『ススキ』


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2016.11.16 model*詠子

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 僕がたぶん中1の頃だった。十一月になると僕の住む山間部の町は黄色く色づいた。その黄色の何割りかはススキによるものだった。ちょうど今日みたいな晩秋。そのススキの季節にラジオで聴いた『夕月』は僕にとって秋の味。

 僕の第二スタジオは河川敷に茂ったススキに囲まれた一画にある。四方を背丈3メートルもあるススキに囲まれた場所である。そこへ詠子を連れて来た。詠子は着物を着ていた。それは落ちついた着こなしではない。つまり、授業参観に行くための母親のような保守的な着こなしではなく、どこか男を誘惑する色づかいでアバンギャルドな感じがした。「相変わらず着物がお似合いですね」「いえいえ」

 詠子は髪を短めに切って似合っていた。でも僕は「以前みたいに髪を伸ばしたらどうかな」と言った。「あら、そうかしら」と詠子。「胸元を開け乳房を見せられるのかな」「いいえ、無理です」「では、裾を開いてください」「それなら・・・」太ももを見せると詠子はふしだらだった。この女にはふしだらさを醸し出す何か備わっている。詠子はススキといっしょに見事に輝いていた。僕は早々に撮影を終わりにし家に戻って『夕月』を聴きながらこの文章を書いている。ススキと『夕月』。そこに詠子がふしだらに混じり合った。詠子は撮影毎に不規則に輝くいい女だと思った。
 
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□個展では別カットを展示します。。



2016-11-17 : 29th個展へ向けて : コメント : 0 :

『自分の為だけに生きること・パート2』


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2016.11.12 model*みな

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 ひとつ断っておきたい。今回撮った写真に添える文章が前回のものと酷似していること。いやほとんど同じなのである。

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 娘が話す物語がはたして本当なのかはわからない。それが事実ではないにしても僕は娘の話をおもしろく聞いているし心がおどることさえある。もし、それがまったく根拠のない話だとしたら、人一倍疑り深い僕が素直に聞いていられただろうか。

 娘の身体はほぼ少女と言っても良いだろう。娘は清潔な育ちと高い教育を受けてブランド力の高い会社に勤めている。だからと言ってこの先キャリアウーマンみたいに一定の成果を得ることを目的としていないように見える。娘は自分の人生を自らの精神を癒すためだけに生きているのだ。当然、私生活において自分が望まないことは一切しないであろう。娘に近づく男たちは皆彼女の遊び道具でしかないだろう。これ以上この娘について語っても理解は得にくくむしろ誤解を招くだけだろう。ひと言つけ加えるなら、娘はいじらしく愛らしい。。

 ともあれ娘と河川敷第二スタジオに来ている。そしてこれから娘と制服の二種類の写真を撮るつもりだが、娘がどこまで見せてくれるのは彼女の気分次第である。あと、娘は今回もマスク着用であることをつけ加えておく。


※河川敷には第一スタジオと第二スタジオがある。スタジオと言っても僕が勝手にそう呼んでいるだけで、実際はただの河川敷である。そして僕が4/30に第一スタジオを発見したときのモデルがみなだった。

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□個展では別カットを展示します。。




2016-11-13 : 29th個展へ向けて : コメント : 0 :

ImageNation Paris International Photo Expo

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明日からパリで開催される写真展(ImageNation Paris / International Photo Expo)。
僕の紹介サイトに世界中の参加カメラマンも紹介されています。
それを見ると、すぐれたカメラマンが集まっているのがわかります。
他のカメラマンの作品も是非ごらんください。

以下をクリックして公式サイトへ。。
http://defactory.portfoliobox.me/imagenation-2016




2016-11-09 : 海外 : コメント : 0 :

『夕陽』


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2016.11.06 model*つぐみ

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 夕陽を正面から浴びて立つ小柄な少女の姿を想像してみて欲しい。それはまさしく僕の少年時代に追いかけた少女像のひとつである。その美しさは人工的には絶対につくれない。この少女役に選んだのはつぐみ。初めて撮った時はまだ十四才だった。

 つぐみは小柄である。そこが今日撮る写真にとってとても大切な要素だった。小柄であることは単純に可愛らしい。それは小柄な女の子の特権である。「わたし小さいから・・・」「小さいから可愛らしい、でしょ?」僕はつぐみの言葉を遮るように言った。

 十一月の午後三時はもう夕刻の気配があった。ススキは逆光に照らされ黄金色に輝いていた。過ぎ去った昔、とりわけ少年時代の記憶の中の光景はセピア色で、それが秋の思い出となればそのシーンの中に黄金色のススキがちゃんと存在している。

