『くさむらの夢』



2015.6.17 model*薫

                  ⁂

 僕たちは雲行きのあやしい空に覆われた野を歩いた。目的の場所は僕が棺桶と名づけた不思議な草むらである。今朝の僕はどうも虚しかった。撮影場所を予定していた川から棺桶のある草原に変更したのもその虚しさと無関係ではない。VEEDON FLEECE。作者さえその本当の意味を語ろうとしない言葉が心の中で繰返される。やがて棺桶の前に立った。薫を虫けらのように扱ってみたい、などとできないくせにそう思う。

「目隠しをされた薫はこの棺桶の中にうつ伏せに這いつくばり通りすがりの男にパンツを脱がされる」
「はい、わたしは通りすがりの男にパンツを脱がされます」
「そして薫はせんせいの本を読む」
「はい、パンツを脱がされたわたしは目隠しをされたまませんせいの本を読みます」

 棺桶のような型に群生した草むらに唐突に露出した尻が筋肉質で見事だった。あやしい空の下に横たわる棺桶の上の出来事はいつか見た悪い夢のつづきみたいだ。

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□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。
□27th個展にて展示。


2015-06-18 : 27th個展へ向けて : コメント : 0 :
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ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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