『花びらは儚く』


○作品はGalleryにてごらんください⇒⇒こちら

2014.4.4 model*美乃里


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 桜が散る時、彷徨人のために書かれたような哀愁に満ちたメロディーが僕の毛細血管を締めつける。その曲はミシェル・ルグランの『おもいでの夏』に似ていて沈痛だった。桜は僕にとって遠い昔の辛い物語の象徴の一つでしかない。桜が散るということは終わりではなく実はそれが始まり。そんな桜に宿命づけられた前向きな解釈が僕を脅迫する。それは昔も今も同じだ。

 2014年4月4日、14時44分44秒。白いワンピースの女は下着を脱ぎ捨てた。女は朽ちかけた桜の古木の根元に座った。風が長い髪をかき乱しスカートの裾をひるがえして陰部を露出させた。その風の中で僕の心によぎったイメージは陰湿だった。

 女は妖艶である。そこへ品の良い言葉遣いが相まって罪の香を醸し出す。去年のこの季節にこの女を撮った。その日も桜が満開だった。その写真には何かしら罪深いものが流れていて、僕とこの女が共犯者になったことを表していた。

 ここへ来る途中に出会ったソメイヨシノの大木の下で、僕たちは散ったばかりの花びらを掻き集めてガラス瓶に詰めた。その瓶から花びらを出して一塊を握ってみた。すると、しっとりしていて女の乳房を鷲掴みにしているような感じがした。

「君も花びらを掌に載せてごらん」

 桜は雪のように風に舞い乳房や股間の上に儚く散った。


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□露出のあるカットは個展にて展示いたします。。。






2014-04-11 : 26th個展へ : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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