『One note samba』

2014.2.12 model*t+g+r

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 ここはエレベーターもない古いビルの一室である。部屋の壁はすべて白く塗られ小ぶりな家具が数点置いてあるだけで殺風景だった。南西に向いた大きな窓から角度の低い冬の太陽がレースのカーテン越しに射し込んで、窓に背を向けて置かれたソファーに窮屈そうに座った三人の娘を淡い光のヴェールに包み霞ませていた。あらゆる方向に拡散した光は部屋にあるすべてのものをモノトーンにしてしまった。例えば、女の子がかぶる麦藁帽子のひさしの花と枯れ草の飾りや、女の子がこれから食べるロールケーキや、ショートカットの女の子の陰毛のない股間など、どれもが単一な色彩だった。すると、白い壁をつたうようにボサノバが流れはじめた、曲はOne note sambaだった。もう、ここは初夏の楽園のようにきらきら輝いている。「おぉ、Tom jobimよ!」僕はおいしいお茶をひとくち飲みながら今日という日がやってきた幸福に浸っていた。

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 ソファーに座っている三人の女の子のうち、左右の二人は少女趣味なコットンの白いスリップを着ていて左の子の股間には下着が見えている。シンプルな白いワンピースを着た中央の子はうぶな乳首を見せながら、右側の子の長い髪を三つ編みにしている。そして、その光景を左側に座った子はじっと見ながら真ん中の子の肩にキスをした。

 僕は二台のカメラにそれぞれモノクロとカラーフィルムを詰めて、三人を舐めるようにシャッターを押した。撮影が終わって帰りの車の中で表出した気分、これって幸福じゃないかも知れないという疑い。では何だろうね?考えるのはやめよう。強いて言えば、そう、One note sambaが秀逸だってことなんだろうか。

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2014-02-13 : 26th個展へ : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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