『air』



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2014.5.10 model*rina∞

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 電車に乗った。車窓を通り過ぎる新緑と青空に包まれた郊外の風景は印象画のように見えた。遠くからフルートの音が聴こえてくる。それはこの数日のあいだフルートの曲を繰返し聴いたための空耳で、rinaが奏でるフルートの音ではない。rinaのフルートはまだケースの中だった。

 rinaは座席でフルートをケースから出して組み立てた。フルートを構えると笛吹き少女になった。僕は世界中のどこかにいるrinaを待っている誰かに今の彼女の真実を見せてあげたいと思った。

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「あの言葉なんだっけ?あれだよ、ほら、ディランの、、」
「『君の立場になれば君が正しい。僕の立場になれば僕が正しい』です」
「そう、だから、君は君の立場でフルートを奏でて欲しい。僕は僕の立場で撮影するから。できた写真には、今君が吸っている空気=airが写ると思う」
「わたしはどうしたら?」
「強いて言えば、バルテュスが描く少女のように無防備に足ぐみをしてフルートをそっと構える・・・」

 フルートを構えたrinaの澄んだ瞳はどこか遠くを見据えていて、とても愛らしかった。そんな純潔な娘を前にしたときでさえ僕が思ったことは、rinaがもう少しスカートを上げて欲しいということだった。

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2014-05-16 : 26th個展へ : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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