『スカウト放浪記 NO.5』


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『夕方』1999.9.2 model*kazuyo(シネマガールより)

「すいません、モデルになってください」
「でも、時間がないんです。それに苦手だから」
「すぐに終わります」
「じゃあ、恥ずかしいから誰もいないところで」
 僕も彼女も二人とも撮影が恥ずかしいと思っているのが何だか良かった。

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□Point〜カメラをぶら下げてスカウトしない
※これは僕の場合だから、これがスカウトのコツだとは言えない

 僕は女性の写真を撮っていることを恥ずかしいと思っている。(説明省く)したがって、スカウトとは初対面の他人に恥ずかしいことのお付き合いをお願いしていることになる。せめて、最初の瞬間は普通の出会いを装いたいと切実に思っている。だから、カメラをちらつかせるなんてもってのほかということになる。もちろん、これは僕の場合です。

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2014-03-30 : スカウト放浪記 : コメント : 0 :

『赤い薔薇』・・・撮影報告


○作品はGalleryにてごらんください⇒⇒こちら

2014.3.15 model*郁美

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 郁美の肩越しに彼女の胸元へむけて春光が射している。彼女が握った薔薇をその柔らかい光線にかざすと、何枚かの花びらは朱色に透けて花全体を印象画のように萌たたせた。その薔薇の背景は郁美の白い肌であった。

 郁美と出会ったのは二年前の冬。女の子が集まる雑貨屋のコスメコーナーだったと記憶する。清純で無垢なところに惹かれて迷うことなく声をかけた。郁美をモデルに撮った最初の作品は『Happiness』、無垢なモノクロ作品だった。

 今ファインダーの中の一輪の薔薇をさらに赤く見せているのは郁美の白い肌との対比である。茶色の瞳のもの言わぬ奥深さは薔薇をモチーフにした作品が時として陥る派手さを抑え、さらに美しくカールさせたロングヘアーは画面を魅惑的にしている。ああ、郁美はなんという美しい女に成長したのだろう。今の郁美の美しさにはもはや薔薇とてかなわない。


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2014-03-21 : 26th個展へ : コメント : 2 :

『スカウト放浪記 NO.4』



1994.3 model*mizuho〜スカウトしたのは春休みの新宿だった。「高校生?」「ええ、半分そうです」「お家はどこ?」「○○県です」彼女は四月から東京の大学へ通うらしい。


□Point〜妄想させる女の子を見つける

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 あるカメラマンが美人を美人に撮った、セクシーな子をセクシーに撮った、いかにも露出してくれそうな子が脱いだところを撮ったとしよう。なるほどと思う。しかし、出会いの難しさはさておき、それは誰にでも撮れるばかりか、そんなありきたりな写真は嘘っぽく、画面に女の子のしたたかな罠にはまった哀れさが漂う。
 作品には事実の裏付けと意外性が大事である。つまり、平凡な女の子だけどとても美人に撮れた、地味な子だけどエロチックに撮れた、保守的な子だけど露出した写真が撮れた、などの写真は、モデルの素顔と撮る側の妄想が重なり合って、その写真は観る側に何らかの想像をかき立てるに違いない。僕の場合は、これらの写真は作品に近いと考えている。

 とびきり可愛くも美人でもなく、まったく脱ぎそうもない。しかし、妄想させる女の子は秀逸なモデルである。




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2014-03-21 : スカウト放浪記 : コメント : 0 :

『スカウト放浪記 NO.3』


□Point〜同じ場所でスカウトする

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 スカウトは僕の生活の一部だから、場所は日常からかけ離れた場所でない方が良い。僕はほとんど同じ場所でスカウトしている。買い物に行くお店の店内をぐるりと一回りするだけというスカウトもある。
 例えば華やかな場所へでかけてスカウトする場合、僕はこの場所に馴染んでいるだろうか、と不安になる。そんな自分を見た女の子がモデルを承諾する確率は極めて低い。スカウトの成否は縁だと考えているから、たとえどんなに女の子がたくさんいる場所に行こうとやすやすと相思相愛のモデルに出会えるものではない。
 少年時代に川釣りに夢中になった時期がある。毎日川に行った。僕の釣り場はいつも同じ場所だった。そこは良く釣れる場所ではなかったが、その場所で釣り糸を垂れる時間は心が休まって好きだった。同じ場所に通い詰めると、何となく釣れる時間やタイミングがあることに気づいた。
 
 僕は同じ場所でスカウトをし続けた。すると、それぞれの場所には出会える時間やタイミングあることがわかった。


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2014-03-18 : スカウト放浪記 : コメント : 0 :

『スカウト放浪記 NO.2』


1992.9.27model*Kumiko*中野にて

□Point〜女の子はピンポイントの魅力で選べ
 どこがその子の魅力なのか、それを理解していれば作品にしやすい。僕はモデルをスカウトする時、女の子のどこを撮りたいのかを常に考えている。今回はロングヘアーが彼女の魅力だった。しかし、撮影現場に現れた彼女はショートヘアに!

