『ポートレートは僕の人生』


 
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 僕が初めて女の子を撮ったのは、プロカメラマンになってからで、Hot Dog Press誌(講談社)お得意の街頭キャッチ特集の撮影だった。それは街を歩いている可愛い女の子がたくさん載っているというだけのことだったが雑誌はバカ売れ。僕はプロになったばかりで既に35才だった。その特集の取材は大掛かりでカメラマンが足りず殆ど素人の僕にまで依頼がきたのである。素人といっても周囲にはキャリア10年と嘘をついていたのだが。。撮影当日、僕はレフ板すら持っておらず、新宿さくら屋の開店時間に行き組み立て式のレフ板を買って渋谷の公園通りへ向かった。20代のカメラマンとライターが10人ずつ集合場所の喫茶店に集まった。僕が最年長。しかも飛び抜けて高齢。僕より10才以上若い編集者によるターゲットの女の子についての簡単な説明が終わるとカメラマンとライターの二人一組になって一斉に渋谷の街に出た。僕の相方となったライターはアマタツさんという名前の20歳ぐらいの子。当然だが、女性ポートレートはド素人の僕はいきなりの街頭キャッチ撮影に四苦八苦しながら夢中で撮影した。取材が終わったとき僕は「向いていないな」と思った。そしてかなり落胆した。数週間後、街頭キャッチ特集が掲載されたHot Dog Pressの発売日に僕はコンビニで立読みした。驚いたことに、僕が撮った女の子が多く掲載されていたのだった。そして後日、予想外に高額のギャラをもらった。後で知ったのだが、その特集でのギャラは出来高制だったのだ。掲載された写真の数によってギャラが増えるのだ。つまり、悪くするとギャラが経費だけということもあり得た。
 初ポートレートは無我夢中と落胆だった。そしてライブ感が身体に残った。それ以来、仕事以外でも女の子の作品を撮り始めモデルはスカウトした。その後、作品にエロスが加わって現在の妄想写真家となったのです。今でもポートレート撮影は無我夢中でやって撮影後は自分の力のなさに落胆する。そしてまたスカウトする。これからもずっと変わらない、だってそれが僕の人生そのものだから。

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□魚返一真・写真塾の新塾生を若干名(三名程度)募集しています。。。



2016-03-13 : コラム : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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