『オリビア』・・・撮影報告



2016.4.2 model*オリビア

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 オリビアを連れて街を歩いたり一緒に電車に乗ると何となく誇らしい気分になる。スラリとした肢体、エキゾチックな容姿、ナチュラルソバージュのロングヘアー、個性的なファッション。誰もがオリビアを連れて歩きたいと思うだろう。しかし次の瞬間に僕はかなり昔の自分を思い出していた。

 四十二年前、そう桜が満開で今日と同じような季節に僕は東京へ出て来て賄い付きの高田馬場の下宿に住みつき、大学の入学式にも出ずに下宿の三畳間で何もせずに過ごした。鉄道ファンの僕なのに電車や地下鉄に乗るのが怖かった。(理由はここでは省く)やっとできた友人のノブと原宿へ行ったときのことだった。竹下口の改札で駅員に切符を渡すとき「これでいいんだかね?」と僕は言った。これは僕の故郷の方言ではない、ただ緊張して変な言葉になったのだった。それからノブは、例えば女の子に僕を紹介するときなどに必ずこのエピソードを披露した。そして、このエピソードは四年前に突然やってきたノブの死とともに二度と語られることはなくなった。

 経緯は省くが、僕はオリビアを拘束することにした。「これから君を縛るよ」「わかりました」僕は黒い何本かのヒモで両手と太ももを露出させた両足、そしてスレンダーな胴体などを慣れない手つきで縛った。そしてそれをネガフィルムで撮影した。「どうだった?」「日頃の罪を悔い改める事ができたような気がして今はとても清らかな気持ちです」とオリビアは神妙な顔で言った。僕の方は、最初は罪の意識があったけど、すぐに魔性が僕の中に根づいてしまったような気がした。

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□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。。


 

2016-04-03 : 28thに向けて : コメント : 0 :
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ogaeri

Author:ogaeri
1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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