『Rubber Girl』・・・作品



2013.921 model*SHIORI@歌姫ちゃん

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 少し暑いがもう秋の気配である。空には一般的に下り坂の予兆である羊雲が浮かんでいるが、天気が崩れる気配はまだない。
 女子高生のSHIORIと郊外を歩く。SHIORIは多才な女の子である。バレエ、ダンス、歌曲、どれも長けている。長身でとりわけ長い足は鶴のように美しい。

 まだ会ってから数十分しか経っていないから僕の勘違いかもしれないが、SHIORIとの間には決定的な溝がある。その溝は少年時代に行った阿蘇の噴火口を思わせるほど深い。SHIORIは僕が経験的に思う、十代の感じがあまりしない。皮膚や頭髪や汗や匂い・・どこか違う。もちろん、それらは40年の年齢差を考えれば当然と言えるかもしれないのだが。

「好きな時間は?」
「三時です」
「では、三時まで拘束します」と言って目覚まし時計を三時にセットし、SHIORIの両手首に手錠をかけた

 カメラを構えると、SHIORIはバレエのエッセンスを取り入れたポーズをとり、まるで外国製の人形みたいだった。僕は必死でSHIORIを撮った。ついにカメラは壊れ僕は力尽きた。疲れ果てた僕を尻目に爽やかな顔でスマホをいじっている。

「何をしてるの?」
「ツィッターとか」

 今の十代に自分の存在を発信する術が当然のように備わっていることに驚かされる。SHIORIは彼女自身が造り上げた女の子ではないかと思う。それを、なんとなくRubberと感じるのは少し安直だから、単に僕が歳をとり過ぎて偏屈になったんだという結論に落ち着かせた。

 撮影が終わるとSHIORIは原宿へ向かった。僕は家へ帰ってシャワーを浴びたあと、ビートルズの『Girl』をリピートし、アルバムタイトルを『Rhabber Soul』としたことの意味を思い出していた。


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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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