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 僕はとにかく素人の女の子を撮りたかった。そのためにはスカウトするしかないと考えていた。(以下省略)

 雑誌カメラマンはとても忙しい。仕事の打診を受けたら打ち合せのために出版社の編集部へ。そして現場へ行き撮影し、その足でラボへ向いフィルム現像を依頼する。でき上がったころ再びラボに戻りフィルムを受け取りチェックを入れる。チェック済のフィルムを持って編集部へ。編集者とフィルムを見てOKカットを切り出してネガ袋に入れたり、ホルダーにはめ込んだりする。最後に経費とギャラの請求書を書く。通常、雑誌カメラマンは複数の雑誌から撮影依頼を受けているから、時間差でこれらの行程をこなさなくてはならないので非常に多忙だ。もし、時間に余裕があるとしたら、そのカメラマンは食べて行けない。僕は心身ともにボロボロの状態で、半ばスカウトをあきらめていた。(銀塩写真しかない1992年当時の話です)
 その日は音羽にある大手出版社の若者雑誌の編集部での打ち合せの帰りだった。車で帰る途中、ちょうど目白駅を過ぎたところ、左側の歩道を歩くロングヘアーの女の子を見つけた。道が少し渋滞していたから何度か彼女を追い越しては止まり、今度は彼女が僕の車の横を通り過ぎた。おかげで僕は何度か彼女の横顔を見ることができた。雰囲気が南沙織に似ている。僕は彼女のお尻まで届いているロングヘアーをとても気に入った。僕は車を測道に停めて、すぐに彼女の方へ走った。

「あの、モデルになってください。写真を撮らせてください」
「私を?」
「そう、君のそのロングヘアー、美しいですね。是非撮らせてください」
「撮って、それをどうするんですか?」
「いつか個展を開きたいんです」
「今までに撮った写真があったら見せてくれませんか?」
「それが、まだ一人も撮っていません。今日初めてスカウトをしたんです。きっと個展を開きます。お願いします。モデルになってください」

 僕は彼女の電話番号を聞くことができた。後日、彼女と会って写真を撮ることもできた。作品第一号だ。ただし、彼女はあの美しいロングヘアーをバッサリと切ってしまっていた。それが残念でならない。



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□この文章は2009-10-23 : 懐古編『フルーツスカウト』を引用した。
□連載『スカウトの極意を教えます』は『スカウト放浪記』と名称を変更しました。




2014-03-13 : スカウト放浪記 : コメント : 4 :

『スカウト放浪記 NO.1』

無題10 のコピー
2008年6月21日、高円寺駅ホームにて

                ⁂

 街を歩く。当たり前の美女には眼もくれず、ただ心の中にある飢えと渇望を信じて運命の女と出会う瞬間を待ちつづけている。そして、数日いや何ヶ月かたったある午後に街を歩き彷徨っているとついに女とであう。
 その女は、裏通りにある洒落た衣料品店の飾り窓を覗き込んでいるところだったり、夥しい数の不思議な小物で埋め尽くされた雑貨屋の迷路のように入り組んだ不気味な店内だったり、コスメ店でメイク道具を片っ端から試している最中だったり、今まさに電車に乗る直前だったりする。そして、僕はその女たちの横顔を観察したあとこう切り出す。

「あの、あなたにお願いがあるのです」
「えっ?なんでしょうか」
「モデルになって頂けないでしょうか」

 と言ったところで、実はもう結果は決まっているのである。二十二年間、僕はスカウトをくり返してきた。今、その一部を語ろうと思う。


                ⁂



□『スカウト放浪記』はシリーズのつもりだが気分次第でどうなるかわからない。ただ、皆さんが僕にもっとも尋ねたがっていることの一つだからできるだけ書こうと思う。質問があればコメントしてください。できるかぎりお答えするつもりです。






2014-03-10 : スカウト放浪記 : コメント : 0 :

『DM案NO.3』〜26th個展へ向けて


26回案3





□DM案NO.3(3/8ヴァージョン)






2014-03-08 : 26th個展へ : コメント : 0 :

『DM案NO.2』〜26th個展へ向けて


26回DM案3_03



□DM案NO.2(3/7ヴァージョン)




2014-03-07 : 26th個展へ : コメント : 2 :

『DM案NO.1』〜26th個展へ向けて

26thDM案01_03

□DM案NO.1(3/5ヴァージョン)


 3月になった。個展はまだまだ先のことだと考えていたが、数えてみると四ヶ月しかない。さっそく今日はポストカードのデザインを考えることにした。

 皆さんのご意見を伺わせてください。よろしければコメント欄にどうぞ。。




□26th個展は、2014.7.22tue〜27sun
□4thグループ展も同時開催
□中島和久氏の1st写真展も同時開催







2014-03-05 : 26th個展へ : コメント : 1 :

『One note samba』8/8





『One note samba』最終章(メインカット)8/8は、ネットでの公開ができません。アザーで対応しようと考えていましたが諸事情から断念いたしました。なお、7月に開催する個展では必ず展示いたします。皆様のご来場を切にお待ちしています。




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2014-03-01 : 26th個展へ : コメント : 0 :
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ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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