『風邪の憂鬱』





2015.2.9 model*kanade+gemma


 少年時代、僕はずっと長いあいだ何らかの病だった。

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 オリオンと名づけられた誰かの趣味によって念入りに施された部屋にふたりの娘がいる。僕も彼女たちを覗き見するような感じで同じ部屋にいる。年長の娘はまだ成人には歳の足りない娘に赤い液体を飲ませている。毒であるかのような色あいだが処方箋である。なぜなら若い方の娘はマスクをしている。

 少年時代の僕は慢性的に風邪のような症状をもっていた。寝床についた僕は隣の部屋や床下の様子ばかりか同じクラスの女の子の寝室の中さえ見ることができた。しかし、それらの多くはまったくの妄想だったことを今は理解している。年月が経過しても精神に棲みついたそれらの映像は消えるばかりか、いっそうエッジが際だって僕を悩ませている。


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 少年時代、僕はずっと長いあいだ何らかの病だった。




□この作品を気に入った方は拍手をお願いします。
□27th個展にて展示。
□修正作品ですがこちらでご覧になれます・・・Kazuma Ogaeri MOSO



2015-02-10 : 27th個展へ向けて : コメント : 0 :
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Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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