スカウトとか・・・

 一般女性を撮り始めて二十年になる。正確には十九年と二ヶ月。初めて街でスカウトしたのは奄美大島から東京に出てきた女の子。彼女は十九才だったと思う。南沙織のようなロングヘアーがとても印象的だった。しかし、撮影当日その子は髪をバッサリと切って僕の前に現れたのだった。彼女に起きた心の葛藤を思う余裕など当時の僕にはなく、髪を短くしたことで少女性が薄れたと感じ、落胆したのだった。
 数日前のことだ。荻窪でご婦人(五十才ぐらい?)をスカウトした。小柄で身体にフィットしたニットを着てスリムなパンツを履いていた。そのファッションが微妙に古めかしく、おそらく毎日同じような服装なのだろうと想像した。僕は流行を追っていない彼女の有り様に惹かれた。その日常に温もりのようなものを感じたのだ。

「あの、モデルになって頂けないでしょうか」
「えっ、私?」
「はい。あなたを撮りたいのです」
「光栄ですわ。でも、私などは到底そんな者ではございません」

 何とも受け答えが素晴らしい。例えば、この婦人を撮影することになったとしよう。今の僕は撮影当日の彼女のヘアスタイルやファッション次第で落胆するようなことはない。なぜなら、年齢を重ねることは若さより尊いことを知っているからだ。

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 メールでモデルに応募してくれる女の子たちのこと。彼女たちは僕の写真を観て何かを感じて僕にメールをくれる。僕は最近、彼女たちに驚きを感じている。僕が街でスカウトする女の子と、応募してくれるモデルの距離が急速に縮まっているのだ。つまり、スカウトした女の子と応募してくれた女の子が似てきている。

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 スカウトの極意を尋ねられることがある。極意はある。しかし、信じる人は少ないみたいだ。

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 愛について考えることがある。恋について振り返ることがある。そんな想いを写真の中に精一杯込めている、つもり。

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 塾生募集中。今が入塾のチャンスです。その理由は、僕にやる気があるからです。

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 傑作『昭和の恋』のようこさんの第二作を撮ります。また報告します。
2011-11-20 : コラム : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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