『花びらの冷凍保存』



○作品はGalleryにてごらんください⇒⇒こちら


2014.4.17 model*たま子

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 ひさかたに光がのどかに射し込んだ春の日に、あの寒緋桜は静かに花を散らした。僕はその赤い小さな花を集めて透明な瓶の中へ入れて冷凍保存した。道ばたに立っている寒緋桜の下でたま子の乳首を見たのは去年の今頃だった。寒緋桜の赤い花を見たとき、その初々しく美しい乳房の記憶は甦り、乳首への激しい思慕から衝動的に花びらを保存しようと考えたのである。

 たま子を連れて葉桜となった寒緋桜の下へやってきた。僕は冷凍保存した赤い花が入ったガラス瓶を手にし、たま子の身体にこの花を散りばめてしまいたいと考えた。たま子は、姫踊り子草とオオイヌノフグリの群生の中に仰向けになって、下着を下げ下腹部を出した。僕はその上に凍った寒緋桜を散りばめたが下腹部のすべてを隠しきれなかった。一年前のたま子と大きく二つ違っていた。その一つは、三つ編の髪がなくなってしまったこと。。。


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 心にある桜を嫌う気持ちについて、この国に生まれた人の心の中に生きる草花への思いは深く、たとえそれを拒絶してもそれもまた風土への愛なのだという思いに至った。



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□個展では別カットを展示します。ここに掲示した写真は彼女の陰部にカンヒザクラを散らす前のカットだからです。。


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『緋寒桜の散る道ばた』・・・2013.3.29〜その一//2013.3.29 model*たま子
今回撮影した『花の散るらん』と合わせて2年越しの作品(組写真)となりました。ただし、個展では別カットを展示いたします。。

20130329tamako004-1_edited-4.jpg




2014-04-29 : 26th個展へ : コメント : 0 :

『復讐のエロス』



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 女たちを美しく魅力的に撮ることに命を燃やしている。それが私・妄想写真家の真実である。私はそのことを疑ったことなど一瞬たりともなかった。
 ある本を読んだ。それは禁断の物語である。早朝、まだ人々が寝静まる暁の時間にこの本の核心部分にさしかかった。その章を読み終えた私は、自分の心をもう一人の自分が見透かす事態に遭遇したのである。
 14才の私に降りたエロスの啓示は奥深く美しく微妙な屈折を伴っていた。その古い想い出を慈しむがごとく長年にわたって女たちに敬意はらいながらエロスを撮影してきたことは事実である。しかし、私が気づかされたもう一つの逆説的な真実は思いもよらぬことだった。それを言葉にするならば『復讐』であろう。私は私の青春に復讐しているのかもしれない。そう思った時、私のどこか不毛な作風の理由が私の心のまん中で暴かれたような気がした。

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2014-04-29 : コラム : コメント : 0 :

『eriと春風』

2014.4.16 13:50頃。。

 急いで自宅に戻ってフランス詩人の詩集を探しまわった。理由は、ある詩の一節を連想させる娘に会ったからだ。
 その娘は春のそよ風にのってサンロードを僕とは反対の方からやってきて、すれ違い、そして通り過ぎた。細いマリンブルーのごく細いストライプが入った洗いざらしの綿のブラウスと風になびく濃紺のフレアロングが良く似合い、彼女の清楚な顔立ちと完全にマッチしていた。その光景は詩の一節を思わずにはいられなかった。しかし、その詩が何だったのか思い出せない。
 この娘を撮ること、僕にとってそれだけが今年の初夏にやっておかなければならないことだと思う。



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2014-04-16 : スカウト : コメント : 0 :

4Thグループ展『ALL GIRL.4』・展示スペース

グループ展の展示スペースを抽選で決定しました。
4/13(日) ナカジ、秋元、ジェマ、うっちぃの四名によって厳正に抽選させて頂きました。
どうぞよろしくお願いします。

□展示スペースは⇒⇒こちらです。







2014-04-16 : グループ展 : コメント : 0 :

『Spring blooming/春爛漫』


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2014.4.9 model*れいな

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 僕たちがやってきた場所は一面春の花が咲いていた。もう夕方に近いその時間は花びらと新緑が夕日に透かして黄色く見えて異国情緒があった。

 女は背が高く白い足は伸びやかでノーメイクの顔と相まって健康的な眩しさを醸していた。それが女の真実を物語っているのかはわからない。しかし、そうあって欲しいという僕の願いと合致していたことは確かだった。

