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『思い出の街』

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2019.10.28 model*ちいも

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 ロックバー・BYGの前に差しかかったときロックに夢中だったあの日々を思い出し胸がいっぱいになった。僕たちがBYGに通ってウエストコーストのロックを聴いたのは44年前のことだった。自由でありたかったから、まるでヒッピーみたいな身なりだった。

 今日この街にやって来たのは、ホテル街で女を撮るためだ。BYGの数十メートル先にはラブホが乱立している。もちろん、昔の僕たちにとってラブホは無縁だった。そこへ連れて行く女がいないばかりか、そもそも金もなかった。豊かな唇にルージュを塗った女に嬢王様から預かったSMグッズを渡し坂道に立たせ数枚撮った。女は哀愁の漂ういい女でこの街が似合ってもいた。だけど、僕はこの女には自由でレトロな魅力が備わっていることに気づき始めていた。そしてそれはとても重要なことのように思えた。

 撮影が終わってから再びBYGの前を通った。そして女をドアの前に立たせて写真を撮った。女よ、今度ここに来る時はデニムを身につけてロックな女になってくれないか。そして丘の上にある大きな公園まで歩いて行き、草むらに寝転んでCSN &YやDOORSを聴こうぜ。

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□この作品は来年の個展『妄想浪漫』のために撮ったものです。(ただし展示は別カット)
□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。。






2019-10-31 : 35th個展に向けて : コメント : 0 :

魚返一真写真塾


今後の開催日程

2019.10.28..16時現在

魚返一真写真塾開催日程。。

各開催の集合時間注意!



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327回写真塾
11/3(日)開催
集合:午前9時30分。武蔵境駅南口
モデル=理絵子
参加費12,000円。定員4名。(1名受付済み)


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328回写真塾
11/4(月・祝)開催
集合:午前9時30分。武蔵境駅南口
モデル=オリビア
参加費12,000円。定員4名。(3名受付済み)





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□魚返一真写真塾への参加ご希望の方は・・・こちらへ





※希望開催日がある方は連絡ください。
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※定員を4名に増やし参加費を12000円に値下げしました。(10/13より)
※写真塾終了後の昼食会は基本的にしないことにしました。軽食を持参し写真塾中に食事しても良いです。(10/15より)また、皆さんが合意して塾終了後に魚返抜きで昼食をしても構いません。
※撮影場所は予告なく変更することがあります。
※貸切写真塾あり。お尋ねください。


□魚返一真・写真塾の新塾生を若干名募集しています。単発での参加可。
□魚返一真写真塾への参加ご希望の方は・・・こちらへ

□写真に関することをほぼ毎日ツィートしています。⇒⇒twitter
□被写体モデル募集。。ただ美しいだけではなく心に残る作品を撮らせてください。⇒⇒⇒こちらへ
□instagram⇒⇒こちら(少しずつアップしていきます)

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2019-10-28 : 写真塾 : コメント : 3 :

『花札とわたし』・・・昭和三部作その三

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2019.10.21 model*ちいも

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 古い和室にいる。畳の上だとエロスの質が変わる。ベッドの上より日本的で湿った気持ちになるし、それが自然であり行き過ぎた悪戯でさえ許されるような気がする。ここにいる浴衣姿の女には品があり色気があった。しかし女が内側にひた隠す本性を暴きたいと思うのだった。

 花札に惹かれる。少年時代、家の隣の文房具店で任天堂の花札を買ったのが始まりだった。それ以来、時々持ち出しては並べている。数年前、ある清純な娘のクリトリスを隠した札で娘の右の乳首を隠した。

「君、美しいね」
「いいえ、とんでもありません」


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□この作品は来年の個展『妄想浪漫』のために撮ったものです。(ただし展示は別カット)
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2019-10-24 : 35th個展に向けて : コメント : 0 :

『プライベイト・ウエイトレス』・・・昭和三部作その二

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2019.10.21 model*ちいも

 例えば冠婚葬祭などで帰郷(大分の田舎)すると、台所では親戚の女たちが集まって料理をして僕たちの接待をしてくれます。その時、男は何もしなくて良いのです。僕の東京での暮らしと大違いですが、時としてファミレスのドリンクバー程度であっても甲斐甲斐しくお茶をいれてくれる女に会うとなんとも安らぐのです。さらにその女のコスチュームが裸にエプロンだけ着けたウエイトレス姿だったらと思う。そんな安易な妄想を抱けた昭和が懐かしい。

 それにしてもこの娘はチャーミングだ。様々な妄想を抱かせて、それらをほとんど無意識に品良く演じることができる。しかも適度に肉感的で美しい身体の持ち主なのです。

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□この作品は来年の個展『妄想浪漫』のために撮ったものです。(ただし展示は別カット)
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2019-10-23 : 35th個展に向けて : コメント : 0 :

