『唇に赤い絵の具』・・・2012.4.22

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2011.5.5野川公園にて(今回の作品とは関係ありません)
 
           ☆

 ごく稀に女を邪険に扱いたいと思うことがある。愛を語る言葉の裏にそんな感情があることに驚かされる。

 萎んでしまったタンポポの花のそばに綾嶺を寝かせブラウスのボタンを外し白い肩を出させた。僕はチューブから絞り出した赤い絵の具を下ろしたての筆の先にたっぷりつけ、綾嶺の唇からこぼれ落ちる血を描いた。虚しかった。嘘っぱちの血に何の意味もないからだ。

 側にいた紳士に尋ねた。
「あの、僕がしていることに何か意味を感じますか」
「さあ」と紳士は答えた。

 邪険な心はずっと昔から僕の中に棲んでいるのだった。今僕の前に広がる春というのは、虚しさを積み重ねてきた東京の春なのである。 

           ☆☆


□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。
□昨日の写真塾でわがままをお聞き頂いて作品を撮る時間を頂きました。ナカジさんに感謝いたします。





2012-04-23 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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