『ゲンスブールを聴きながら』・・・撮影報告



2015.12.01 model*さくら

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 この女の丁寧な口調にはむやみに人を信用させる術が備わっている。そしてふとした時の切なげな表情も男を惑わすに十分である。もちろん、僕も女の魅力を知る男のひとりとして、虜にならないように気をつけている。僕は迷わず大きな橋の下へ女を誘った。犯罪の香のする場所はいつの時代も同じだ。川がそのひとつである。川に来ると何もかも流してくれるような気がする。

 誰が運んだか、それとも流れ着いたのか、その橋の下に朽ちかけた木の柱があった。僕は女をその柱に座らせストッキングを脱ぐように言うと従順だった。しかし、それもこの女の仕掛けた罠かもしれないと思った。次に胸を見せるように言った。やはり従順だった。朽ちた木の上で保守的な衣服を乱し大きめの乳房をあらわにし下から僕を見つめる女は刹那的で何とも言えない美しさがあった。

 この時、僕の頭にセルジュ・ゲンスブールのぬるいシャンソンが不気味に流れはじめて、この女に何だってできるような気がした。僕はこの女に思いを遂げて最後には捨てることだってできる。それは川がそいう場所だからである。

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□この作品のカラー版はカメラマン誌.2月号に掲載されています。
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2016-01-23 : 28thに向けて : コメント : 0 :
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ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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