 小木の密生に囲まれた場所に女をうながすと、赤い表紙の分厚い本を抱えて身を屈めると夥しい数の白い花の中に座った。白い花はユキヤナギだった。

 女は欧羅巴の名も知れぬ農村に暮らす夢追人みたいに、将来への漠然とした希望へ向かう心のじれったさを、ファンタジーを書いた本を繰返し読む事で紛らしているかのようだった。

「乳房を見せてくれない?」
「でも撮らないでください」
「下着、脱いでくれない?」
「でも撮らないでください」
「僕が撮りたいのは、あなたの根底に流れる品です。その品を写真にするために、あなたはせめて乱れた自分を演じる必要があります。その相対的な刹那に品は妖艶さとともに半透明ほどに現れてくるのです」

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□170回写真塾(4/20日)のモデルはれいなさんです。是非参加してください。













2014-04-15 : 26th個展へ : コメント : 0 :

『ガキ』


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2014.3.16 東京郊外にて

 春が遠いある休日の午後。めちゃめちゃ楽しそうな少年たちの声がかんに障った。僕はこの三月中ほぼ毎日いらだっていたから当然のことだ。僕は昔から子供が嫌いだ。なのに、逆に子供に気に入られて追い回されることが度々あった。少年と僕はそんなアンバランスな関係なのだ。
 声の方を見ると手引きの荷物用カートに乗ったガキたちがやってくる。ああ、ここにジェマちゃんがいたらなあと思った。この被写体には穏やかな彼女の作品の中に納まるべき清潔感と歓びがそこにあるではないか。僕が撮るべき被写体ではないと思いながら首からぶら下げたライカを構える。
 やがて僕の前を通りすぎる少年たち。なぜ君たちは僕に対してそんな嬉しそうな顔をするんだ。やめろ、クソガキ!とつぶやくと、少年たちも同じように思っているらしく、僕と彼らはコラボしてしまった。
 
「おれはガキが嫌いなんだ、あっち行け!」
「オジさんこそあっち行け!あっかんべ〜」
「何だと!クソガキ・・・」
「ぎゃっ、オジさんおっかねえぞ、逃げろ!」

 
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 実はこの写真『ガキ』は撮ったことさえ忘れていたのだが、数日前に観たキャパの写真展を観ている最中に思い出した。薄暗い照明で展示されていたツールドフランスを観る少年たちの写真の前に立った時だった。ただ少年たちがメインのスナップであること以外、僕が撮った『ガキ』と特に似ているわけではない。そもそもチケットの写真を観た時に触発されそうなものだが、本物のプリントを観るまで、僕の写真を思い出すことはなかった。それほど、オリジナルプリントには訴える力があることを再認識した。
 過去に撮ったスナップもあるきっかけが訪れて思い出すかもしれない。従って、常々心に響く感情を写真にすることが大事だと痛感した。ちなみに『ガキ』を撮った時の感情は「クソガキ!」だった。







2014-04-13 : スナップ : コメント : 3 :

『花びらは儚く』


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2014.4.4 model*美乃里


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 桜が散る時、彷徨人のために書かれたような哀愁に満ちたメロディーが僕の毛細血管を締めつける。その曲はミシェル・ルグランの『おもいでの夏』に似ていて沈痛だった。桜は僕にとって遠い昔の辛い物語の象徴の一つでしかない。桜が散るということは終わりではなく実はそれが始まり。そんな桜に宿命づけられた前向きな解釈が僕を脅迫する。それは昔も今も同じだ。

 2014年4月4日、14時44分44秒。白いワンピースの女は下着を脱ぎ捨てた。女は朽ちかけた桜の古木の根元に座った。風が長い髪をかき乱しスカートの裾をひるがえして陰部を露出させた。その風の中で僕の心によぎったイメージは陰湿だった。

 女は妖艶である。そこへ品の良い言葉遣いが相まって罪の香を醸し出す。去年のこの季節にこの女を撮った。その日も桜が満開だった。その写真には何かしら罪深いものが流れていて、僕とこの女が共犯者になったことを表していた。

 ここへ来る途中に出会ったソメイヨシノの大木の下で、僕たちは散ったばかりの花びらを掻き集めてガラス瓶に詰めた。その瓶から花びらを出して一塊を握ってみた。すると、しっとりしていて女の乳房を鷲掴みにしているような感じがした。

「君も花びらを掌に載せてごらん」

 桜は雪のように風に舞い乳房や股間の上に儚く散った。


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□露出のあるカットは個展にて展示いたします。。。






2014-04-11 : 26th個展へ : コメント : 0 :
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ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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