「撮影場所はここなんだ。ここは半世紀前、つまり僕の少年時代と同じ光りが今も残っているんだ。東京中探し歩いたけど、当時と同じ光が残っているところは数カ所しか見つからなかった。その光の中に君を立たせたいと考えていたんだ。わかる?」とつぐみに言った。
「なんとなく・・・」
「ここに立って半世紀前の光の中で君は着ている服の前を上げるんだよ、、、」
「・・・」

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□この写真は個展で展示するものではありません。。。





2016-11-08 : 29th個展へ向けて : コメント : 0 :

ImageNation Paris 展のサイトに魚返一真の紹介ページがアップされました。

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11/10〜11/13、パリで開催されるImageNation Paris 展のサイトに魚返一真の紹介ページがアップされました。自分の作品を観た欧州人がどんな感想を持つか興味と不安が交錯している。

□ImageNation paris の公式HP上の魚返一真紹介サイトは下記です。
http://defactory.portfoliobox.me/kazuma-ogaeri
2016-11-06 : 鉄道と彼女、 : コメント : 0 :

『熟れたイチジク』


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2016.11.05 model*マリエ

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 僕がカメラマンになりたてのころ、娘はプロラボのカウンター越しに現像に関するすべてを僕に一から丁寧に教えてくれた。まず印象的だったのは娘のスレンダーでメリハリのある身体と笑顔だった。カウンターの向こう側のはつらつとした娘は映画のヒロインさながらに美しく輝いていた。それは決して大げさではなかった。

 去年の個展に突然彼女がやってきた。あれから二十数年が経っていた。美しい娘は大人の女になっていた。しかもとても魅力的な女になっていた。僕が撮りたいと強く思ったのは当然だった。でも、彼女が僕の希望を受入れるまでに一年もかかってしまった。

「美しいね」
「とんでもありません。おばさんです」
「若いということは確かに素敵なことだけどね。歳をとることもなかな素敵だとおもうよ。特に、マリエさんの場合は・・・」
「いえいえ、ぜんぜんだと思うわ」
「そんなことはありません。これから僕が思うマリエさんの美しさを撮りますから覚悟してください」

 マリエはワンピースの上にショールを羽織っていた。服の盛り上がりは、マリエの乳房が相変わらず豊満であることを物語っていた。ファインダーにマリエを入れてみた。「美しい」と思わず僕は小さくつぶやいた。悪いがこの先は僕の好きにさせてもらうよ。と心のなかで思いながら撮影を進めた。まず、半袖のワンピースから肩を出させ、次に裾をまくり美しい脚を出させた。最後に胸元が見えるようにワンピースを下げると乳輪の境界まで乳房が現れた。

「君は美しく歳を重ねて来たんだね」
「いいえ・・・」
「今撮った写真が証拠だよ。何度言ったらわかるのかな、今の君が最高に美しいよ!」

 マリエは女として完成している。僕は熟れたイチジクが今にも樹から落ちるところを想像したのだった。

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□個展で展示する場合は別カットの可能性があります。。。





2016-11-06 : 29th個展へ向けて : コメント : 0 :

『雨が落ちてくる前に』


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2016.11.2 model*さくら

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 朝起きて東京が寒いことに驚いた。故郷への想いのせいで何もかもが嫌になっていた。もう写真なんて撮る気もしなかった。でも、今日は娘を撮る約束があった。

 娘と川へ向かった。二週間ぶりの川がどうなっているのか、僕の河川敷スタジオがまだあるのか、堤防をこえてみなければわからない。僕は昨日まで故郷の飯田高原をさまよっていた。山にのぼり紅葉した樹々を眺め、沢沿いを歩き湧き水を汲んで飲んだ。湿原を歩きながら少年時代を思い出していた時、東京の河川敷スタジオがどうなっているのか気になっていた。そして今、堤防を超えて以前と変わらない河川敷が見えた時、僕はほっとした。

 頬にぽつりと雨粒があたった。撮影を急がなくてはならない。一本のガーベラを娘の胸元に立てて持たせた。すると、数年まえ公共放送で頻繁に流れた神妙な画面に似ていたので、花を目立たないところに配置することにした。そもそもこのガーベラは駅の近くにある花屋で娘の機嫌とりに買ったに過ぎなかった。娘への要求はいつものことで、ごく単純ながら口に出す段になると期待と断られた時の恥ずかしさが入り交じり躊躇してしまう。娘を見ていたら故郷から東京へ戻ったことを忘れた。娘は田舎っぽさを持っている。だから、僕はこの娘に惹かれるだと思った。

 娘の後方右側に樹の幹がくるように立たせた。そこは村はずれのように見える。胸元のボタンを外すように言う。ああ、なんて美しい乳房だろう。ああ、なんて可愛らしい娘だろう。ああ、なんて幸せな時間だろうか。半世紀前の妄想が甦った。やはり、僕は写真をつづけよう。僕の気持ちを元に戻してくれた娘に感謝した。

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□この写真は個展での展示作品ではありません。



2016-11-03 : 29th個展へ向けて : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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