『棺に君を保存する時』
2014.12.3 model*Gemma
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何種類もの色づいた枯葉で埋め尽くされた青々とした越年草の華やかな一画はまるで天然の棺のようで、その顔立ちのすこぶる端正な娘の少女のような無垢な身体がそこに横たわった。娘を俯瞰して眺めると冬の正午のやや黄ばんだ低い陽射しに照らされた棺の中の娘は厳かで、僕は天然の棺の中に娘を閉じ込めて保存している気分だった。
そこへ若者がやって来たとしたら、娘を見つけると傍にひざまずき片手でお下げ髪の頭を地面に押し付けてそっとキスをするに違いない。さらに若者は娘が保身用に着用しているブルマを脱がせるだろう。その次の妄想を続けようとしたとき、僕の耳にマタイ受難曲の中の美しいアルトのアリアがバイオリンのカウンターメロディーとともに聴こえてきたのだった。
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