『モヤモヤは姫踊子草とともに』・・・撮影報告



2015.4.9 model*Olivia

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 Oliviaと出会ってから4年。正確には4年と7ヶ月と一日がたった。初めて見たその姿は羽化したばかりの蝶のアサギマダラのように何ひとつキズのない完全なものだった。そして現在まで僕の前でずっと美しい娘でいてくれた。いや、僕に限らず何時だって他の誰の眼にも綺麗な女の子であることは間違いない。しかし、僕はOliviaの微妙な変化があるように思えた。それはYesterdayを唄うPaulの唄い回しがLiveごとにやや違う程度のことではっきりと何処がどう違うのか指摘するのは難しい。しかし、僕は確かにOliviaに変化を感じていた。そのことで僕はモヤモヤしていた。

 舗装道路の排水溝の脇に溜った桜の花びらをOliviaに手ですくって袋に入れるように言った。Oliviaは桜の花びらのしっとりした手触りを楽しんでいるようだった。「この花びらをどうするのですか」「わからない。でも僕は毎年桜の散るのを待って吹きだまりで花びらを両手ですくっている」「赤ちゃんの肌のように細やかですね」「そう、エロチックだと思わない?」

 僕は姫踊子草が好きだ。あの微妙な色合いと複雑な構造には奥深い魅力がある。その魅力を誰かに伝えようとするとき、僕はモヤモヤしてしまう。きっと姫踊子草の魅力について明瞭に説明された文章に出会えないのは、その魅力を言葉で表すのが困難なため誰もが語ることをあきらめたからだろう。ともあれ僕は姫踊子草が生える季節がやってきたことが嬉しかった。

 Oliviaを姫踊子草が群生する草むらに連れてきた。そして僕は姫踊子草と添い寝するような感じでOliviaを寝かせた。空は曇っている。そのせいかOliviaは眩しそうに瞼にちからを入れることなくリラックスしているようだった。僕はさっきOliviaが両手ですくって集めた桜の花びらを彼女の身体を囲うようにばら蒔いた。美しい。本当に美しい。そう声に出した時、僕のモヤモヤは消え去った。

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□この作品をご覧になりたい方は拍手をお願いします。
□この日はその他に『しおれかけた薔薇』『自縄自縛してみる?』の二作品も撮りました。




2016-04-09 : 28thに向けて : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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