『電車の中の少女』・・・加筆版





2015.1.29 model*risu

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 ある瞬間、僕には少女が十四才ぐらいに見えた。手にはその年齢の娘には不釣り合いなタイトルの文庫本を持っている。少女はその古めかしい文芸小説を読みながらときおり物憂げな表情をしている。

「君、いくつ?」
「○○才です」
「君、経験はあるの?」
「最近おぼえたばかりです」
「読みなからがでいいから何かしてごらん」と心の中でつぶやいてみる。
 
 僕のこころによぎるのは小説『眠れる美女』における少女と添い寝する老人の心境である。もしそこに掟があるなら破ってしまえば良い。僕はこの少女を自由に扱うことができる。

 「さあ、読みながら何かしてごらん」と再び少女につぶやいてみる。虚しさが込みあげる。その虚しさの本当の意味は、真冬の空の向うにあるはずのエロスの楽園が今はもうないということだ。


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□27th個展にて展示。
□作品はこちらでご覧になれます・・・Kazuma Ogaeri MOSO



2015-01-31 : 27th個展へ向けて : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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