『ローカル線の憂鬱』



2008.3.4.model*Yoshimi mamiya7/55mm?

         ☆

 2008年3月、よしみを連れて北へ向かった。北と言ってもそれほど遠くない。東京から車で一時間ぐらい走っただろうか。それが出不精の僕の行ける北限だった。見知らぬ風景に身を置くだけで、なんて遠くへ来てしまったのだろう、という心細さと一種の後悔があった。

 切り通しは、少年時代にSLを待ち伏せした勾配のある景色とまったく同じだった。思い出が吹き出して来た。しかし、決して楽しいことばかりではない。むしろ憂鬱な気分の方が多く蘇ってきた。なぜなら、当時の僕はSLを追いかけることで重苦しい青春から逃れていたに過ぎないからだ。

 女の尻が物悲しく映っている。それは、少年時代に受けた屈折したエロスの啓示が撮影の瞬間に蘇るからではないだろうか。そして、ネガカラーはその懐かしいエロスをちゃんと表現している。

         ☆

 もう一度カラーについて同じことを書くことにする。「僕にとってカラー写真とは、昔ながらの天然色のことだ。写真とはどこかノスタルジックなものだ。撮った写真は、その瞬間は『今』であっても次第にノスタルジックになるべきである。」



□この作品は個展『鉄道と彼女と僕』で発表したものです。



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2012-03-11 : 記憶 : コメント : 0 :
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ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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