『ガキ』


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2014.3.16 東京郊外にて

 春が遠いある休日の午後。めちゃめちゃ楽しそうな少年たちの声がかんに障った。僕はこの三月中ほぼ毎日いらだっていたから当然のことだ。僕は昔から子供が嫌いだ。なのに、逆に子供に気に入られて追い回されることが度々あった。少年と僕はそんなアンバランスな関係なのだ。
 声の方を見ると手引きの荷物用カートに乗ったガキたちがやってくる。ああ、ここにジェマちゃんがいたらなあと思った。この被写体には穏やかな彼女の作品の中に納まるべき清潔感と歓びがそこにあるではないか。僕が撮るべき被写体ではないと思いながら首からぶら下げたライカを構える。
 やがて僕の前を通りすぎる少年たち。なぜ君たちは僕に対してそんな嬉しそうな顔をするんだ。やめろ、クソガキ!とつぶやくと、少年たちも同じように思っているらしく、僕と彼らはコラボしてしまった。
 
「おれはガキが嫌いなんだ、あっち行け!」
「オジさんこそあっち行け!あっかんべ〜」
「何だと!クソガキ・・・」
「ぎゃっ、オジさんおっかねえぞ、逃げろ!」

 
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 実はこの写真『ガキ』は撮ったことさえ忘れていたのだが、数日前に観たキャパの写真展を観ている最中に思い出した。薄暗い照明で展示されていたツールドフランスを観る少年たちの写真の前に立った時だった。ただ少年たちがメインのスナップであること以外、僕が撮った『ガキ』と特に似ているわけではない。そもそもチケットの写真を観た時に触発されそうなものだが、本物のプリントを観るまで、僕の写真を思い出すことはなかった。それほど、オリジナルプリントには訴える力があることを再認識した。
 過去に撮ったスナップもあるきっかけが訪れて思い出すかもしれない。従って、常々心に響く感情を写真にすることが大事だと痛感した。ちなみに『ガキ』を撮った時の感情は「クソガキ!」だった。







2014-04-13 : スナップ : コメント : 3 :
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ガキは嫌いだと言いながら、こどもたちを見る先生の目の温かさよ。なんて嬉しそうなこどもたち!先生とこどもは相性良いのですね、あっかんべーがそれを語っています。
2014-04-14 12:01 : タロー URL : 編集
No title
この日記に書かれている事は、先生の空想でしょうか?
それとも本当にあった会話?
子供と親密にクソガキ、おっさんと軽口を叩き合いたい程度には、本当は子供がお好きなのでしょうね。
ふざけた顔が憎らしくも、愛しくもあります。

私も子供が苦手です。
2014-04-17 23:04 : eu URL : 編集
ありがとう
タローさんコメントありがとう。
euさん、鋭い質問ですね。半々ですね。僕はガキに対すると大抵こんな感じですね。
2014-04-18 08:37 : 魚返一真 URL : 編集
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ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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