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『グッド・バイ』

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2019.8.27 model*ちいも

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 女は昭和を彷彿させるシックな服装でした。実は、ここはずっと前に女が何度も訪れた思い出の跨線橋(こせんきょう)で、意外なことにそれは僕と共通でした。

 彼女はどこにでもいるようなありふれた女に見せていますが、決してそうではありません。例えば、彼女の言葉や彼女が描いた絵には思いもよらない筋書きが隠されているのです。また、ふと静止した瞬間には中世の宗教的絵画に描かれた女性像にみられる意味深な表情をします。僕はそれらを「美」と感じるのです。

「この場所で乳房を見せて欲しいという僕を許してください。汚らわしい男だと思われても仕方ありません。でも、それが純粋な気持ちだということだけはお伝えしておきます」と僕は彼女に心の中で詫びたのです。

 この女をフレームに入れたとき「グッド・バイ」という言葉が頭の中にありました。今、あなたが書いた小説を何冊か手に持ち、あなたが愛した跨線橋に立っているこの女は、つまり、あなたへの愛を伝えに来たのです。

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□この作品は来年の個展『妄想浪漫』のために撮ったものです。9月開催の34th個展『果実の季節』でもご覧いただける予定。(ただし別カットかも)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。



2019-08-29 : 35th個展に向けて : コメント : 0 :

『女生徒』

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2019.8.22 model*オリビア

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 この跨線橋(こせんきょう)へは以前から度々やってきて電車を見たり女の子を撮ったりしていた。その後、あの小説家が夕陽を眺めに来た時の写真を見て僕もその真似をしてセルフポートレートを撮った。そして今日、僕はその小説家を偲ぶことにした。方法は、彼の小説のタイトルを書いた紙を女の子に持たせる。もしかしたら小説家が天から見ているかもしれない、などと考えると厳かな気持ちになった。

 娘は水色のジャンパースカートを着ている。その姿は現代的ではなく故人を偲ぶには都合が良かった。娘が持った紙には個性的な文字で「女生徒」と書かれていた。もちろん娘が自分で書いたものだ。誰もいない跨線橋に立っているこの娘はあなたへの感謝の気持ちを伝えに来たのです。




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□この作品は来年の個展『妄想浪漫』のために撮ったものです。9月開催の34th個展『果実の季節』でもご覧いただける予定。(ただし別カットかも)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。






2019-08-28 : 35th個展に向けて : コメント : 0 :

『夏の涙』

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2019.8.6 model*waka

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 夏というものは、目の前に来てしまえば寂しいものです。遠い昔の夏の想い出が蘇り消え去ることの虚しさが僕を孤独にするのです。今日初めて会うwakaに夏のことを訊いてみるつもりです。そしてwakaがかなりマニアックな機材で写真を撮ることについても。

 wakaは人あたりの優しい繊細な女の子でした。か細い声でボサノバのように囁くのです。さらに真っ白い肌と熟れたマンゴーの赤とのコントラストに目を奪われたのは当然です。間違いなく大人の女性なのですが、少女に負けないピュアさが見え隠れしていて、この人に肌を見せて欲しいと言葉にして良いのか迷うほどでした。wakaが白い胸元に続いて太ももを露出させた時、その美しさを前に正直動揺し、ただ「美しい」と何度も言いました。

 撮影が終わって別れ際にwakaの顔を覗き込むと大きな瞳から涙がこぼれたのです。その夏の涙に嫌味はなく、ただ理由もなく流れ落ちていたように見えました。


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□この作品は次回34th個展『果実の季節』で発表します。(ただし別カットかも)
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2019-08-09 : 34th個展に向けて : コメント : 0 :

『夏の蜃気楼』

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2019.8.1 model*TOMOKA

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 どうして真夏に緑の中で女の子の写真を撮るのですか。こんなに暑い日に屋外で女の子の写真を撮ることの意味を教えてくれますか。それなら、夏休みに誰もいない校庭にひとりで立ったときのことを思い出してみてください。流れ落ちる汗をぬぐいながら初恋という文字が浮かんだはずです。男の子は異性より先にセンチメンタルな夏に恋をするものなのです。

 夏を撮るなら文学の香りがするTOMOKAがいい。彼女には前回と同じ服を着てもらいました。そして僕の魂が写り込んだあの本でうぶで美しい乳房を隠すのです。ああ、やっぱり夏はこの子でなくてはならないのです。TOMOKAは僕の心の中に棲む夏の蜃気楼なのです。

「こんにちは。さよなら。またいつか」
「・・・」

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□この作品の公開時期は未定。次回34th個展『果実の季節』でファイルに入れてご覧いただけるかもしれません。ただし別カット。
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2019-08-01 : 35th個展に向けて : コメント : 0 :
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ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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