『黄色いバラ』


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2016.1.9 model*たま子

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 娘と歩く。ある伝説的な作家が夕焼けを見るために度々おとずれたという鉄道を跨ぐ橋へ向かうつもりである。僕も数年に一度はその橋へ行きぼんやり空と電車を眺める。駅前の花屋で、何か選んでごらんと娘に言うと、娘は「黄色いバラ」と小声で言った。一輪だけ買うとまた歩き始める。橋へ着いた。鉄柵にもたれてごらん、それからスカートを上げてごらん、下着が見えるまで。
 今日の娘の装いは、白いブラウス、黒いセミロングのフレアスカート、グレーのロングコート、そして真っ赤なマフラーを首に巻いて、手にした黄色いバラが映えている。

 また歩く。ケヤキの大木の連なりに沿って歩いた。枯葉に囲まれたベンチに座る。低い冬の太陽が黄色いバラを鮮やかに照らした時、少し躊躇したけれど、脚を開きなさいと言ってみた。

 また少し歩いた。上水の脇を通る小道の入口の車両止めの錆びた鉄枠に娘を軽くもたれさせた。胸を出してごらん、と言うと娘はしずかに前をひらいた。また低い太陽が娘のパープルグレーのショルダーバッグに差込んだバラを鮮やかに照らした。コートのグレーをベースに、赤いマフラーと黄色いバラとバラに数枚ついている緑の葉、そして背後の空の青は、仕組まれたように見事に調和していた。その刺激的な調和に見おぼえがあった。あっ、ギュスターヴ・モローだ!娘はこの原色の色づかいが自分の白い乳房と薄ピンク色の乳首を際だたせることを知っていて、あの駅前の花屋で黄色いバラを選んだんだな、絵画に精通したこの娘ならやるだろう。

 この娘の本当の美しさは純潔であると改めて思う。


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□ここに掲載した写真は修正しています。
□無修正作品をご覧になりたい方は次回28th個展へいらしてください。(展示予定)






2016-04-16 : 28thに向けて : コメント : 0 :
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ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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