25th個展+3thグループ展の告知

個展とグループ展の紹介記事について、、
各カメラ誌にパブ掲載依頼を送付しました。さっそく月刊フォトコン誌より、個展とグループ展の両方を写真入りで掲載していただけるとのメールを頂きました。他誌につきましては、発売日(7/20)にご確認ください。

『告白』⇒⇒こちら
25th個展DM裏-写真面

『ALL GIRL.3』⇒⇒こちら
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2013-06-29 : 25th個展へ : コメント : 0 :

『ホタル』・・・撮影報告

2013.6.25 model*たま子


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 午後のにわか雨は予報に反して強く降った。僕たちが歩いている未舗装の道にはあちこちに水たまりができていた。たま子はかかとの低いシャレた空色の靴を濡らさないように蛇行して歩いた。東屋へ辿りつき二人並んで座った。時計見ると5時55分だった。「十分後に撮影をはじめよう」と言ったのは僕が少し息を整えたかったからと、もう少し暗くなるのを待つためだっだ。
 たま子に撮影の準備をするように言うと、たっぷりした薄い上着の袖を脱いで肩掛けにした。最初に地味な色合いの花柄の夏のロングワンピースの上着部分を腰まで下げて、タンクトップを脱ぎブラジャーを外した。僕はカバンから虫除けスプレーを出し、たま子の上着を開いて乳房に吹きかけた。
 陽が西の雲に隠れるとあたりの明るさが静かに落ちはじめた。湿った冷たい風が吹き抜けて行った瞬間に僕の心の中をよぎったのは、ホタルだった。少年時代、夏が来る前の湿った時期に僕の家の回りをホタルが飛んでいた。

 僕とたま子は川沿いに立っているモチ科の大木の下に移った。その場所は、ちょうどたま子の身体を覆うように葉っぱが垂れていた。僕が合図すると、たま子は上着を脱ぎ捨てた。シャッターを押す度にストロボが光ると、たま子の幼い乳首がホタルの光にように見えたのだった。

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              †
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□タイトルを『梅雨の思い出』から『ホタル』に変更しました。。。



2013-06-26 : ファンタジー2013 : コメント : 0 :

『優子』・・・懐古


1995.12 model*優子

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 どんなふうに16才の優子と出会ったのか確かなことは憶えていない。母親と連れ立って新宿駅南口にやってきたのが初対面だったと思う。品があっておとなしくて、静かな立ち姿からお嬢様と呼ぶようになった。

 撮影の日、優子は六本木アートセンター・スタジオに制服姿で現れた。ストロボセットをロバート・メイプルソープ調にセッティングし、フローリングの立ち位置に黒いパーマセルテープでマーキングした。そこへ優子の両足のつま先を誘導した。    

「脱げる?」
「えっと・・・」
「ブラまででいいよ」
「あっ、はい」

 僕は下着姿の優子を抱きしめた。

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□この作品は1996年三月に開催した個展『who’s Love』で発表。7月開催の25th個展でも再展示の予定。
25th個展DM裏-写真面



2013-06-22 : 25th個展へ : コメント : 0 :

『野草』・・・作品




2013.6.9 model*みや

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 この子と出会ったのは去年の今頃だった。ミニスカートからあふれんばかりの真っ白い太ももが眼をひき、まだ恋の経験など浅そうな直線的な眼差しと健康な青年を待つ柔らかい潔白な唇が印象的だった。地面に密かに咲いた野草の花を見つけた時のように、僕はこの子をそっとしておこうと思った。

 この子の美しさを言葉にすると危うさが生まれる。無理をせず、伝えようとせず、そっとしておけば良い。それがお互いの幸せにつながっていることはわかる。でも、彼女の美しさに触れないでいると、言葉はどんどん胸の内に溜まって別の意味を持ちそうになる。思い切って「君、美しいね」と言って手を差し伸べた瞬間に、止めておけば良かったと後悔がやってきた。そして、もう後戻りはできない。

 野に咲く野草は健やかである。それほど目立つことはなく、ひっそりと季節を彩っている。ある詩によると野草は、『手折られた時から型を失ひ決してもとのすがたをとどめない』ものらしい。美しさとは何と排他的だろう。

 この子を大木の下の草むらに寝かせると、梅雨の中休みに照らす蒸れた光が彼女の全身を刺した。ミニスカートから溢れた太ももにできた葉影の模様が僕の心をざわつかせた。僕は、右手に虫眼鏡を握らせ左手で服の胸元を下げるように言った。このポーズの理由は遠い少年時代の思い出の中にある。

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              ⁂



□この作品は2013.6.9に開催した127th写真塾にて撮影させて頂きました。。
□第3回グループ展が開催されます。
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2013-06-16 : ファンタジー2013 : コメント : 2 : トラックバック : 0 :

