『川魚漁師の教え』

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2011.7.3*写真塾にて*model*アズサ

アズサは昭和ガールだ。そして夏が似合っている。待てよ、アズサの冬はどうなんだ。寒さの中でアズサを撮らなくちゃ。

          ☆

 少年の頃、漁師に憧れていた時期があった。僕の故郷には海はない。だから憧れたのは川魚漁師で、彼は釣り竿も疑似餌も手作りだった。漁師は夕方川に現れて一時間ほどで100匹も釣ることがある。釣った魚は自分で串刺しにして何度も炙って薫製にするのだ。
 母は行商に来た漁師から、川魚の串刺しを買って、七輪で炙り直し溜まり醤油をかけて僕に食べさせてくれた。あの香ばしい味が忘れられない。
 さて、その漁師は道具から獲物まですべて自然から調達したものでまかなっているように見えた。僕はそのことにえも言えぬ感動を憶えたのだった。どうして、そんな生き方ができるのだろう。僕の家は家具屋で売り物の家具は遠くの町から仕入れて販売していた。どうして自分ところで家具を作って売らないのだろうか。近所の店を見渡すと、やはり菓子屋は駄菓子を、洋服屋はスカートやズボンを仕入れて販売しているのだった。饅頭屋にしたって、自分の家で作ってはいたが、材料は仕入れている。僕はそのやり方が不満だったし、ますます漁師の生き方が眩しく見えたのだった。

 僕がプロカメラマンになった時、ポートレートにはそれに必要かつ適した機材が必要で、ファッション写真には欠かせない機材があった。僕は次々に撮影スタイルに適した機材を買い使い方を学ばなくてはならなかった。僕は、プロカメラマンとは自前で勝負する部分のなんと少ない職業だろうと思った。

 今の僕、つまり作品を撮っている写真家としての僕だって、自分でまかなっているものは殆どないのが悲しい。たわ言のように思われるだろうが、僕はあの川魚漁師の崇高な生き方を尊敬しながら写真に向かい合いたいと思っている。



□『どれを選ぶ?・8』の締切は明日12/11です。今回は正解者全員にサイン入り作品(ポストカードサイズ)をプレゼントする。皆さんのコメントを待っています。
2011-12-10 : 昭和ガール : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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