『東京で一番キュート』Little Fantasy 2012

 美樹を見つけたのは、コスメ売り場でしゃがんで棚の下の方に並んでいた品物を選んでいるところだった。しゃがんだ格好が子供っぽくて少年のようだった。
 僕は彼女の左後方から早足で歩み寄って「すいません」と声をかけた。最近の女の子の二人に一人はイヤホンで音楽を聴いている。美樹もその一人だった。三回目に、すいません、と言った時、やっと彼女が僕の方を振り向いた。美樹が聴いていたのは、Taylor Swift。

             ☆

 大学一年の時、僕は美樹の通っている大学のすぐ近くに下宿していた。僕の下宿は二階が男子学生の部屋で、一階は女子大生の部屋だったが、女子大生は三人いて、三人とも美樹と同じお嬢様大学の一年生だった。三人は、背の高い淑女風と中肉中背の健康的な運動系と小柄で可愛い文学少女だった。その中で、小柄で可愛い子が僕のお気に入りで、東京中で一番キュートな女の子だと思った。

             ☆

「美樹の特技を教えて」
「クラシックバレエを少し・・・」
「美樹ににお願いがあります」
「なんですか?」
「東京で一番キュートな女の子になって僕が住んでいた下宿の前でバレエのポーズを決めて欲しい」
「えっ、私にできるかなあ・・・」



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2012-01-26 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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