『人形の唇』・・・作品


012.7.27 model*麻菜


          ★

 罠かもしれないと疑いをもっていても、その甘味な世界を捨て去る勇気はなくずるずると深みにはまっていく。これは罠ではないと肯定的な気持ちが散らついたら、その時はすでに完全に罠にはまっている。

          ★

 真夏の午後、なだらかな斜面を歩く。隣を歩く麻菜は心地良い声でよく笑う。唇にはいきなりキスの衝動をひき起させる魔力があり瞳も人形のように神秘的だった。大きな樹にもたれて座った麻菜の身体に紫かすみ草をちぎってばらまいた。チューブをスカートやワンピースの胸の中に差し込んで、さらに首と手と胴と足をぐるぐる巻きにした。
 
「撮影が終わったら僕は君の唇にキスをするよ」
「うふっ、キャキャッ、はあ」
 麻菜は否定も肯定もしなかった。つまり否定した。

「君を僕の人形にしてしまいたい」
「人形になって飾られているだけは少し寂しいです」
 これもまた遠回しな否定なのだろう。


          ★



■魚返一真・写真塾に麻菜ちゃんが登場します。来年のグループ展を見据えるなら秋までが入塾チャンス。
■モデル急募中〜8月は作品を集中撮影しています。魚返一真作品にご協力頂けるモデルを求めています。応募はこちらから⇒・・・

2012-08-01 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

プロフィール

ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
このブログのすべての写真や文章などコンテンツの無断コピー、無断転用を禁じます。

月別アーカイブ

ブログ内検索

FC2カウンター