『ホタル』・・・撮影報告

2013.6.25 model*たま子


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 午後のにわか雨は予報に反して強く降った。僕たちが歩いている未舗装の道にはあちこちに水たまりができていた。たま子はかかとの低いシャレた空色の靴を濡らさないように蛇行して歩いた。東屋へ辿りつき二人並んで座った。時計見ると5時55分だった。「十分後に撮影をはじめよう」と言ったのは僕が少し息を整えたかったからと、もう少し暗くなるのを待つためだっだ。
 たま子に撮影の準備をするように言うと、たっぷりした薄い上着の袖を脱いで肩掛けにした。最初に地味な色合いの花柄の夏のロングワンピースの上着部分を腰まで下げて、タンクトップを脱ぎブラジャーを外した。僕はカバンから虫除けスプレーを出し、たま子の上着を開いて乳房に吹きかけた。
 陽が西の雲に隠れるとあたりの明るさが静かに落ちはじめた。湿った冷たい風が吹き抜けて行った瞬間に僕の心の中をよぎったのは、ホタルだった。少年時代、夏が来る前の湿った時期に僕の家の回りをホタルが飛んでいた。

 僕とたま子は川沿いに立っているモチ科の大木の下に移った。その場所は、ちょうどたま子の身体を覆うように葉っぱが垂れていた。僕が合図すると、たま子は上着を脱ぎ捨てた。シャッターを押す度にストロボが光ると、たま子の幼い乳首がホタルの光にように見えたのだった。

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□タイトルを『梅雨の思い出』から『ホタル』に変更しました。。。



2013-06-26 : ファンタジー2013 : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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