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『ストロベリー』

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2019.5.19 model*たま子


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 とにかく気だるかった。今朝から精神が不安定で、やっと家を出て駅までやって来たのだった。途中でたま子と合流すると、その気だるさはさらに増した。それは、彼女が僕と同じように、どうにもならない何かを背負っているみたいだったからだ。僕は「何もかも手放してしまえばいい」というイギリスの人気ロックバンドのイチゴにまつわる曲の歌詞を思い出していた。その歌詞の本当の意味が今日は理解できそうだった。

 川に出てイチゴを詰めた瓶を急に愛らしくなったたま子に手渡すと、ゆっくりと、そしていつもより躊躇しながら美しい乳房を見せてくれた。その物憂げな彼女を見たとき僕は欲望を抑えることなく次のポーズを要求してしまった。

「何もかも手放してしまえばいい、生きることは簡単さ」と、またあの曲が流れてくる。なるほど。それにしてもたま子は急に愛らしくなったな・・・。

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□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットの可能性あり)
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※次回個展『果実の季節』で展示する作品を一緒につくってくれる女性を探しています。





2019-05-20 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『キウイとの約束』

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2019.5.18 model*流石

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 やや小悪魔を装っているけれど、娘は特別な優しさを持っていて、僕が青年なら安心してもたれ合えるような落ち着きがありました。それは自然に備わったのか、それとも身につけるために何らかの代償を払って来たのか、僕にはわからない。それもそうだけど僕にとって一番の驚きはあくまでも白い肌と白魚のような指なのです。

 雑木林の中に娘を招き入れて、縦に切ったキウイを渡し、黒ずくめの衣服を乱すように伝えると静かに従ったのです。僕は心を乱しながらも正確にピントを合わせて執拗に撮りました。

 そもそも隠しごとをしていた僕は彼女に対して後ろめたい気持ちでした。僕にはもっと撮りたい写真があるのです。でも今はまだ、少し難解な歌詞のポップスを口ずさむ時のようにぎこちなく、うまく伝えることができないのです。だからこの写真は写真家として彼女への一種のラブレターなのです。気に入ったらまた撮らせてくれるとキウイと約束してほしいのです。
 


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2019-05-19 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『Fruits Season』


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2019.5.16 model*オリビア

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少年時代に少女が熟れる瞬間を見ました。青い匂いを薫らせながら少女は瞬く間に成長していきました。Fruits Season・果実の季節、それは女の子になる季節なのです。

 果物も女の子も誰かに食べられるために成熟すると考えてしまうのは男子だからでしょうか。女の子だって、食べられることを覚悟、あるいは望んでいるかもしれないと思ったりすること、それも男子だからでしょうか。

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2019-05-19 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『琵琶の眼差し』


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2019.5.15 model*カヲル子

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 この女に出会ったときの言いようのない衝撃は僕の心の中に棲んでいた古い物語の一つを甦らせました。少年時代に母の生家へ遊びに行った時、混浴の露天風呂に入り、その近くにある温泉街を歩きました。この女は温泉街にあった射的やスマートボールの遊技場で働く女たちを思い出させるのです。つげ義晴の世界で描かれているような女と言えば、わかってもらえるかもしれません。

 僕がどう工夫しようとしても、彼女の存在感の前に跪かされるのです。縦切りにした枇杷をカヲル子に手渡して、尻や目にあてさせると、その姿は少し中世の絵画のようでした。この女、つまりカヲル子はどこを見ても芸術的な女なのです。

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2019-05-18 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『ブドウの気持』

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2019.5.11 model*麻衣子

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 麻衣子と電車に乗り隣り合わせの席に座った。麻衣子は笑顔を絶やすことなく余計なことを一切言わないとても静かな女であるが、主張しないというのではなく僕の言動を観察しているのだと感じていたから、こちらは緊張気味だった。ともあれ、彼女の品のある横顔が個性派女優のK・Yに似ていることが僕の気持ちを和らげていた。

