『オレンジの地球』・・・作品



2013.2.11 model*莉菜

            †

地球儀は旅が大好きな女の子へのプレゼントです
これさえあれば世界中どこにでも行けるのです

            ††

 路上に車を停めて莉菜を待っていた。バックミラーで花屋の前の舗道を見張りながら車の荷台に積んだ地球儀に思いを馳せていた。その地球儀が僕のところにやってきたのはまったくの偶然で、地球儀はなぜか火星のような色だった。
 
 バックミラーに少女のような歩き方でやってくる莉菜が映った。ファーのあるベージュ色のコートを羽織り、足もとを見ると生足でソックスさえはいておらず、しかもこの寒さのなかカジュアルな靴だった。莉菜がこんな寒々しい格好をしているのは、昨夜僕がメールで頼んだことを忠実に実行しているからだった。コートを脱げば僕が着ることを懇願した半袖の赤いワンピース姿だということになる。

 莉菜に愛しさを感じたのは寒さに耐えている健気さを見たからだけではない。愛らしさの理由を説明しようとすると少しややこしい。小動物的な眼は常に静かで何事か言いた気な様子はなく、顔の表情は時折見せる笑顔以外は穏やかさを崩すこともなく、かといって無味乾燥な表情というわけでもなく、僕に余計な気をまわさせたり勘ぐらせたりさせる隙を与えることもなく、おおむね僕への癒しの表情にみえる。改めて上半身を見やると、まるで船越桂の木彫りの彫刻作品のように静寂であった。莉菜は自らすすんで語ることを拒否することで無事に時をやり過ごそうとしているようである。僕は静かに莉菜に興味を持ちはじめていた。もっと莉菜を知りたい。もっと莉菜と語りたい。許されるなら莉菜を抱きしめて骨格を感じてみたい。僕の妄想はエスカレートするばかりだ。それは静かな女の子による意外なエロスのへの期待のせいであった。

 莉菜と公園へやってきた。先ほどから北風が吹き始めている。コートを脱ぐと莉菜はやはり僕が望んだ赤い半袖のワンピースを着ていた。しかもワンピースはミニだったから寒いことは言うまでもない。莉菜は地面に直に座ると地球儀を抱きしめて身動きもしない。まるで冷えた身体を地球の熱で温めているようだ。ファインダーを覗くと莉菜のミニスカートの奥まで映っていた。

「白いものが見えているんだ」
「・・・」
 僕はかまわずシャターを押した。

 ある無口な女の子の、「心の中には嬉しい時も悲しい時も冷静な自分がいるの」という言葉を思い出した。莉菜も冷静な自分と対峙しているのだろうか。再びファインダーを覗くとオレンジ色の地球を抱いた莉菜は温もりを発し、その眼差しの静けさと白い下着の清らかさが静寂なエロスを奏でていた。

 僕はまたシャッターを押した。


            †
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2013-02-14 : ファンタジー2013 : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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