『めまい』

○作品はGalleryにてごらんください⇒⇒こちら

2014.5.14 model*かなみ

                ﹆

 もうすぐ梅雨になるのだろうか。今日の湿度は僕の精神と身体に何らかの変調をきたすに十分だった。公園のなだらかな斜面では二人の作業員が草刈りをしている。咲き終えたタンポポの群生もまるごと刈られてしまう。乙女ならずとも、こんな僕でさえ虚しくなることがごく当然な午後だった。やがてやってくる夏を楽しみに待つ気持ちの何倍もの苦しみが樹々の向うに見えたのも僕を憂鬱にしていた。

 かなみは静かな女の子だった。話しかけるとすぐに「はい」とこたえる。その小刻みなリズムには躾のあとがうかがわれた。そして、それ以外は口を閉ざす。人みしりですと、かなみのメールに書いてあったのを思い出した。この乙女がつくり出した空間には現代人に当然のように備わった巧みな偽りなど入り込む余地はない。僕はかなみの愛らしさがわかった。

 かなみをファインダーに入れたとき軽いめまいがした。

「下着が映ってもよいですか」
「いいえ」



                ﹆










2014-06-02 : 26th個展へ : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

プロフィール

ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
このブログのすべての写真や文章などコンテンツの無断コピー、無断転用を禁じます。

月別アーカイブ

ブログ内検索

FC2カウンター