 麻衣子は二種類の色の異なるブドウを買って持って来ていた。その二種類のブドウの一粒ずつで麻衣子の乳首を隠してもらった。僕はブドウになって直接乳首を感じたいと思った。さらに運が良ければ、僕が持って来た黄色のズッキーニを彼女のワギナに入れてくれるかも知れない、などという妄想をしながら品の良い麻衣子の横顔を見ていた。

「あのですね、ある写真を撮ってドイツの編集者とフランスの人類学者に見せたいと考えているのですが、可能でしょうか・・・」
「・・・はい」

 僕は考えて来たいくつかの写真を夢中で撮った。駅で別れた時、麻衣子はスーッと僕の前から消えてしまったみたいに感じたのは、麻衣子と過ごした時間が濃密だったからだと思う。


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2019-05-11 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『タネなし葡萄』


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2019.5.6 model*麻菜

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 少年時代、気持ちが落ち着かない時は度々川へ行き一人で数時間を過ごしたことを思い出していた。川では釣り糸を垂れてはいたが魚釣りにはそれほど熱心ではなかった。歌謡曲を口ずさんだり、同級生の女の子のことを考えたり、とにかく僕はとても自由だった。

 今日は麻菜と川に来た。この娘は特別な笑顔を持っているが僕は時折娘が見せる憂えた表情に興味があった。振り返れば僕は女の子の朗らかな笑顔より複雑な表情に惹かれてきたような気がする。川辺に立った麻菜の手に彼女が好きな葡萄を持たせた。その時僕が期待したのは、豊かな乳房の膨らみと飛び切りの笑顔の合間に見せる憂えた表情だった。

「君にしかない素敵な表情をするね」
「いえいえ。。」

 麻菜と別れた後、帰りのバスの中でタネなし葡萄をひとつ口に入れ、さっき麻菜が見せた憂えた顔の理由をあれこれ詮索したのだった。

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 http://www.bekkoame.ne.jp/~k-ogaeri/modelboshu.html


2019-05-06 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『どっちを選ぶ?』・・・『瞳の奥の果汁』・・・神保町にて(その3)

■『どっちを選ぶ?』の答え。僕が是非作品に入れたいと考えているのは(B)です。正面から順光でモデルを照らす明かりがどこか懐かしく、僕に遠い故郷を思い出させます。放課後に部活帰りの女の子の姿を眩しく眺めたこととか、その他いろいろ。。。(A)は商業カメラマンとして最低限の仕事を要求されていた時期を思い出します。ラチュードの低いポジフィルムでの撮影だから最初はかなり難しい。慣れると快感になりこればっかり撮る。雑誌の要求とも一致するから。そこが落とし穴。僕は早々に気づいて、自分らしい写真を撮るために冒険するように心がけた。すると仕事で撮る写真では満足できないことが多くなった。大げさに言えば、(A)=商業カメラマン、(B)=写真家を志す青年。あくまでも僕の感想です。

なお、当選者は「2019-04-23 00:49 : 匿名希望」さんです。以下へ連絡ください。ad28682@ha.bekkoame.ne.jp

(A)
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(B)
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2019.4.6 model*たま子

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 最初に娘が僕の前に現れたときのことを今でも鮮明に覚えている。何か言いたげな瞳の奥に深い泉があった。そして娘はあくまでも無口だった。もしかしたら言葉を発していたのかもしれないけれど、僕の耳には聞き取り不能だった。僕は激しく動揺した。その日からずっと娘を撮り続けてきた。彼女を撮ってきてわかったこと。それは、モデルが写真家を育てるということ。

 画廊を出て路上で撮影した。今日も娘は僕に教えている。それは、モデルと対峙できるなら場所はどこでもいいということ。

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■久々に『どっちを選ぶ?』です。あなたなら(A)(B)どちらを選ぶかコメント欄に投稿してください。コメントを投稿してくださった方の中から抽選で一名様にポストカードサイズのサイン入りプリントをプレゼントします。締切は4/30(火)。

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2019-05-03 : 34th個展に向けて : コメント : 13 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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