『個展まで3ヶ月』



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 もう個展まで3ヶ月を切って準備など気になるなかでこつこつ本を読んでいる。生きている間にどれくらい読めるだろうかと考えると読まずにはいられない。

 もちろん僕は読書だけでなく写真も撮っている。撮影は平均すると週に一度だろうか。以前は個展が近づくとがむしゃらに撮っていたが、いまは本当に撮りたいものに絞っている。しかし自分を満足させようとするとハードルは上がり生みの苦しみは増している。

 そこで納得できる作品のみ展示しようと考え始めた。これまでは撮り直しはしないと決めて撮影してきたが最近2作品の撮り直しを決めた。これからは未発表に終わる写真も多くなるだろう。モデルには申し訳なく思う。

 9月の個展では僕が本当に納得できる作品のみ展示する。古いファンのみならず初めてご覧になる人にもきっと満足していただけるはずです。あとは個展のタイトルが決まればポストカードも作るのだが・・・。

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2015-06-29 : 27th個展へ向けて : コメント : 0 :

『くさむらの夢』



2015.6.17 model*薫

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 僕たちは雲行きのあやしい空に覆われた野を歩いた。目的の場所は僕が棺桶と名づけた不思議な草むらである。今朝の僕はどうも虚しかった。撮影場所を予定していた川から棺桶のある草原に変更したのもその虚しさと無関係ではない。VEEDON FLEECE。作者さえその本当の意味を語ろうとしない言葉が心の中で繰返される。やがて棺桶の前に立った。薫を虫けらのように扱ってみたい、などとできないくせにそう思う。

「目隠しをされた薫はこの棺桶の中にうつ伏せに這いつくばり通りすがりの男にパンツを脱がされる」
「はい、わたしは通りすがりの男にパンツを脱がされます」
「そして薫はせんせいの本を読む」
「はい、パンツを脱がされたわたしは目隠しをされたまませんせいの本を読みます」

 棺桶のような型に群生した草むらに唐突に露出した尻が筋肉質で見事だった。あやしい空の下に横たわる棺桶の上の出来事はいつか見た悪い夢のつづきみたいだ。

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□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。
□27th個展にて展示。


2015-06-18 : 27th個展へ向けて : コメント : 0 :

『昭和の青空娘』・・・撮影報告



2015.6.13 model*郁美+夏子



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 あの頃、病気がちの僕でさえ生き生きとしていた。なぜならこの国ははつらつとしていて時代そのものが青春のまっただ中にあったからだ。ぼくの中に芽生えた青いエロスは時代が醸し出す性欲の洗礼のたまものだったに違いない。そして、あの頃とは昭和三十年代のことである。

 ぼくが受けた刺激のひとつが平凡や明星という芸能雑誌からのものだった。小学生のぼくがそれらを見たのは、母の実家である農家の擦れた畳が敷かれた暗い六畳間で、雑誌の所有者は当時女子高生の従姉だった。表紙は決まって笑顔の男女のスタアで、本編もすべてスタアの写真や記事だった。ぼくは心がむずむずしていた。何と、キレイな女の脚が写っているだけで興奮したのだ。

 それらの記憶を呼び覚ましたのは、映画スタアの若尾文子が主演した映画『青空娘』のポスタアを見たからだ。白い七分袖のブラウスと赤い膝下丈のフレアスカートを着た若尾文子は青空に向かって立っている、それだけの絵柄。それなのに、すでにぼくは欲情の前戯へと導かれていた。すると、ぼくは若尾文子の白いパンツを見たいという欲望を感じたのだ。そう、結局パンチラなのである。

 ぼくは若尾文子のパンチラを撮ろうと決めた。もちろん若尾文子役は代役をたてざるをえない。若尾文子のスカートを持ち上げてパンチラ状態を作るのは、もうひとりの清純な昭和娘だ。ついでに、この娘もパンチラにしてしまおうと考えた。

 多摩川の土手に二人のレトロな女を連れてやってきた。さて、若尾文子役の女は新調した白いブラウスに赤いフレアスカートを着ている。清純娘も同じく新調した白いブラウスと紺のスカート姿。若尾文子役の女はこれ以上色白の日本人はいないと思うほど肌が艶やかで、丸い手鏡を持たせると昭和の女になった。清純娘はやや小麦色でその健康的な手に小説『夏子の冒険』をもたせると、娘は偶然にもそれを読んだことがあり、とても好きな小説だと言ったことに少し驚いたが、小説談義でせっかくのパンチラへの欲望がそがれるのを恐れ構わず撮影に入る。

 ふたりは寄り添うように土手に立ち、互いのスカートの裾を鷲掴みにして持ち上げるとパンチラになった。もちろんふたりともパンツは白だ。ついに、念願だった若尾文子のパンチラを撮影した悦びに浸っていると、ぼくの汗だくの顔に夏のような日ざしがさしてきた。「ありがとう!」とこの世のすべてに感謝したのだった。

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「露出過多と思われるこの頃のポートレートだが、さらに露出に対してあからさまである海外への扉を開こうとしている最中に出会った、若尾文子のポスタアに疼いた正直な気持を表現しました。この作品を同じ時代に少年時代を送ったすべての男たちに捧げたいと思います。」

 






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□27th個展にて展示。






2015-06-14 : 27th個展へ向けて : コメント : 0 :

『砂に埋めた昭和』・・・撮影終了



2015.6.5 model*久美子

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 浜辺に古い柱時計を運ぼう。そして園芸用のシャベルで穴を掘り、そのくぼみに時計を半分埋めるのだ。その行為には確たる理由はなく、強いて言えば自分たちが生きた昭和の埋葬ということだろうか。時計を埋めるのは清純な女でなくてはならない。女優に例えれば、本間千代子や尾崎奈々のような女が良いと思うのだが。

 海はとても穏やかで空はどんよりと曇っていた。波打ち際の水を含んだ砂浜は一面が鏡のようになって灰色一色の空を静かに映していた。女は白い半袖のブラウスと赤いフレアスカートを着て髪には白いカチューシャをつけ、ある典型的な昭和の女を演じている。しゃがみこむと、波がひいたばかりでまだ海水のはけきらない地面をシャベルで掘り始めた。スカートをまくり太ももの奥に白い下着を見せても女は構わず穴を掘り続けた。僕はただただその美しい光景に見とれるばかりだった。

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2015-06-05 : 27th個展へ向けて : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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