『妹』・・・撮影報告


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2016.10.5 model*莉菜

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 実際のところ、この姉妹に会ってからもう三・四年になるのに二人の本当の愛らしさに気づいたのは、姉(麻菜)はつい三ヶ月前で妹(莉菜)に至ってはまだひと月も経っていないのである。ともあれ現在は、ふたりのことをそれぞれとてもとても好きなのである。

 今日、妹を撮ることに少し違和感を感じていた。それは僕が彼女の姉を撮った時に言ったのと同じ言葉が出てしまうことへのおぞましさからだった。その言葉とは、例えば「愛らしい」「清純だね」「カワイイ」「ヴァージン?」などである。例えば今日、妹を撮る時に僕が言った言葉を妹は家に戻り同居している姉に言うに違いないのだ。(実際この妹は姉に対して何でも言うらしい)しかし、二ヶ月前に姉を撮った時にそれらのフレーズはすでに使ったものである可能性が高い。

 いざ撮影の時がやってきた。はたして僕の口から出た言葉は予想したとおりだった。妹は家に戻ったら姉に今日あった事のすべてを、ありのままを語るに違いない。その中に僕が撮影中に言った言葉も当然ふくまれているだろう。それらの言葉は二ヶ月前に姉に言ったものとまったく同じなのだ。だって、仕方ないじゃないか。ふたりとも同じような褒め方をしてしまうしかない子たちなんだから。

 ファインダーをのぞくと妹は黒木華にどこか似ていてた。その愛らしさを秋の草花のように密かに咲かせていたのだ。その変化は本人でさえ気づいていない。妹は二ヶ月前に姉がしたようにブラウスのボタンを外し肩と白いブラジャーを露出したのだった。僕は愛らしくなったお祝いにと、妹に秋の草花を摘んで手渡した。そうだ、姉の時もやっぱり草花を摘んで手渡した。でも、姉に摘んであげたのは夏の草花だった。たった数ヶ月で野草が変わってしまうように娘たちは愛らしくなっていくんだ。

「わたし髪を切ろうと思って・・・」
「せめて僕がもう一回撮るまでやめなさい。せっかくの黒木華がどっかへ行っちゃうから。。。」


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□この写真は個展で展示する作品ではありません。



2016-10-05 : 29th個展へ向けて : コメント : 0 :
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1992年より一般の女性をモデルに作品を撮り始める。2008年「鉄道と彼女」を発表した。
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