『地球儀とセーラー服の物語』・・・作品


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2013.6.6 model*ジェマ

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 今日の鎌倉は梅雨の中休みで海の匂いが溶け込んだ湿った風が南から吹いている。浜に出ると海の家の立付けが一斉に始まっていた。僕は1977年梅雨の伊豆七島・式根島のことを思い出していた。僕と去年死んだノブはその年の6月に島へ渡り小さな自動車整備工場の敷地にディスコとビアガーデンを作り始めた。7月後半、ついに完成したころ東京からたくさんの女の子が島へ遊びにやってきた。僕たちは女の子たちと遊んだ。しかし、いくら遊んでも何か満たされなかったばかりか、そばに女の子がいるだけで傷つくことさえあった。その頃の僕は、ただ清純な女の子と風のように爽やかなキスをしたいだけだった。

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 女の子は夏のセーラー服を品良く着こなしている。そのセーラー服は、灰色の襟に紺色の二本線が入り、シルバーグレーのリボンを胸元の布の通しにくぐらせている。スカートは車24ヒダで紺色だった。セーラーにありがちな、紺色の襟に白い三本線の定番ではなく、質素で厳かな感じがした。このセーラー服が似合う子はそうはいない。しかし、この女の子が着ると自然に美しく、まるで彼女のために特別にデザインされたプレタポルテのようだった。そして、美しい女子高生は地球儀を手にしていた。

 地球儀は傷ついていた。地図の部分が剥がれ落ちもはや日本さえも存在していない。だけど、地球儀は今この浜辺に立っている。そう、地球儀は僕である。

                ⁂

 僕と女の子は砂浜にゴザを敷いて並んで座った。二人とも同じ言葉が堂々巡りしていた。海を見ながら流れる僕と彼女の思惑の違うその時間がとても幸福だった。もし、彼女ともっと心を通わせることができたなら、そして僕がコンプレックスを持たない17才の少年だとしたら、海を背に彼女に風のように爽やかにキスをするのだが・・・。


 波がゴザの前まで寄せて来たとき僕たちは立ち上がり握手をして、海に、そしてお互いに、さよならを告げた。

 

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□7月開催の個展では別カットを展示する可能性があります。
25th個展DM裏-写真面



2013-06-15 : ファンタジー2013 : コメント : 0 :

25th個展『告白』


25th個展DM裏-写真面


                    ⁂

少年時代のある時期、僕の心は女子への屈折した想いに拘束されていた。その息苦しさに寄り添うように青い快感が芽生え始めていた。それがエロスとの出会いだった。女性を撮って21年、彼女たちの内面を撮ると同時に少年時代に夢想したエロスを告白しつづけている。

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□個展のタイトルを『スカウト』から『告白』へ変更し展示作品も大幅に入れ替えました。
□『告白』
2013.7.23(火)〜7/28(日)
am11:30〜pm18:00(最終日は16:00まで)
注意=同時開催する第3回グループ展『ALL GIRL.3』と開館時間が異なります。
ギャラリー・ルデコ6






2013-06-02 : 25th個展へ : コメント : 0 :

『僕のメルヘン』・・・作品





2013.5.2 model*たま子

               †

 毎年五月五日に、僕が生まれた町では『日本童話祭』がおこなわれていた。町中の人がこの祭にたずさわり、子供たちも何らかの役割のためにかり出された。しかし、僕は役割から逃れ、屋根にのぼり瓦の上に干した布団の上で日光を浴びながら少女について妄想していた。その時、僕の身体の中ではメルヘンとエロスは撹拌され混じり合っていたのだ。

 僕の家に柱時計があった。十五年前に友人にプレゼントされたもので、時計の文字盤にはメルヘン調の装飾が施されていて、人間はメルヘン的に生きることが幸福だ、と言いたげな造りであった。その時計が突然壁から落下しこなごなに壊れた。

               †

 今日は五月晴れである。処女のたま子を、例の銀行の支店長家族が住んでいた洋館の中庭に似た場所に座らせ、たま子の股間にこなごなに壊れたメルヘン調の柱時計を置いた。それは、日本童話祭の日に屋根の上で起こったメルヘンとエロスの混在だった。僕は彼女と向き合ってカメラを構え直射日光を浴びた彼女の丸い乳房をじっと眺めていた。

               †
              †††
               †


□個展では別カットを展示予定。
□その日本童話祭だが、この小さな町だけが盛り上がっているにすぎないことがずっと後に東京から祭りを眺めてわかった。僕はその虚しい事実を知ってから、むしろ小さな町ができうる最大の営みの尊さを知り、何の手伝いもしなかった自分を恥じた。





2013-06-01 : ファンタジー2013 : コメント : 0 :
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ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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