『純愛の食卓』・・・昭和三部作その一

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2019.10.21 model*ちいも

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 本当の幸せを感じたければ普通に生きることが大切です。日々の生活において特別なことは避けるのです。そして無味乾燥に見える平凡な幸せにエロスは棲みつくのです。例えば、中原淳一の『二人のしあわせ』という幸せになるための夢物語が描かれた本を手にするだけで満たされるような純愛な人たちの生活にこそエロスの方から近づいてくるのです。
「君かわいね」
「そんなことありません」
「セーターを脱いでくれないかな」
「恥ずかしいです」
「僕は君の乳首が見たいんだ」
 などという単純な会話も清い心を持った女が相手ならこれほどエロいものはない。そして昭和にはそれはどこにでもあり誰でも手に入った。


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2019-10-22 : 35th個展に向けて : コメント : 0 :

『ウグイスが鳴くホーム』

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2019.10.16 model*オリビア

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 僕はそれを男にとっても女にとっても切実なことだと捉えている。しかし、それに至る過程で振り向くことは許されない。取り憑かれたように突き進まなくてはならない。わずかに失恋に至る過程に似ている。この撮影を考えたきっかけはマネの絵画『フォリー・ベルジェールのバー』だった。そこに描かれたバーメイドの女は娼婦だった。
 ひとり、またひとり、そのホテルに男と女がバラバラに入って行く。太宰は「淫売婦のふところでかえって安心してぐっすり眠れた」というようなことを書いているが本当だろうか。ねえ、君。そうなのですか?と尋ねてみたくなる。

 娘を路地に立たせた。ある女からプレゼントされた膨大な数のグッズの中から轡と洗濯バサミを持参し娘に渡しシャッターを押した。そして、いかがわしさを自慢するかのような彩色のホテルの玄関を入ると「悪いけど満室だよ」と小窓越しにオバさんの声がした。仕方なくホテルを出た。

 駅に戻りホームに上がると、さっきこの駅に着いた時には気づかなかったが、小鳥の鳴き声がスピーカーから流れていた。なるほど、この駅名にまつわる鳥の鳴き声なのだった。

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2019-10-17 : 35th個展に向けて : コメント : 0 :

『マタニティー・オレンジ』

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2019.10.09 model*美月

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 電車からホームに降りてきた美月をすぐに見つけ大人の女になったと思った。彼女はオレンジ色のマタニティー・ドレスを着ていてとても目をひいた。そう、美月は臨月を迎えているのだ。美月と駅を出て路地を歩いた。この場所を選んだのは、ここがラブホの密集地だからだ。つまり臨月の女をとラブホに入る。と言っても撮影が目的なのである。
「どのホテルに入る?」
「写真的に言えば和風の方が良いのではないでしょうか」などと話しながら路地を歩いた。結局、美月は壁に大きな花が描かれた部屋のある小さなホテルを選んだ。

 さて美月が今読んでいるのが『人間失格』だと知って驚いた。臨月の女の子が読むのにふさわしいのか?と思ったのと、偶然僕は、つい先週、しかもこの二ヶ月で二回も読んだばかりだったからだ。そして無事に撮影を終えた僕たちは駅に戻った。

「今日はありがとうございました」
「とんでもない、僕の方こそ撮らせてくれて感謝している」
「わたし、隣の駅まで歩いて行きます」
「わかった。さようなら」

 美月には素晴らしい未来が待っていることは間違いない。なぜなら、僕が知っている女たちの中で最も強く美しい女のひとりだからである。

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2019-10-10 : 35th個展に向けて : コメント : 0 :

『季節はずれの卒業』

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2019.9.14 model*Olivia

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 僕は高校の卒業式に出なかった。サボったのである。その日は家にいて山々を眺めていた。遠くに九重連山が見え、そこは僕の憧れの地だった。それなのに数週間後、僕はブルートレイン特急富士に乗って東京に向かっていた。その経験のせいか、それとも元々の性格なのか、僕の人生にはケジメというものがあまりない。良い方に解釈すれば、何事にも継続性があると言えるのだが。卒業式の日の午後、クラスメイトが僕の家に卒業証書を届けてくれた。そして家族は僕がとった行動に対して何も言わなかった。僕にとって卒業式は未了感の象徴になった。

 今朝、証書の入った筒を持って家を出た。娘に筒を持たせると彼女は卒業式を終えた直後のように見えたと同時に、高校の卒業式に出なかった自分がそこにいた。そして僕はあの未了感に襲われた。

「わたし、あなたに卒業証書を届けにきました」
 と娘が言っているような気がした。ひとつの救いがあるとすれば卒業式には季節はずれだったこと。なんてバカな人間だろうと思うことがある。つまり僕にとって卒業式のシノニム(同義語)は孤独なのだから。

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□この作品は来年の個展『妄想浪漫』のために撮ったものです。
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2019-10-05 : 35th個展に向けて : コメント : 1 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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