昭和ガール『りんの部屋』

 風が弱いせいか日向を歩くと暖かい。僕は路地を歩いているのが気持ち良くてりんの家を通り過ぎてしまった。僕の頭の中は期待でいっぱいで、冷静さを失ってしまっていたのかもしれない。昨夜、僕がりんに出したメールには「ベッドに入っているところを撮るかも。下着姿でメイクしているところも。または、出かける服装で始まり、次第に脱いで行き、最後は裸になる・・・・」みたいなことを書いていた。


 りんの部屋。
 りんは奇麗に髪をカットしていた。そしてリクエストどおり、紺のカーディガン、丸襟の白いブラウス、ライトブルーの細かいプリーツの入ったフレアスカートを着ていて、まさに清楚な昭和ガールファッションだった。

「君、カワイイね」
「そうかしら」
「それに、美しいね」
「そうかしら」

 僕とりんは部屋の真ん中につっ立ったままどう撮ったらいいか考えた。窓辺に差し込む冬の陽射しを見るとほのぼのしていたので、そこへりんを立たせてみた。レースのカーテン越しに差し込む陽射しがりんを美しく輝かせて、僕は思わず「素晴らしい」とつぶやいた。

「りんさん、脱いで頂けませんか」
「・・・」

 りんは何度か僕に促されてからブルーのカーディガンのボタンを外した。

「りんさん、ブラウスも脱いで頂けませんか」

 りんはボタンをゆっくり外してブラウスも脱ぎ、ブラジャーだけになった。りんの肌は美しかった。りんは筋金入りの「昭和ガール」だった。僕は美しい大人の女の上半身を撮った。
 次に僕は昨日のメールどおり、りんの肌に何かをこぼしたり、赤い口紅を乱暴に塗った写真を撮ろうと思った。しかし、その写真は何か違うと感じたのだった。そして、ただりんの背中を撮る方を選んだのだった。

            ☆

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2012-01-08 : 昭和ガール : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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