恥が同時に湧いてきた。

 男は街へ出て女を探しはじめた。机の上の写真のように普通の女だ。


             ⁂


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2006年、中央線・荻窪駅

*-*-*-**-***-*-*-----*-*-*---------以下はあたらしくアップした部分

『普通の女』(3)NEW!

             ⁂

 男はカメラを持って普通の女を探しに行った。街にはファッショナブルな女が眼についたし美しい女も思いのほか多くいた。しかし、男が撮りたいような普通の女はなかなか見つからなかった。
 普段街を歩いているとき美人は明らかに少なかったはず、どこもかしこも普通の女ばかりだったではないか。それとも、それは錯覚だったのか。いざ普通の女を撮ろうとすると普通の女が見つからなかった。男は一日中普通の女を探しまわりやっとフィルム一本分の撮影ができた。

 写真ができ上がると、見ず知らずの女の顔があった。美人ではないが、醜くもない。どの女の顔も普通だった。その中から三人選んで額に入れ、すでにある一枚の普通の女の写真とともに都合四枚を机に並べた。男は喜びと同時にまとわりつくような恥ずかしさを感じた。男はその羞恥の中に真実のようなものがあると気づき始めていた。


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☆4カットとも2006年撮影(上から)中央総武線、西荻窪、中央総武線、吉祥寺。

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□写真は物語と関係があるかもしれないし無関係かもしれない。モデルの顔を普通であると表現している。受取られ方によっては不快かもしれない。だけど、僕は彼女たちを大好きだし目立って魅力的だと思うからこそシャッターを押したのだということを強く真摯に申し上げたい。
□男は僕かもしれないし、僕ではないのかもしれない。この話には続きがあるのだが・・・







2013-01-09 : 短編 : コメント : 0 :

『古めかしい写真』⇒『青林檎の告白』

            ♯

 僕の写真は古い。一方で若々しいと評されることもある。ともに事実だろうと思う。
 僕は少年時代に見たさまざまな艶などを写真に甦らせている。古い時代を思い起こし撮影するとき、やはり銀塩がてっとり早い。確実に古い時代が写っているからだ。ついでに言うと、デジイチを使わないのは、僕の作品を表現するには不便だから、それだけの話である。
 僕がカメラを持つ時、おそらく14才以前の精神状態であることは確実である。だから、僕の古い写真には若々しさも根底に流れている。それは必然だと考えられる。


            ♯



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 季節外れの青林檎を茶の紙袋から出すと青くて甘ずっぱいい匂いが周囲に漂った。それは青い性の匂いだった。moeは樹の根っこに座って青林檎を左手に持ち、右手に持った果物ナイフで丁寧に皮を剥きはじめた。皮を長くつなげて剥いてほしかったけど、なぜか「切れてもいいよ」と僕は言った。
 僕は草木の青い匂いに犯された町で育った。僕も青い性を内側に貯めていた。それはバラの棘が刺さった指先に膨らんだ血球のように今にも流れ出しそうな持て余しようだった。
 moeは頭が良くて真面目な子。胸は白くてほぼ手にした林檎を半分に切った大きさだった。青い性が彼女を放っておくはずはなかった。「この青林檎、どうする?」「頂いてもよろしいのでしょうか?」「もちろんいいよ」「では今日これから大学へ行ってから頂きます」賢さと謙虚さこそがmoeの魅力であり、そこへ青いエロスが見え隠れしていた。

『青林檎の告白』より
            ♯


□林檎の写真ですが良い具合にふるめかしい写真です。ついでに、2009.5.26に撮影した『青林檎の告白』の原稿に手を入れてみました。



2013-01-06 : 詩と写真と : コメント : 0 :

『公序良俗・その3』





あなたの言いつけどおり、わたしはここに立っています
雨に濡れても、この乳首が鳥の餌食になったとしても
わたしはここに立っています
栗鼠に耳を噛まれても、蛇に白い下着を食いちぎられたとしても、
あなたの言いつけどおり、わたしはここに立っています

でも、ひとつだけお願いがあります
写真だけは撮らないでください






        ⁂

 実際のところ、公序良俗に反するものお断り、という世間のキャンペーンと僕が写真を撮る意識には距離がある。つまり、僕は反するスタンスで写真を撮っている。文章や絵画などの芸術においては公序良俗に反する立場で表現することがある程度許されているが、写真の場合は違っている。写真はまだ芸術と言えない表現なのだろう。いずれにしても、僕の作品の中に公序良俗に反するエロスが静かに流れていることを願うばかりだ。

        ⁂


□写真塾に参加してください
写真塾では公序良俗に反する写真は撮れません。写真塾以外の場所で、あくまでも一人のカメラマンとしての立場で自らの責任において淫らな作品を撮って欲しいと考えています。写真塾に参加すれば塾中において妄想写真を撮れるということではありません。写真塾では、あくまでも技術をお教えしております。写真を一緒に楽しみ上達を考えている方の参加を心よりお待ち申し上げます。なお、本年夏開催する第3回グループ展の参加者も募集しています。
 




□めずらしくデジカメで撮った写真です。モノクロもあります。。

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2013-01-04 : 詩と写真と : コメント : 0 :

『公序良俗・その2』

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        ⁂

女子高生だね、ホテルだけど?
問題ないよ、触れてもいいけど撮らないで
撮ってもいいけど触れないで、じゃないの? 
おじちゃん、古いね、今はこっちなの


        ⁂


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 公序良俗には見えないばかりか動くラインがある。僕は表現者としていつもラインの外側にいる自分を意識しながら撮影している。『偏ってこそ作品』と言った人がいる。その偏りはラインを飛び越して、ずっと先の暗闇にまで達している。苦しみや哀しみ、そして喜び、エロス、どれだって偏ってしまえばラインの内側にはない。
 僕の作品はラインの内側にありそうに見えても決してそうではない。僕の心は闇を幸福なねぐらとしているからだ。できあがった作品はどれも公序良俗を踏み越えていることを暗示ししていなければならない。


          (つづく)



2013-01-03 : 詩と写真と : コメント : 0 :

『公序良俗・その1』

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        ⁂

わたしを撮らないでください
わたしは私生活を知られたくありません
あなたを撮らせてください
あなたの匂いの手がかりが欲しいのです

わたしを撮らないでください
わたしは白い下着を脱いでしまったから
あなたを撮らせてください
あなたの身体が香りたっているときに

わたしに触れないでください
わたしはあなたが怖いのです
決してあなたに触れはしません
僕だってあなたが怖いのです


        ⁂



*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=

 写真家にとって大切なことは何でしょうか。技術でしょうか。感受性でしょうか。愛でしょうか。エロスでしょうか。僕は勇気だと思うのですが。勇気とは正直になることではないでしょうか。タイトルを公序良俗としたのは長いあいだ僕の中で異を唱えて来た一節であるからです。それについて少し語れたらと思っています。


                      (つづく)









2013-01-03 : 詩と写真と : コメント : 0 :

『好きですか』

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恋をしたことがありますか
恋に恋したことがありますか
恋にやぶれたことがありますか
恋の苦しみを知っていますか

罪を犯したことがありますか
女を犯したことがありますか
男を犯したことがありますか
近親を犯したことがありますか

秘密の女がいますか
秘密の男がいますか
秘密の生活がありますか
秘密の掟を知っていますか

古いカメラが好きですか
古いカメラを持っていますか
古い心を持っていますか
恋と罪と秘密を撮りましょうか



*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=

平成25年1月1日
妄想写真家・魚返一真



2013-01-01 : 詩と写真と : コメント : 0 :
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プロフィール

ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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