『空のファンタジー』撮影編

 僕は吉祥寺の街へファンタジーをさがしに行く。ファンタジーって何だろう?僕は空にヒントが欲しいと伝え、空は大切にしている小物を持って来ると返事があった。

□つづきは本日撮影後に書きます。




          ☆

 撮影してきた。。

 吉祥寺の横町は狭くて暗かった。それでも、昔より洒落た店が増えたのがわかった。最近できたと思われる店は屋台風というのだろうか、僕には近づけない排他的な店に見えた。僕は空を連れてその暗い路地をあちこち歩き回った。暗い路地に一筋の陽射しが差し込んでいる場所に彼女を立たせカメラを覗く。空という子は深い眼をしていて、保守的な風貌の奥に何かを隠しているような気がする。

「ファンタジーってね。良くわからないことだと理解したよ」
「そうですか」
「そう。だって、僕は空のこと何もわからないでしょう。ましてや、空のファンタジーなんてわかりっこないんだよ」

 僕はファンタジーについて乱暴な解釈をしていた。実はその解釈は僕にとって格好の逃げ場のような気がしてとても気に入っていたのだ。だから、この路地で生活する人や路地を愛している人々以外の、例えば僕のような通りすがりの男にとって、意味不明に見えるこの路地という場所はある意味ファンタジーなのだ。

 僕はまたカメラを構えた。すると、ファインダーの片隅にカメラを首から下げた若者がいることに気づいた。場所を変えて、また撮影しようとファインダーを覗くと、そこでも僕たちにカメラを向けている若者がいた。どうやら僕たちは若者に撮られているようだ。その若者にとって、路地で撮影をしている僕たちはファンタジーなのかもしれない。

「空、ほら・・・」
 僕は空に若者の存在を知らせようと思ったけれど、とっさにうやむやにしてしまった。何となくだった。もしかして、僕が撮った写真にカメラを構えた若者が写っているかもしれない。そう思ったら、僕の中に小さなファンタジーが残った。














2012-01-25 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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