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『冬の陰影』

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2018.12.30 model*たま子

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 もう冬のまっただ中だから、あと二日で年が変わるから、やり残したことを終わらせなければならない。背中を押してくれたのは、やはりこの娘だった。自分よりまっすぐな人と会うのがいい、自分より暗い部分を持った人と会うのがいい、自分よりふしだらな精神を真面目に育んでいる人と会うのがいい。だから、やはりこの娘なのだ。

 冬の低い日差しを背中で受けとめる娘を逆光でファインダーに入れる。白いコートの前を開く。最後には形の良い乳房を見せた。「美しい」と僕は言った。二人で大木の後ろに回り込み、胸元がはだけた娘を冷たい地面に寝かせた。右手に羽子板を掴ませて、左手でさざんかの花を下着さへつけていない股間にあてがった。

 その時の僕には発すべき言葉がなかった。ただ娘の美しさをただ眺めているより他はなかった。

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□作品は次回個展にて公開予定。気に入った方は拍手を。
□この写真は展示作品ではありません。




2018-12-31 : 33th個展 : コメント : 0 :

『羽子板』

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2018.12.28 model*Olivia

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 風が吹いて寒く、何となく年の瀬を意識させられていた。撮影中、この場所から数百メートル離れたところにある三島由紀夫の墓の存在が心をよぎった。

 僕は娘と羽子板をさざんかの木の側に寝かせた。冬の日差しを浴びる娘の口はあまりにもピュアだった。僕は野蛮な男の視線で汚されぬようにその口をさざんかの花で塞いだ。

 帰り際に娘が「三島のような作品になっているのかな」と僕の心を見透かすように言ったのを聞いたとき、三島由紀夫の霊がこの娘に言わせたのではないか、と思った。

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□作品は次回個展にて公開予定。気に入った方は拍手を。
□この写真は展示作品ではない可能性があります。


2018-12-30 : 33th個展 : コメント : 0 :

『リンゴとイヴの関係』

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2018.12.24 model*リス

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 毎年この季節になると北国からリンゴが届く。 十二月に入ってから僕は毎朝リンゴの皮を剥き、とうとう今日はイヴだから、なんとなく誰かに剥いてもらいたい気分なのです。何年か前にもイヴの日にリンゴの皮を女の子に剥いてもらったことがあったのです。

 リスは今日も遠くの町からやってきて、僕と真冬の川に行きます。僕はバッグにリンゴを一個と果物ナイフを入れて家を出ました。そう、リスにリンゴの皮を剥かせるのです。もちろん、ただ剥いてもらうのではありません。ブラから乳首をはみ出させ、ジーンズと下着をいっぺんに下げてヘアを寒風に晒しながら。

 川辺は晴れてはいるが、北風が吹いて寒かった。僕はバックからリンゴと果物ナイフを出してリスに手渡し、胸を見せるように、そして下着ごとジーンズを下げるように言った。

「さあ、剥いてごらん。休まず一気に剥いてしまうんだ」
「・・・」

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□作品は次回個展『妄想ガール・コレクション〜リバーサイド』にて公開予定。気に入った方は拍手を。
□この写真は展示作品ではありません。


2018-12-24 : 33th個展 : コメント : 0 :

『まぼろしの旧国鉄宮原線』

旧国鉄宮原線表紙


魚返一真撮影のフォトブック『まぼろしの旧国鉄宮原線』が九州鉄道記念館の蔵書になりました。近々に閲覧できる運びです。鉄道記念館に展示されているキハ07が実際に走っている写真は非常に貴重とのことです。

また、『まぼろしの旧国鉄宮原線』は宮原線の地元大分県九重町にある九重町図書館の蔵書となり近日中に一般公開されることになりました。

フォトブックは魚返のサイトで販売中。http://www.bekkoame.ne.jp/~k-ogaeri/review.html
2018-12-23 : 鉄道写真 : コメント : 0 :

ツイート集(2018.12.4)

◉最近のツイート(11/24~12/4)

屋外でのポートレートは風景写真だと考えています。障害物をさけ自分が好む背景を決めたらその真ん中に人物を立たせて撮影しています。2018.12.4

実際のところ写真を撮るということは現に見えている視界をトリミングすることで、撮影後にトリミングをすると、それは二度目のトリミングということになります。単なる思い込みかもしれませんが、撮影時に起きたことをできる限り再現するために作品は完全ノートリミングを基本にしています。2018.12.1

僕の写真は基本的に完全ノートリミングです。フィルムだけでなくデジタルでも同じです。2018.11.30

写真は、上達すると何故か他のカメラマンが撮った写真に似て来るので、日頃から愚直な部分を残して撮影する事を心掛けています。

最新の機材が最善とは限らない。実際に僕の作品においてSONY α7IIIで最近撮った写真より、2005年ごろEOS KISS デジタルで撮影した写真の方が完成度が高いのです。

華やかな外見に騙されてはならない。僕は女性の本当の美しさが潜む内側を撮りたい。

撮影技術の習得より、自分の本質を理解しようとした事で個性的なポートレートが撮れるようになった。

僕がスカウトする理由のひとつは、お金の匂いのしない女性を撮るためです。

物であれ人であれ嘘の中に隠されたたった一つの真実を撮りたいと何時も思っている。
2018-12-16 : コラム : コメント : 0 :

『ネコがいた』

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2018.12.3 model*ひな

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 暖冬とは言え肌寒い土手をひなといつもの川べりを目指して歩いている。ついこの前まで美しく咲いていた黄色い花の群生がすっかり姿を消してしまったこの儚さが僕をセンチメンタルにしていて、それにつられるように僕は少年時代のあるシーンを思い出していた。それは、目の前に死んでしまった少年が横たわっていた、あの事件のことだった。あのことと今日のひなは無関係なのだと自分に言い聞かせていた。

 川べりにたどり着いた。ひなは僕と川の間の位置に華奢な身体をまるで獣のように四つん這いになった。一瞬だったが、あの少年が目の前の風景の中をよぎった。ちょうどひなの後方の川の中あたりだった。ひなは左手に不気味な秋の雑草を掴んでいて、それが僕の複雑な心中に似ていた。僕はひなに下着を見せるように言った。下着は白だった。次に下着を下げるように言ったのだった。

 さっきから僕は動物の気配を感じていた。振り返ると、そこには黒ネコがいた。

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□作品は次回個展『妄想ガール・コレクション〜リバーサイド』にて公開予定。気に入った方は拍手を。
□この写真は展示作品ではありません。




2018-12-04 : 33th個展 : コメント : 0 :

『カボチャについて』

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2018.12.2 model*新井りょう

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 一月前のことだった。名前も知らない少女からオレンジ色をした小さなカボチャをもらった。恐らくハロウィーンの時にお家で飾りつけに使ったのだと思う。

 今日、僕はりょうにカボチャを渡して反応を見るつもりだ。彼女ならカボチャを文学的にあしらうにちがいないと考えていた。りょうにカボチャを手渡すと、いきなり片足で一本立ちして膝の上に置いた。それは、ただコートを脱ごうとした刹那にカボチャの置場に困っただけのことだったのだが、それを見た僕はこの娘のただならぬ魅力に気づかされたのだった。

「一首お願いできるでしょうか」
「では後ほど・・・」


馬車になどならなくてもいい、このかぼちゃ。私はどこにも行けなくていい。

散り切った落ち葉を弔うために僕はいい音出して踏んづけてやる

                  ⁂



□作品は次回個展『妄想ガール・コレクション〜リバーサイド』にて公開予定。気に入った方は拍手を。
□この写真は展示作品ではありません。




2018-12-04 : 33th個展 : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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