『古めかしい写真』⇒『青林檎の告白』

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 僕の写真は古い。一方で若々しいと評されることもある。ともに事実だろうと思う。
 僕は少年時代に見たさまざまな艶などを写真に甦らせている。古い時代を思い起こし撮影するとき、やはり銀塩がてっとり早い。確実に古い時代が写っているからだ。ついでに言うと、デジイチを使わないのは、僕の作品を表現するには不便だから、それだけの話である。
 僕がカメラを持つ時、おそらく14才以前の精神状態であることは確実である。だから、僕の古い写真には若々しさも根底に流れている。それは必然だと考えられる。


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 季節外れの青林檎を茶の紙袋から出すと青くて甘ずっぱいい匂いが周囲に漂った。それは青い性の匂いだった。moeは樹の根っこに座って青林檎を左手に持ち、右手に持った果物ナイフで丁寧に皮を剥きはじめた。皮を長くつなげて剥いてほしかったけど、なぜか「切れてもいいよ」と僕は言った。
 僕は草木の青い匂いに犯された町で育った。僕も青い性を内側に貯めていた。それはバラの棘が刺さった指先に膨らんだ血球のように今にも流れ出しそうな持て余しようだった。
 moeは頭が良くて真面目な子。胸は白くてほぼ手にした林檎を半分に切った大きさだった。青い性が彼女を放っておくはずはなかった。「この青林檎、どうする?」「頂いてもよろしいのでしょうか?」「もちろんいいよ」「では今日これから大学へ行ってから頂きます」賢さと謙虚さこそがmoeの魅力であり、そこへ青いエロスが見え隠れしていた。

『青林檎の告白』より
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□林檎の写真ですが良い具合にふるめかしい写真です。ついでに、2009.5.26に撮影した『青林檎の告白』の原稿に手を入れてみました。



2013-01-06 : 詩と写真と : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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