『メルヘン・Märchen』



2012.6.20 model*優奈

          ♣

 優奈が言った言葉の中で憶えているのは、メルヘンだった。「メルヘンねえ、なるほど君らしい」と答えてみたものの、メルヘンとはどういうことだろう。調べてみると、メルヘンとは散文による空想的な物語、とある。

          ♣

 撮影の日。僕たちは出会った道で再会した。優奈はさらに少女チックだった。

「あれ?君って中学生?」
「いいえ」
「言われない?」
「はい。中学生に間違われます」
「やっぱりね。ところで、このまえメルヘンって言ったよね」
「はい」
「それについて考えてみたけど、君のことだよ」
「・・・」
「つまり、メルヘンの元をたどればおとぎ話みたいなもの。君はおとぎ話の主人公役が似合うと思うからね」
「そうですか。でもありがとうございます」

 僕は優奈をシロツメクサの白い花が咲くあの丘で撮ろうと決めていた。

 シロツメクサの咲く丘に優奈を立たせる。ファインダーの中の優奈はまったくメルヘンの世界の少女だった。それを真剣に撮っている僕の脳もスポンジケーキみたいにメルヘンチックだった。

          ♣ ♣ ♣


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2012-06-22 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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