『星の世界』・・・作品




2012.8.18 model*彩乃


 僕がまだ小学生のころ、クリスマス・イブに近所の友達数人と町外れの小さな教会へ行った。お姉さんたちとミニゲームをしたあと、お菓子をもらって真っ暗な道を帰った。少年の僕にとって不思議な夜であり、初めて賛美歌を聴いた夜だった。しかし、そのメロディーは小学校の音楽の時間に合唱した『星の世界』に極めて似ていた。

          ◇

 彩乃は神々しい風貌をしている。彩乃の憂いに満ちた眼差しは僕を厳かな気分にする。
 雷鳴が鳴り響く中、僕と彩乃は雑木林の中にいた。空は黒い雲に覆われ今にも雨が降り出しそうだった。僕は急いで撮影場所を決めてフィルムを詰め、彩乃は不思議なベルと携帯ラジオをバッグから取り出した。僕は何のためにそれを持って来たのか彩乃に尋ねなかった。僕は草むらに膝まずいた彩乃の右足首をロープで縛ったが、彩乃も足首を縛られる意味を聞き返さなかった。ファインダーを覗くと彩乃は厳かに納まって、遠くから賛美歌が聴こえてくるような気がした。もちろん、それは賛美歌ではなく「星の世界」かも知れないのだが。

「祈ってください」
「この場合、祈りというのは私の中で何か違うと感じるのです」
「なるほど。では、スカートの裾を上げてください」と恐る恐る言ってみた。

 そして、撮影が終わると間もなく激しい雷雨になった。

          ◇



□九月から秋を集中撮影する予定です。作品のモデルになってくれる女性を募集しています。年齢は問いません。お申込はこちら・・・




2012-08-25 : リトルファンタジー2012 : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

プロフィール

ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
このブログのすべての写真や文章などコンテンツの無断コピー、無断転用を禁じます。

月別アーカイブ

ブログ内検索

FC2カウンター